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天枝美佳絵と愛熊佐多江の日常
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「……本当に?」
信用出来ない。
しゃがんだまま、彼女の目を見る美佳絵。
大きな瞳での上目遣い。
本来可愛いはずのそんな仕草だ。
そのはずなのに、彼女から伝わるのは、そんなものからは到底こないはずの身体が震えそうになる圧であった。
「……こ、これを蟻ちゃんの机に入れるだけだって。」
このままではまずい。
観念した佐多江がそう言ってポケットから出したのは、ゴキブリのおもちゃだった。
「……。」
呆れてものも言えないとは、まさにことのことだろう。
「だ、大丈夫だって……今度は泣かないように気をつけるから……。」
「……あの時は本当に大変だったわよね……。」
「うん……。」
しみじみと返事をする佐多江。
以前より、彼女は利奈にちょっかいをかけていた。
最初のリアクションが可愛らしく、つい過激になっていってしまった。
そんな日々が続いていたある日、とうとう彼女を泣かせてしまったのだ。
慌てて謝罪した佐多江。
彼女には、それを受け入れてもらえた。
しかし、その後に彼女を待ち受けていたものこそ大変だったのだ。
路歩子が激怒したのだ。
無表情で詰め寄る彼女の圧は、先ほどの佐多江とは比べ物にならないものであった。
「あんな庵銅さん……私見たことないわよ……。」
「私もだよ……あの時のロボっち……美佳絵が本気で怒った時よりも恐かった……。」
「うん、恐かったわ。……え?わ、私……?は?私?ねぇ、佐多江?どういうこと?ねぇ……おい!」
彼女の言葉の意味を理解すると、美佳絵が詰め寄り出した。
「……やばっ。……あっ!蟻ちゃん!ロボっち!おはよう!」
するりと躱し、駆け出す佐多江。
「こ、こら、佐多江!またそんな嘘を……!」
以前、似たような状況があった。
きっかけは、些末なもの。
佐多江がした些細な悪戯であった。
それに激怒した美佳絵。
怒髪天を衝く勢いで説教が始まった。
面倒くさい。
どうにかこれを回避することが出来ないだろうか、
話し半分で聞いていた佐多江。
そんな彼女が閃いた打開策が、いないはずの利奈と路歩子がいると偽ったのだ。
それで話を逸らすことの出来た実例があった為、嘘だと思っていた。
偽りだと決めつけていたのだ。
しかし、今回は違ったのだ。
「あっ、おはよう、さーたん!みかえるちゃん!」
「おはよう、二人とも。」
「天枝さん、愛熊さん、おはようございます。」
信用出来ない。
しゃがんだまま、彼女の目を見る美佳絵。
大きな瞳での上目遣い。
本来可愛いはずのそんな仕草だ。
そのはずなのに、彼女から伝わるのは、そんなものからは到底こないはずの身体が震えそうになる圧であった。
「……こ、これを蟻ちゃんの机に入れるだけだって。」
このままではまずい。
観念した佐多江がそう言ってポケットから出したのは、ゴキブリのおもちゃだった。
「……。」
呆れてものも言えないとは、まさにことのことだろう。
「だ、大丈夫だって……今度は泣かないように気をつけるから……。」
「……あの時は本当に大変だったわよね……。」
「うん……。」
しみじみと返事をする佐多江。
以前より、彼女は利奈にちょっかいをかけていた。
最初のリアクションが可愛らしく、つい過激になっていってしまった。
そんな日々が続いていたある日、とうとう彼女を泣かせてしまったのだ。
慌てて謝罪した佐多江。
彼女には、それを受け入れてもらえた。
しかし、その後に彼女を待ち受けていたものこそ大変だったのだ。
路歩子が激怒したのだ。
無表情で詰め寄る彼女の圧は、先ほどの佐多江とは比べ物にならないものであった。
「あんな庵銅さん……私見たことないわよ……。」
「私もだよ……あの時のロボっち……美佳絵が本気で怒った時よりも恐かった……。」
「うん、恐かったわ。……え?わ、私……?は?私?ねぇ、佐多江?どういうこと?ねぇ……おい!」
彼女の言葉の意味を理解すると、美佳絵が詰め寄り出した。
「……やばっ。……あっ!蟻ちゃん!ロボっち!おはよう!」
するりと躱し、駆け出す佐多江。
「こ、こら、佐多江!またそんな嘘を……!」
以前、似たような状況があった。
きっかけは、些末なもの。
佐多江がした些細な悪戯であった。
それに激怒した美佳絵。
怒髪天を衝く勢いで説教が始まった。
面倒くさい。
どうにかこれを回避することが出来ないだろうか、
話し半分で聞いていた佐多江。
そんな彼女が閃いた打開策が、いないはずの利奈と路歩子がいると偽ったのだ。
それで話を逸らすことの出来た実例があった為、嘘だと思っていた。
偽りだと決めつけていたのだ。
しかし、今回は違ったのだ。
「あっ、おはよう、さーたん!みかえるちゃん!」
「おはよう、二人とも。」
「天枝さん、愛熊さん、おはようございます。」
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