心を病んでいるという嘘をつかれ追放された私、調香の才能で見返したら調香が社交界追放されました

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廊下に出ると、使用人たちが冷ややかな視線を向けてきた。彼らは皆、アンドレの息がかかった者たちばかりだ。私が連れてきた侍女は、結婚して半年で「実家の都合」という理由で辞めさせられていた。

自室に戻ると、涙が溢れてきた。悔しさと屈辱で、胸が張り裂けそうだった。

どうして、こんなことに。

私はただ、夫を支え、公爵夫人としての役目を果たそうとしただけなのに。

窓の外を見ると、庭園の薔薇が美しく咲き誇っていた。あの薔薇たちは、私が密かに調合した肥料のおかげで、例年以上に見事に咲いている。でも、それを誰も知らない。

翌朝、簡素な馬車が屋敷の前に用意された。荷物は小さな旅行鞄一つだけ。母の形見である調香の道具一式と、研究ノート、そして質素な服が数着。それが、三年間の結婚生活で私に残されたすべてだった。

馬車に乗り込もうとした時、使用人の一人が小声で囁いた。

「奥様、いえ、元奥様。あなたが出て行った後、新しい奥様がいらっしゃるそうですよ」

背筋に冷たいものが走る。

「......そう」

それ以上、何も聞きたくなかった。

馬車が動き出し、ロシュフォール公爵邸が遠ざかっていく。私は二度と振り返らなかった。

父の屋敷に戻ると、父は驚くほど冷淡だった。

「セリーヌ、お前がこんなに早く戻ってくるとはな」

父、ロベール・ブルトン子爵は、書斎で書類を広げたまま顔も上げなかった。

「お父様、私は何も悪いことはしていません。あれは濡れ衣で......」

「もういい。公爵家から離縁されたという事実が、すべてを物語っている。お前のせいで、我が家の評判も地に落ちた」

父の言葉は、アンドレと同じくらい冷たかった。

「お前には、東の別邸で静かに暮らしてもらう。社交界には二度と出るな」

「お父様......」

「以上だ。下がりなさい」

私は何も言えなくなった。喉の奥が、言葉を飲み込んでしまったかのように詰まっている。

その日のうちに、私は王都から遠く離れた東の別邸へと送られた。小さな領地の外れにある、古びた屋敷。使用人は老齢の執事トーマスと、若いメイド二人だけ。
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