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第五章
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公爵の問いは直截的だった。遠回しな物言いをする多くの貴族とは違い、彼は真っ直ぐに核心を突いてくる。
「......叔父が、許可しなかったのです」
私は少し躊躇したが、正直に答えることにした。この人の前では、取り繕うことに意味がないような気がした。
正直に答えると、公爵の眉が微かに動いた。月明かりの中でも、その僅かな表情の変化が見て取れる。彼の整った顔に、一瞬だけ怒りのようなものが過ぎった。
「ジェラルド・ローレンスか。なるほど、そういうことか」
彼の声は低く、静かだった。しかしその底には、冷たい怒りが潜んでいるように感じられた。
公爵は少しの間、テラスの手すりに手を置いたまま、何か考え込むような表情を見せた。月明かりの中で、彼の横顔は彫像のように美しく、それでいて近寄りがたい威厳を纏っている。遠くから聞こえる音楽と、時折吹く夜風の音だけが、静寂を満たしていた。
やがて、彼は口を開いた。
「君は、裁縫が得意だと聞いた」
唐突な話題の転換に、私は戸惑った。なぜ、そのような質問を?そもそも、誰から聞いたのだろう。私の裁縫の腕は、社交界ではほとんど知られていないはずなのに。
「はい、一応......」
私は控えめに答えた。実際、この十年間で裁縫の技術は相当に磨かれている。しかしそれは、使用人として働かされた結果に過ぎない。
「宮廷お抱えの仕立て職人が、最近引退してな。後任を探している」
公爵の言葉に、私の体が僅かに強張った。宮廷お抱えの仕立て職人――それは、王国でも最高位の職人に与えられる栄誉ある地位だ。
「興味はあるか?」
その質問を聞いた瞬間、心臓が激しく跳ねた。まるで胸の中で鳥が羽ばたいているような感覚。宮廷の仕立て職人になれれば、独立した収入を得られる。それは、叔父の支配から逃れられる可能性を意味していた。自分の足で立ち、自分の人生を取り戻せるかもしれない。
しかし、なぜ公爵は私にそんな話を?私たちは今日初めて言葉を交わしたばかりなのに。疑問が頭を巡るが、この機会を逃すわけにはいかない。
「ぜひ、挑戦させていただきたいです」
私は迷わず答えた。声は少し震えていたかもしれない。でも、その言葉に嘘はなかった。
「では、来週、作品を持って宮廷に来るといい。審査を行う」
公爵はそれだけ言うと、踵を返した。黒い正装の裾が、夜風に僅かに揺れる。彼が立ち去ろうとする背中を見つめながら、私はまだ現実感が掴めずにいた。
しかし、数歩進んだところで、彼は立ち止まった。そして、ゆっくりと振り返る。月光が彼の横顔を照らし出し、その灰色の瞳が再び私を捉えた。
「それと、セレスティーナ」
初めて、彼が私の名前を呼んだ。
その声は低く、それでいて不思議な温かさを含んでいた。自分の名前が彼の口から発せられた瞬間、まるで魔法をかけられたような感覚に襲われる。胸の奥が、きゅっと締め付けられた。
「その髪飾り、月光によく映える」
そう言い残して、公爵は再び背を向け、悠然と広間へと戻っていった。その姿が扉の向こうに消えるまで、私は動けずにいた。
彼の足音が完全に遠のいてから、私はようやく我に返った。無意識のうちに、手が髪飾りに触れている。母の形見の銀の髪飾りが、指先に冷たく、そして確かな存在感を持って触れていた。月の光を受けて、それは静かに輝いている。
(なぜ、胸がこんなに高鳴るの?)
自分でも理解できない感情に戸惑いながら、私は深呼吸をした。冷たい夜気が肺を満たすが、胸の高鳴りは収まらない。これは、希望への期待なのか。それとも、別の何かなのか。
しばらく夜空を見上げてから、私も広間へと戻った。扉を開けると、先ほどまでとは変わらず、華やかな音楽と貴族たちの談笑が広間を満たしている。シャンデリアの光が眩しく感じられた。
広間を見渡すと、ミレイユが数人の若い令嬢たちに囲まれていた。彼女は扇を優雅に揺らしながら、得意げに話をしている。その表情には、いつもの自信に満ちた笑みが浮かんでいた。
「ええ、このドレスは特注なのよ。王都一の仕立て職人に作らせたの。他では手に入らない特別な一着なの」
ミレイユの高慢な声が、音楽の合間に聞こえてきた。
嘘だ、と私は心の中で思った。あのドレスは、私が三日三晩かけて仕立てたものだ。一針一針、丁寧に縫い上げた。それを、彼女は自分の手柄のように語っている。
通り過ぎようとした時、私の視界の端で何かが動いた。
ミレイユのドレスの背中――縫い目が、少しずつほつれ始めている。
最初は小さな、ほんの数ミリの綻びだった。しかしそれは、まるで生きているかのように、ゆっくりと、確実に広がっていく。
(まさか......)
