5 / 7
第五章
しおりを挟む
勝負まで、三日。
工房に籠もった私は、かつてないほど集中していた。
「リリアーナ、少しは休め」
レオンが食事を運んできた。
「大丈夫です。あと少しで......」
「無理をするな」
彼は私の手から調香瓶を取り上げた。
「お前が倒れたら、元も子もない」
「でも、グレゴールは母の魂を使うんです。私には――」
「お前には、お前にしかないものがある」
レオンは私の肩に手を置いた。
「生きている魂。そして、大切な人を想う心」
その言葉に、胸が熱くなった。
「レオン......」
「俺は、お前を信じている」
彼の深紅の瞳が、優しく微笑んだ。
「だから、無理をしないでくれ」
胸がぽうっとランプが灯ったように温かい気持ちで包まれた。
その夜、私は久しぶりにゆっくり眠った。
夢を見た。
母が、優しく微笑んでいる夢を。
――リリアーナ、怖がらないで。あなたは一人じゃないわ。
目が覚めた時、頬に涙の跡があった。
でも、それは悲しみの涙ではなかった。
喜びだ。
グレゴールが何をしてこようと、母の魂はいつだって私とともにある。
「母さん、見ていてね」
私は新たな決意で、調合を再開した。
* * *
二日目。
「なあ、お嬢ちゃん」
ジャックが工房に入ってきた。
「グレゴールのことだがな......実は、俺も昔、奴に会ったことがある」
「本当ですか?」
「ああ。まだ俺が若い頃、奴は普通の調香師だった」
ジャックは遠い目をした。
「才能はあったが、それ以上に努力家だった。誰よりも香りを愛していた」
「それが、なぜ......」
「奴には、幼い娘がいてな」
ジャックは重い口調で続けた。
「不治の病にかかった。医者は匙を投げた。だが、グレゴールは諦めなかった」
「まさか......」
「ああ。娘を救うために、禁断の調香術に手を出した。他人の生命力を香料にして、娘に与えようとした」
ジャックは首を振った。
「だが、失敗した。娘は死に、グレゴールは正気を失った。それ以来、奴は無数の人間を香料にし続けているというわけさ」
私は言葉を失った。
グレゴールは、最初から悪魔ではなかった。
ただ、愛する者を救おうとして、道を踏み外した哀れな父親だったのだ。
「まあ、だからといって、お嬢ちゃんの母さんの魂を使うなんて、許されることじゃない。あんなもんは邪道だ」
ジャックは厳しい表情で言ったあと、私の顔を見た。
「必ず勝てよ」
「ええ」
* * *
勝負前日の夜。
レオンが私を屋上に呼んだ。
王都の夜景が、眼下に広がっていた。
「綺麗ですね」
「ああ」
レオンは欄干にもたれた。
「リリアーナ、俺の呪いについて話していなかったことがある」
「呪い?」
「感情を失っていく、と言ったが......正確には違う」
彼は空を見上げた。
「失うんじゃない。感じられなくなるんだ。幸せも、悲しみも、怒りも。全てが、灰色に見える」
レオンの声は、どこか虚ろだった。
「五年前、母が亡くなった時も、俺は涙一つ流せなかった。愛していたはずなのに」
「レオン......」
「だから、お前に会えて良かった」
彼は私を見た。
「お前といると、色が戻ってくる。世界が、また美しく見えるんだ」
月明かりの中、レオンの顔が近づいてきた。
心臓が激しく鳴る。
でも――。
「待って」
私は顔を背けた。
「私は、あなたの『薬』じゃありません」
レオンは驚いた表情を浮かべた。
「私は、呪いを解くための道具になりたくない」
私は真っ直ぐにレオンを見つめた。
「でももし、あなたが本当に私を――」
言葉が続かなかった。
長い沈黙の後、レオンが微笑んだ。
「分かった」
彼は私の頭を優しく撫でた。
「勝負が終わったら、改めて答えを聞かせてくれ」
そう言って、レオンは去って行った。
その背中に何か声をかけてあげたいのに、こういう時だけ私の口は役立たずだった。
* * *
勝負の場は、王宮の大広間で執り行われることとなった。
観客席には、王族、貴族、そして調香師たちが詰めかけていた。
中央に二つの調香台が設置され、左にグレゴール、右に私。
「ルールを説明します」
モーリス卿が審判として前に出た。
「テーマは『生命』。制限時間は三時間。完成した香水を、審査員に提出していただきます」
審査員は、王、王妃、そしてアルベルト王太子。
「では、始めてください」
鐘が鳴った。
グレゴールは即座に調合を始めた。
彼の手際は見事だった。無駄な動きが一切ない。
そして、彼が使う香料は――黒い小瓶。
母の魂が入った瓶。
怒りが込み上げてくる。
けれど、私は深呼吸をして落ち着いた。
「――感情に呑まれるな」
レオンの声が、脳裏に蘇る。
私は自分の調合に集中した。
『生命』とは何か?
