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プロッシモ村の『シスターズ』
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キクリには決して見せることの出来ない鬼の形相をしているイオリ。
そして、そんな彼女を羽交い締めしているロココも彼女ほどではないが、必死な表情をしていた。
泣きじゃくるアイ。
そして、そんな彼女を戸惑いながら抱き絞めて宥めているキクリ。
二人を引き剥がそうとしているイオリ。
そんな彼女を近づけまいと必死に抑え込んでいるロココ。
奇妙な四人。
只でさえその中の三人は『アイドル』の為、目立つのに、そんな奇行が見受けられるのだ。
周囲からは好奇な目で見られてもおかしくないし、現にそうであった。
「き、キクリ!あんたもこっち手伝いなさいよ!」
ロココが焦りながら言う。
ズルズル……ズルズル……。
先ほどまで拮抗していたイオリとロココの力は崩れてしまっていた。
ゆっくりと、それでいて確実にイオリがキクリらに近づいていたのだ。
「で、でもアイちゃんがまだ泣いてるし……。」
彼女を放ってはおけない。
そんな感情を込めたようなキクリの反発。
しかし、そんなものは説得力皆無であった。
「困ってる風を装ってるけどあんた口角上がりまくりなのよ!『アイドル』と抱き合って悦に浸ってるんじゃないわよ!」
ロココがさらに言う。
それが仇になってしまった。
「っ!?抱き合って悦に浸る!?キクリさんと抱き合って幸せになって良いのは私だけなのに!」
イオリの力が更に増す。
「あー!しまった!なんであんたが反応しちゃうかなー!?」
依然必死なロココが自身の軽率な言動を後悔した。
「……え、えっと、アイちゃん、一旦立てそう?」
流石にこの状況を楽しみ続けるわけにはいかない。
キクリが自身の胸元に抱かれているアイへ声をかける。
それは、なるべく彼女の感情を刺激しないようにと非常に優しいものであった。
「……。」
無言。
そして、未だに涙が止まらず、鼻水の啜る音もする。
しかし、アイは決して無視をしたわけではなく、コクリと小さく頷いたのであった。
ヨロヨロと力無く立ち上がるアイ。
そして、そんな彼女を支えるキクリ。
漸く動けそうだと安堵したロココ。
依然として怒り沸騰なイオリ。
そんなこんなで彼女らはこの場から立ち去るのであった。
まずは人目のない場所へ行かなければならない。
そんな思いでキクリは商店街を通り、路地裏へ向かおうと考えていた。
暫く歩く四人。
そして、人の気配のない路地裏へ辿り着いた。
そして、そんな彼女を羽交い締めしているロココも彼女ほどではないが、必死な表情をしていた。
泣きじゃくるアイ。
そして、そんな彼女を戸惑いながら抱き絞めて宥めているキクリ。
二人を引き剥がそうとしているイオリ。
そんな彼女を近づけまいと必死に抑え込んでいるロココ。
奇妙な四人。
只でさえその中の三人は『アイドル』の為、目立つのに、そんな奇行が見受けられるのだ。
周囲からは好奇な目で見られてもおかしくないし、現にそうであった。
「き、キクリ!あんたもこっち手伝いなさいよ!」
ロココが焦りながら言う。
ズルズル……ズルズル……。
先ほどまで拮抗していたイオリとロココの力は崩れてしまっていた。
ゆっくりと、それでいて確実にイオリがキクリらに近づいていたのだ。
「で、でもアイちゃんがまだ泣いてるし……。」
彼女を放ってはおけない。
そんな感情を込めたようなキクリの反発。
しかし、そんなものは説得力皆無であった。
「困ってる風を装ってるけどあんた口角上がりまくりなのよ!『アイドル』と抱き合って悦に浸ってるんじゃないわよ!」
ロココがさらに言う。
それが仇になってしまった。
「っ!?抱き合って悦に浸る!?キクリさんと抱き合って幸せになって良いのは私だけなのに!」
イオリの力が更に増す。
「あー!しまった!なんであんたが反応しちゃうかなー!?」
依然必死なロココが自身の軽率な言動を後悔した。
「……え、えっと、アイちゃん、一旦立てそう?」
流石にこの状況を楽しみ続けるわけにはいかない。
キクリが自身の胸元に抱かれているアイへ声をかける。
それは、なるべく彼女の感情を刺激しないようにと非常に優しいものであった。
「……。」
無言。
そして、未だに涙が止まらず、鼻水の啜る音もする。
しかし、アイは決して無視をしたわけではなく、コクリと小さく頷いたのであった。
ヨロヨロと力無く立ち上がるアイ。
そして、そんな彼女を支えるキクリ。
漸く動けそうだと安堵したロココ。
依然として怒り沸騰なイオリ。
そんなこんなで彼女らはこの場から立ち去るのであった。
まずは人目のない場所へ行かなければならない。
そんな思いでキクリは商店街を通り、路地裏へ向かおうと考えていた。
暫く歩く四人。
そして、人の気配のない路地裏へ辿り着いた。
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