甘え嬢ずな海部江さん。

あさまる

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彼女の妹がどんなものを好むのか分からない。
それでも精一杯考えた。
そのつもりだ。

チラリ。
翔子を見る。

「……えへ、えへへ……。」
にへら。
腑抜けた笑みを浮かべている。

なんとも幸せそうだ。
そんな姿も絵になる。

まぁ、良いか。
彼女の笑みを見て、そう思う真優であった。

梨華への誕生日プレゼントを無事に買えた。
それほど豪華なものではない。
しかし、彼女が妹のことを考えて、真優と相談しながら真剣に選んだものだ。
達成感が大きかった。

ボールペンとメモ帳、それにシャープペン。
友人への誕生日プレゼントを考えたことのなかった真優が導き出した答え。
日常的に使う物が無難だろう。
それが彼女の考えであった。


ふと、自販機が真優の視界に入る。
あぁ……そう言えば今日はまだ飲んでいなかったな……。
「すみません、ちょっと飲み物を買ってきて良いですか?」

「え?うん、いってらっしゃい。」
ふりふり。
笑みを浮かべて手を振る翔子。
未だ満足そうで何よりだ。

さてと……。
小走りですぐ近くにある自販機へ向かう満真優。
小銭を入れ、コーヒーを買う。
もちろん、ブラックだ。

翔子にも何か買っておくべきだろうか?
彼女はどんな物が好きなのだろう?
ともに遊びに来ているクラスメイト。
それなのに、どんな飲み物が好きなのかすら知らない。

チラリ。
翔子の方を見る。

あぁ、忘れていた。
その景色に苦笑いする真優。
彼女の視線の先。
そこには、数人の男性に囲まれてオロオロとたじろぐ翔子の姿があった。


「ご、ごめんね……。」

「あはは……大丈夫ですよ。」
もう慣れてしまった。
一日翔子と行動し、何度も人を追い払った。
そのせいだろう。


カシュッ。
缶を開け、飲む。
口の中に広がる待っていた苦味。

この味が堪らない。
思わず口角が上がる真優。

ふと、視線を感じた。
翔子が彼女をジッと見つめていたのだ。

どうしたのだろう?
「……どうかしましたか?」

「あ、雨枝さん……。」

「はい……。」

「こ、コーヒー飲めるの?」

「は、はい……。」
あぁ、彼女も私のことをそういう目で見ていたのか……。
見た目が幼いから背伸びして無理をしている。
そんなことを思っているのだろうか?

「す、凄いね……。」

「……え?」
翔子の口から出た言葉が信じられずに思わず聞き返す真優。
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