しっかりと考えてきたでしょう。
私は香料を選び始めた。
まず、春の花々。新しい命の象徴。
次に、夏の果実。成長の喜び。
やがて秋の木の実。成熟の深み。
そして最後に――私自身の魂の欠片を、一滴。
左胸に指をあてれば白銀に輝く真珠のような雫が取り出される。
辺りから、歓声とざわめきが聞こえた。
これは賭けだった。
【魂香創成】で自分の魂を香料にすることは、大きな代償を伴う。
最悪、永遠に意識を失うかもしれない。
でも、これしかない。
死者の魂に対抗するには、いま生きている者の、私自身の命で戦いぬくしかない。
調合を進めるうちに、あたりの景色が歪み始めた。
「リリアーナ!」
レオンの声が遠くに聞こえる。
でも、まだ完成していない。
あと少し、あと少しだけ......。
ゆっくりと小瓶に香水が垂らされ、そして封を閉じる。
完成の瞬間、私の意識は途切れた。
工房に籠もった私は、かつてないほど集中していた。
「リリアーナ、少しは休め」
レオンが食事を運んできた。
「大丈夫です。あと少しで......」
「無理をするな」
彼は私の手から調香瓶を取り上げた。
「お前が倒れたら、元も子もない」
「でも、グレゴールは母の魂を使うんです。私には――」
「お前には、お前にしかないものがある」
レオンは私の肩に手を置いた。
「生きている魂。そして、大切な人を想う心」
その言葉に、胸が熱くなった。
「レオン......」
「俺は、お前を信じている」
彼の深紅の瞳が、優しく微笑んだ。
「だから、無理をしないでくれ」
胸がぽうっとランプが灯ったように温かい気持ちで包まれた。
その夜、私は久しぶりにゆっくり眠った。
夢を見た。
母が、優しく微笑んでいる夢を。
――リリアーナ、怖がらないで。あなたは一人じゃないわ。
目が覚めた時、頬に涙の跡があった。
でも、それは悲しみの涙ではなかった。
喜びだ。
グレゴールが何をしてこようと、母の魂はいつだって私とともにある。
「母さん、見ていてね」
私は新たな決意で、調合を再開した。
* * *
二日目。
「なあ、お嬢ちゃん」
ジャックが工房に入ってきた。
「グレゴールのことだがな......実は、俺も昔、奴に会ったことがある」
「本当ですか?」
「ああ。まだ俺が若い頃、奴は普通の調香師だった」
ジャックは遠い目をした。
「才能はあったが、それ以上に努力家だった。誰よりも香りを愛していた」
「それが、なぜ......」
「奴には、幼い娘がいてな」
ジャックは重い口調で続けた。
「不治の病にかかった。医者は匙を投げた。だが、グレゴールは諦めなかった」
「まさか......」
「ああ。娘を救うために、禁断の調香術に手を出した。他人の生命力を香料にして、娘に与えようとした」
ジャックは首を振った。
「だが、失敗した。娘は死に、グレゴールは正気を失った。それ以来、奴は無数の人間を香料にし続けているというわけさ」
私は言葉を失った。
グレゴールは、最初から悪魔ではなかった。
ただ、愛する者を救おうとして、道を踏み外した哀れな父親だったのだ。
「まあ、だからといって、お嬢ちゃんの母さんの魂を使うなんて、許されることじゃない。あんなもんは邪道だ」
ジャックは厳しい表情で言ったあと、私の顔を見た。
「必ず勝てよ」
「ええ」
* * *
勝負前日の夜。
レオンが私を屋上に呼んだ。
王都の夜景が、眼下に広がっていた。
「綺麗ですね」
「ああ」
レオンは欄干にもたれた。
「リリアーナ、俺の呪いについて話していなかったことがある」
「呪い?」
「感情を失っていく、と言ったが......正確には違う」
彼は空を見上げた。
「失うんじゃない。感じられなくなるんだ。幸せも、悲しみも、怒りも。全てが、灰色に見える」
レオンの声は、どこか虚ろだった。
「五年前、母が亡くなった時も、俺は涙一つ流せなかった。愛していたはずなのに」
「レオン......」
「だから、お前に会えて良かった」
彼は私を見た。
「お前といると、色が戻ってくる。世界が、また美しく見えるんだ」
月明かりの中、レオンの顔が近づいてきた。
心臓が激しく鳴る。
でも――。
「待って」
私は顔を背けた。
「私は、あなたの『薬』じゃありません」
レオンは驚いた表情を浮かべた。
「私は、呪いを解くための道具になりたくない」
私は真っ直ぐにレオンを見つめた。
「でももし、あなたが本当に私を――」
言葉が続かなかった。
長い沈黙の後、レオンが微笑んだ。
「分かった」
彼は私の頭を優しく撫でた。
「勝負が終わったら、改めて答えを聞かせてくれ」
そう言って、レオンは去って行った。
その背中に何か声をかけてあげたいのに、こういう時だけ私の口は役立たずだった。
* * *
勝負の場は、王宮の大広間で執り行われることとなった。
観客席には、王族、貴族、そして調香師たちが詰めかけていた。
中央に二つの調香台が設置され、左にグレゴール、右に私。
「ルールを説明します」
モーリス卿が審判として前に出た。
「テーマは『生命』。制限時間は三時間。完成した香水を、審査員に提出していただきます」
審査員は、王、王妃、そしてアルベルト王太子。
「では、始めてください」
鐘が鳴った。
グレゴールは即座に調合を始めた。
彼の手際は見事だった。無駄な動きが一切ない。
そして、彼が使う香料は――黒い小瓶。
母の魂が入った瓶。
怒りが込み上げてくる。
けれど、私は深呼吸をして落ち着いた。
「――感情に呑まれるな」
レオンの声が、脳裏に蘇る。
私は自分の調合に集中した。
『生命』とは何か?
