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「……。」
勢いで飛び出してしまった。
後悔する華子。
今からの時間、どこで過ごそうか。
どうせならば落ち着ける場所が良い。
誰かがいればまた変な事件に巻き込まれかねない。
しかし、まだ校内のことは詳しくない。
以前、静かな場所がないかと校内を歩き回ったことがあった。
図書館や、空き教室。
確かに静かだ。
しかし、だからこそ危険であった。
煙たい。
臭い。
ここ最近、嫌ではあるが嗅ぎ慣れてしまったからすぐに分かる。
煙草だ。
原因はそれだ。
健康に悪い。
それにこの臭いは不快だ。
論外だ。
脳内に浮かぶ候補地は一つしかない。
そこへ足を向ける華子。
「……と、言うわけでまた来ちゃ来ました。」
苦笑いの華子。
それは目的地に到着した彼女がすでにいた者に言った言葉だ。
「あはは、そりゃあ大変だったねぇ。心中察するよー。」
彼女と同じように苦笑いするのは心司であった。
「もー、笑い事じゃないですよ。」
「いやぁ、ミラーリングってやつだよ。試してみたんだよ。」
「ミラーリング?」
そんなことはどうでも良い。
彼の表情がそれを言っているようだった。
「あぁ、本筋と外れるから気にしないで良いよ。」
「そうですか。」
彼女が来ているのは生徒会室であった。
すでにいた心司とそんな会話をしていた。
「でも、静かになれる場所、落ち着ける場所ってのは重要だよねぇ……。」
「え?」
「だって、今は白辰高校とやり合ってるわけじゃん?だからこそ、校内はそんな場所であってほしいよねぇ。」
「……。」
確かにそうかもしれない。
しかし、だからと言って、どうすることも出来ない。
「本当に誰かさんが無敵で無敗な番長をたおしちゃったから混沌渦巻いちゃってるよねぇ。」
「……。」
ぐうの音も出ないとはこのことなのだろう。
言い返すことの出来ない華子。
「……で、どうするつもりなのかにゃ?」
いつも通り、ふざけている口調だ。
しかし、その本質は真剣そのものであった。
「え?」
「いや、え?じゃないんだわ。……どうしてくれんの?」
「……せ、生徒会長?」
「いやぁ、冗談、冗談。」
ヘラヘラと笑って見せる心司。
しかし、彼の先ほどの言動は、とても冗談とは思えない。
それは華子にも分かっていた。
「……。」
「ま、その冗談ってのも冗談……。本当に、どうするつもりなの?」
勢いで飛び出してしまった。
後悔する華子。
今からの時間、どこで過ごそうか。
どうせならば落ち着ける場所が良い。
誰かがいればまた変な事件に巻き込まれかねない。
しかし、まだ校内のことは詳しくない。
以前、静かな場所がないかと校内を歩き回ったことがあった。
図書館や、空き教室。
確かに静かだ。
しかし、だからこそ危険であった。
煙たい。
臭い。
ここ最近、嫌ではあるが嗅ぎ慣れてしまったからすぐに分かる。
煙草だ。
原因はそれだ。
健康に悪い。
それにこの臭いは不快だ。
論外だ。
脳内に浮かぶ候補地は一つしかない。
そこへ足を向ける華子。
「……と、言うわけでまた来ちゃ来ました。」
苦笑いの華子。
それは目的地に到着した彼女がすでにいた者に言った言葉だ。
「あはは、そりゃあ大変だったねぇ。心中察するよー。」
彼女と同じように苦笑いするのは心司であった。
「もー、笑い事じゃないですよ。」
「いやぁ、ミラーリングってやつだよ。試してみたんだよ。」
「ミラーリング?」
そんなことはどうでも良い。
彼の表情がそれを言っているようだった。
「あぁ、本筋と外れるから気にしないで良いよ。」
「そうですか。」
彼女が来ているのは生徒会室であった。
すでにいた心司とそんな会話をしていた。
「でも、静かになれる場所、落ち着ける場所ってのは重要だよねぇ……。」
「え?」
「だって、今は白辰高校とやり合ってるわけじゃん?だからこそ、校内はそんな場所であってほしいよねぇ。」
「……。」
確かにそうかもしれない。
しかし、だからと言って、どうすることも出来ない。
「本当に誰かさんが無敵で無敗な番長をたおしちゃったから混沌渦巻いちゃってるよねぇ。」
「……。」
ぐうの音も出ないとはこのことなのだろう。
言い返すことの出来ない華子。
「……で、どうするつもりなのかにゃ?」
いつも通り、ふざけている口調だ。
しかし、その本質は真剣そのものであった。
「え?」
「いや、え?じゃないんだわ。……どうしてくれんの?」
「……せ、生徒会長?」
「いやぁ、冗談、冗談。」
ヘラヘラと笑って見せる心司。
しかし、彼の先ほどの言動は、とても冗談とは思えない。
それは華子にも分かっていた。
「……。」
「ま、その冗談ってのも冗談……。本当に、どうするつもりなの?」
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