私の胸に、ある予感が走った。あの時見た未来の記憶。ミレイユがドレスで失態を犯す光景。そして今、『星霜の記憶』が無意識に発動していたのかもしれない。
私が仕立てる時、布地に触れながら、心のどこかでこの未来を予見していたのだ。物に宿る未来が、今、現実になろうとしている。
私は立ち止まり、息を呑んだ。止めるべきなのか――いや、もう遅い。
「それにしても、本当に素晴らしい出来栄えで――きゃあ!」
ミレイユが突然、悲鳴を上げた。
その瞬間、ドレスの背中の縫い目が大きく裂けた。青いシルクが引き裂かれる音が、広間に響く。美しい星座の刺繍が施された生地が裂け、その下の白い下着が露わになってしまった。
音楽が止まった。
広間中の視線が、一斉にミレイユへと集まる。何十、何百という目が、彼女の惨状を見つめている。時が止まったような静寂の中、ミレイユの顔が見る見る真っ赤になっていった。
「あ、ああ......」
彼女は声にならない声を漏らし、慌てて背中を隠そうと手を回した。しかし、もう遅い。多くの貴族たちが、その光景を目撃してしまっている。
そして次の瞬間、ミレイユは泣き叫びながら、その場から逃げ出した。裂けたドレスの裾を引きずりながら、出口へと駆けていく。
彼女が去った後、広間には重い沈黙が残った。それを破ったのは、令嬢たちの小さな囁き声だった。
「なんてこと」
「王都一の仕立て職人が作ったドレスなんじゃなかったの?」
「あれほどの粗悪な縫製だなんて......恥ずかしいわね」
「あの子、いつも自慢ばかりしていたけれど」
令嬢たちのひそひそ話が、波紋のように広間に広がっていく。嘲笑と同情が入り混じった声が、あちこちから聞こえてきた。
その時、叔父が血相を変えて私の前に現れた。その顔は怒りと焦燥で歪んでいる。額には汗が滲み、拳が震えていた。
「お前の仕業だな!お前がミレイユを陥れたんだ!」
「......叔父が、許可しなかったのです」
私は少し躊躇したが、正直に答えることにした。この人の前では、取り繕うことに意味がないような気がした。
正直に答えると、公爵の眉が微かに動いた。月明かりの中でも、その僅かな表情の変化が見て取れる。彼の整った顔に、一瞬だけ怒りのようなものが過ぎった。
「ジェラルド・ローレンスか。なるほど、そういうことか」
彼の声は低く、静かだった。しかしその底には、冷たい怒りが潜んでいるように感じられた。
公爵は少しの間、テラスの手すりに手を置いたまま、何か考え込むような表情を見せた。月明かりの中で、彼の横顔は彫像のように美しく、それでいて近寄りがたい威厳を纏っている。遠くから聞こえる音楽と、時折吹く夜風の音だけが、静寂を満たしていた。
やがて、彼は口を開いた。
「君は、裁縫が得意だと聞いた」
唐突な話題の転換に、私は戸惑った。なぜ、そのような質問を?そもそも、誰から聞いたのだろう。私の裁縫の腕は、社交界ではほとんど知られていないはずなのに。
「はい、一応......」
私は控えめに答えた。実際、この十年間で裁縫の技術は相当に磨かれている。しかしそれは、使用人として働かされた結果に過ぎない。
「宮廷お抱えの仕立て職人が、最近引退してな。後任を探している」
公爵の言葉に、私の体が僅かに強張った。宮廷お抱えの仕立て職人――それは、王国でも最高位の職人に与えられる栄誉ある地位だ。
「興味はあるか?」
その質問を聞いた瞬間、心臓が激しく跳ねた。まるで胸の中で鳥が羽ばたいているような感覚。宮廷の仕立て職人になれれば、独立した収入を得られる。それは、叔父の支配から逃れられる可能性を意味していた。自分の足で立ち、自分の人生を取り戻せるかもしれない。
しかし、なぜ公爵は私にそんな話を?私たちは今日初めて言葉を交わしたばかりなのに。疑問が頭を巡るが、この機会を逃すわけにはいかない。
「ぜひ、挑戦させていただきたいです」
私は迷わず答えた。声は少し震えていたかもしれない。でも、その言葉に嘘はなかった。
「では、来週、作品を持って宮廷に来るといい。審査を行う」
公爵はそれだけ言うと、踵を返した。黒い正装の裾が、夜風に僅かに揺れる。彼が立ち去ろうとする背中を見つめながら、私はまだ現実感が掴めずにいた。
しかし、数歩進んだところで、彼は立ち止まった。そして、ゆっくりと振り返る。月光が彼の横顔を照らし出し、その灰色の瞳が再び私を捉えた。
「それと、セレスティーナ」
初めて、彼が私の名前を呼んだ。
その声は低く、それでいて不思議な温かさを含んでいた。自分の名前が彼の口から発せられた瞬間、まるで魔法をかけられたような感覚に襲われる。胸の奥が、きゅっと締め付けられた。
「その髪飾り、月光によく映える」
そう言い残して、公爵は再び背を向け、悠然と広間へと戻っていった。その姿が扉の向こうに消えるまで、私は動けずにいた。
彼の足音が完全に遠のいてから、私はようやく我に返った。無意識のうちに、手が髪飾りに触れている。母の形見の銀の髪飾りが、指先に冷たく、そして確かな存在感を持って触れていた。月の光を受けて、それは静かに輝いている。
(なぜ、胸がこんなに高鳴るの?)