しっかりと考えてきたでしょう。
私は香料を選び始めた。
まず、春の花々。新しい命の象徴。
次に、夏の果実。成長の喜び。
やがて秋の木の実。成熟の深み。
そして最後に――私自身の魂の欠片を、一滴。
左胸に指をあてれば白銀に輝く真珠のような雫が取り出される。
辺りから、歓声とざわめきが聞こえた。
これは賭けだった。
【魂香創成】で自分の魂を香料にすることは、大きな代償を伴う。
最悪、永遠に意識を失うかもしれない。
でも、これしかない。
死者の魂に対抗するには、いま生きている者の、私自身の命で戦いぬくしかない。
調合を進めるうちに、あたりの景色が歪み始めた。
「リリアーナ!」
レオンの声が遠くに聞こえる。
でも、まだ完成していない。
あと少し、あと少しだけ......。
ゆっくりと小瓶に香水が垂らされ、そして封を閉じる。
完成の瞬間、私の意識は途切れた。
17
あなたにおすすめの小説
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました
歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と
罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが
やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、
エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」
辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。
商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。
元夫が「戻ってこい」と泣きつくが——
「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」
無能と婚約破棄された公爵令嬢ですが、冷徹皇帝は有能より“無害”を選ぶそうです
鷹 綾
恋愛
「君は普通だ。……いや、普通以下だ」
王太子にそう言われ、婚約を破棄された公爵令嬢フォウ。
王国でも屈指の有能一族に生まれながら、彼女だけは“平凡”。
兄は天才、妹は可憐で才色兼備、両親も社交界の頂点――
そんな家の中で「普通」は“無能”と同義だった。
王太子が選んだのは、有能で華やかな妹。
だがその裏で、兄は教会を敵に回し、父は未亡人の名誉を踏みにじり、母は国家機密を売り、妹は不貞を重ね、そして王太子は――王を越えようとした。
越えた者から崩れていく。
やがて王太子は廃嫡、公爵家は解体。
ただ一人、何も奪わず、何も越えなかったフォウだけが切り離される。
そんな彼女に手を差し伸べたのは、隣国の若き冷徹皇帝。
「有能は制御が難しい。無害のほうが使える」
駒として選ばれたはずの“無能な令嬢”。
けれど――
越えなかった彼女こそ、最後まで壊れなかった。
崖からポイ捨てされた不運令嬢ですが、銀髪イケメン竜王に『最愛の伴侶』としてスカウトされました!
有賀冬馬
恋愛
不作も天災も、全部わたしのせい!?
「不運な女」と虐げられ、生贄として崖から捨てられたわたし、ミラ。
でも、落ちた先で待っていたのは、まぶしいほど綺麗な銀髪の竜王・アルベルト様でした!
「君がいたから、この国は守られていたんだよ」
えっ、わたしって実はすごい聖女だったの!?
竜宮城で贅沢三昧&溺愛生活スタート!
そんな中、わたしを捨てて大ピンチになった元婚約者が「ミラ、戻ってきて!」と泣きついてきて……。
婚約破棄された宰相です。 正直、婚約者も宰相も辞めたかったので丁度よかったです
鍛高譚
恋愛
内容紹介
「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」
王宮の舞踏会で突然そう宣言したのは、女性問題を繰り返す問題王太子ユリウス。
婚約者であり王国宰相でもあるレティシアは、静かに答えた。
「かしこまりました」
――正直、本当に辞めたかったので。
これまで王太子の女性問題の後始末、慰謝料交渉、教会対応、社交界の火消し……
すべて押し付けられていたレティシアは、婚約も宰相職もあっさり辞任。
そしてその瞬間――
王宮が止まった。
料理人が動かない。
書類が処理されない。
伝令がいない。
ついにはトイレの汚物回収まで止まり、王宮は大混乱。
さらに王太子の新たな女性問題が発覚し、教会は激怒。
噂は王都中に広がり、王宮は完全に統治不能に。
そしてついに――
教会・貴族・王家が下した決断は、
「王太子廃嫡」
そして。
「レティシア、女王即位」
婚約破棄して宰相をクビにした結果、
王宮を止めてしまった元王太子の末路とは――?
これは、婚約破棄された宰相が女王になるまでの
完全自業自得ざまぁ物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる