心を病んでいるという嘘をつかれ追放された私、調香の才能で見返したら調香が社交界追放されました

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イザベルが、悲鳴を上げた。

「違います!  私は何も知りません!  」

「あなたも共犯です、イザベル嬢。いえ、今や公爵夫人でしたね」

マグナスの声は、容赦なかった。

「あなたは、アンドレ公爵の財産目当てで近づいた。そして、邪魔なセリーヌ嬢を追い出すよう、公爵を唆した」

「そんな......!  」

イザベルは、アンドレにすがりついた。

「アンドレ様、違いますよね?  私たちは、愛し合っているんですよね?  」

でも、アンドレは答えなかった。

彼の顔は蒼白で、額には脂汗が浮かんでいた。

「ロシュフォール公爵、何か弁明はありますか」

王妃陛下の声は、冷たく鋭かった。

「それは......その......」

アンドレは、言葉に詰まった。

「陛下、さらに申し上げます」

マグナスが続けた。

「アンドレ公爵は、セリーヌ嬢が商売を始めたことを知り、店を潰すよう脅迫しています。元妻の才能を妬み、妨害しようとしたのです」

「なんと......」

王妃陛下の表情が、険しくなった。

「ロシュフォール公爵、あなたは無実の女性に濡れ衣を着せ、追放し、さらに彼女の人生を妨害しようとした。これは、許されざる行為です」

「陛下......」

「公爵位は維持しますが、三年間、宮廷への出入りを禁じます。さらに、領地の税を倍額に引き上げます」

アンドレは、膝から崩れ落ちた。

「そんな......」

イザベルも、真っ青になった。彼女が求めていたのは、華やかな社交界と贅沢な生活。それが、すべて奪われた。

「アンドレ様......!  どうしてこんなことに......!  」

イザベルは、アンドレを責めるように叫んだ。

「あなたが、セリーヌ様を追い出すなんて言うから!  私は反対したのに!  」

「お前が、俺を唆したんだろう!  」

二人は、会場の真ん中で醜く言い争い始めた。

周囲の貴族たちは、冷たい目で二人を見ている。

私は、静かにその光景を見つめていた。

胸の奥には、不思議な感情があった。

悲しみでも、怒りでもない。

ただ、これでようやく終わったのだという、静かな安堵。

「セリーヌ嬢」

王妃陛下が、優しく微笑まれた。

「あなたの才能を、これから存分に発揮してください。あなたは、亡きお母様に負けない素晴らしい調香師です」

「ありがとうございます、陛下」

私は深く頭を下げた。

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