自分でも理解できない感情に戸惑いながら、私は深呼吸をした。冷たい夜気が肺を満たすが、胸の高鳴りは収まらない。これは、希望への期待なのか。それとも、別の何かなのか。
しばらく夜空を見上げてから、私も広間へと戻った。扉を開けると、先ほどまでとは変わらず、華やかな音楽と貴族たちの談笑が広間を満たしている。シャンデリアの光が眩しく感じられた。
広間を見渡すと、ミレイユが数人の若い令嬢たちに囲まれていた。彼女は扇を優雅に揺らしながら、得意げに話をしている。その表情には、いつもの自信に満ちた笑みが浮かんでいた。
「ええ、このドレスは特注なのよ。王都一の仕立て職人に作らせたの。他では手に入らない特別な一着なの」
ミレイユの高慢な声が、音楽の合間に聞こえてきた。
嘘だ、と私は心の中で思った。あのドレスは、私が三日三晩かけて仕立てたものだ。一針一針、丁寧に縫い上げた。それを、彼女は自分の手柄のように語っている。
通り過ぎようとした時、私の視界の端で何かが動いた。
ミレイユのドレスの背中――縫い目が、少しずつほつれ始めている。
最初は小さな、ほんの数ミリの綻びだった。しかしそれは、まるで生きているかのように、ゆっくりと、確実に広がっていく。
(まさか......)
私の胸に、ある予感が走った。あの時見た未来の記憶。ミレイユがドレスで失態を犯す光景。そして今、『星霜の記憶』が無意識に発動していたのかもしれない。
私が仕立てる時、布地に触れながら、心のどこかでこの未来を予見していたのだ。物に宿る未来が、今、現実になろうとしている。
私は立ち止まり、息を呑んだ。止めるべきなのか――いや、もう遅い。
「それにしても、本当に素晴らしい出来栄えで――きゃあ!」
ミレイユが突然、悲鳴を上げた。
その瞬間、ドレスの背中の縫い目が大きく裂けた。青いシルクが引き裂かれる音が、広間に響く。美しい星座の刺繍が施された生地が裂け、その下の白い下着が露わになってしまった。
音楽が止まった。
広間中の視線が、一斉にミレイユへと集まる。何十、何百という目が、彼女の惨状を見つめている。時が止まったような静寂の中、ミレイユの顔が見る見る真っ赤になっていった。
「あ、ああ......」
彼女は声にならない声を漏らし、慌てて背中を隠そうと手を回した。しかし、もう遅い。多くの貴族たちが、その光景を目撃してしまっている。
そして次の瞬間、ミレイユは泣き叫びながら、その場から逃げ出した。裂けたドレスの裾を引きずりながら、出口へと駆けていく。
彼女が去った後、広間には重い沈黙が残った。それを破ったのは、令嬢たちの小さな囁き声だった。
「なんてこと」
「王都一の仕立て職人が作ったドレスなんじゃなかったの?」
「あれほどの粗悪な縫製だなんて......恥ずかしいわね」
「あの子、いつも自慢ばかりしていたけれど」
令嬢たちのひそひそ話が、波紋のように広間に広がっていく。嘲笑と同情が入り混じった声が、あちこちから聞こえてきた。
その時、叔父が血相を変えて私の前に現れた。その顔は怒りと焦燥で歪んでいる。額には汗が滲み、拳が震えていた。
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