114 / 154
16
16ー4
しおりを挟む
彼女の目を気にしなくても良い。
きっと、そう思ったのだろう。
クラスメイト達がわっと美成実の元へ集まる。
転校生というのは、やはり注目の的のようだ。
「弓浜さん!前はどの高校にいたの?」
隣の席に座っている真優。
その為、彼女へ向けられた質問は当然彼女の耳にも届く。
さらに言えば、翔子の耳にも届いていた。
担任教諭の言葉よりもしっかりと聞こえる。
どう答えるのだろうか?
興味がある真優。
「そ、その……一応白鳳院に……。」
その言葉にざわついていた教室内が、一層騒がしくなる。
白鳳院女子高等学校。
皆が知っている超名門の所謂お嬢様校だ。
そんなところからなぜわざわざここに転校して来たのか。
皆が気になっているのは、そこであった。
授業を受けるも、皆そわそわしている。
浮き足だっていた。
理由など分かりきっている。
美成実のせいだ。
内心安堵する真優。
そのまま彼女をクラスメイト達が足止めしておいてくれれば、翔子に何か危害を加えるという事態にはならないだろう。
そう考えたからだ。
輪に入らない翔子。
皮肉なことに、美成実が転校して来たお陰で、ゆっくりとした時間を過ごせていた。
これならいけるかもしれない。
今よりも、真優に近づけるかもしれない。
美成実がいるのは恐い。
それは、今も変わらない。
しかし、今の自分には真優がいる。
それに、今のクラスメイト達は自身に友好的だ。
そうだ。
あの時とは違うのだ。
だから大丈夫。
大丈夫なのだ。
それなのに、なぜだろう。
翔子は疑問であった。
なぜ、未だに手が震えるのだろう。
なぜ、運動もしていないのに、ドクンドクンと心臓がうるさく騒ぐのだろう。
分からない。
分かりたくない。
そう、克服したのだ。
だからこの感覚は違う。
偽物だ。
錯覚だ。
時は進み、昼休みとなった。
いつもは翔子の元へばかり集まるクラスメイト達も、今日ばかりは違った。
大半が美成実の元へと向かっていた。
「翔子さん、お昼食べましょう。」
翔子の前に来た者。
それは、真優であった。
その顔を見ると、今までの曇っていたものが追い払われた。
安堵感。
つい笑顔になってしまう。
「うん!」
放課後。
相変わらず美成実の周りにはクラスメイト達が集まっている。
現金なものだな。
彼らを見て、そんなことを思う真優。
きっと、そう思ったのだろう。
クラスメイト達がわっと美成実の元へ集まる。
転校生というのは、やはり注目の的のようだ。
「弓浜さん!前はどの高校にいたの?」
隣の席に座っている真優。
その為、彼女へ向けられた質問は当然彼女の耳にも届く。
さらに言えば、翔子の耳にも届いていた。
担任教諭の言葉よりもしっかりと聞こえる。
どう答えるのだろうか?
興味がある真優。
「そ、その……一応白鳳院に……。」
その言葉にざわついていた教室内が、一層騒がしくなる。
白鳳院女子高等学校。
皆が知っている超名門の所謂お嬢様校だ。
そんなところからなぜわざわざここに転校して来たのか。
皆が気になっているのは、そこであった。
授業を受けるも、皆そわそわしている。
浮き足だっていた。
理由など分かりきっている。
美成実のせいだ。
内心安堵する真優。
そのまま彼女をクラスメイト達が足止めしておいてくれれば、翔子に何か危害を加えるという事態にはならないだろう。
そう考えたからだ。
輪に入らない翔子。
皮肉なことに、美成実が転校して来たお陰で、ゆっくりとした時間を過ごせていた。
これならいけるかもしれない。
今よりも、真優に近づけるかもしれない。
美成実がいるのは恐い。
それは、今も変わらない。
しかし、今の自分には真優がいる。
それに、今のクラスメイト達は自身に友好的だ。
そうだ。
あの時とは違うのだ。
だから大丈夫。
大丈夫なのだ。
それなのに、なぜだろう。
翔子は疑問であった。
なぜ、未だに手が震えるのだろう。
なぜ、運動もしていないのに、ドクンドクンと心臓がうるさく騒ぐのだろう。
分からない。
分かりたくない。
そう、克服したのだ。
だからこの感覚は違う。
偽物だ。
錯覚だ。
時は進み、昼休みとなった。
いつもは翔子の元へばかり集まるクラスメイト達も、今日ばかりは違った。
大半が美成実の元へと向かっていた。
「翔子さん、お昼食べましょう。」
翔子の前に来た者。
それは、真優であった。
その顔を見ると、今までの曇っていたものが追い払われた。
安堵感。
つい笑顔になってしまう。
「うん!」
放課後。
相変わらず美成実の周りにはクラスメイト達が集まっている。
現金なものだな。
彼らを見て、そんなことを思う真優。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
淡色に揺れる
かなめ
恋愛
とある高校の女子生徒たちが繰り広げる、甘く透き通った、百合色の物語です。
ほのぼのとしていて甘酸っぱい、まるで少年漫画のような純粋な恋色をお楽しみいただけます。
★登場人物
白川蓮(しらかわ れん)
太陽みたいに眩しくて天真爛漫な高校2年生。短い髪と小柄な体格から、遠くから見れば少年と見間違われることもしばしば。ちょっと天然で、恋愛に関してはキス未満の付き合いをした元カレが一人いるほど純潔。女子硬式テニス部に所属している。
水沢詩弦(みずさわ しづる)
クールビューティーでやや気が強く、部活の後輩達からちょっぴり恐れられている高校3年生。その美しく整った顔と華奢な体格により男子たちからの人気は高い。本人は控えめな胸を気にしているらしいが、そこもまた良し。蓮と同じく女子テニス部に所属している。
宮坂彩里(みやさか あやり)
明るくて男女後輩みんなから好かれるムードメーカーの高校3年生。詩弦とは系統の違うキューティー美女でスタイルは抜群。もちろん男子からの支持は熱い。女子テニス部に所属しており、詩弦とはジュニア時代からダブルスのペアを組んでいるが、2人は犬猿の仲である。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
【完結】【ママ友百合】ラテアートにハートをのせて
千鶴田ルト
恋愛
専業主婦の優菜は、夫・拓馬と娘の結と共に平穏な暮らしを送っていた。
そんな彼女の前に現れた、カフェ店員の千春。
夫婦仲は良好。別れる理由なんてどこにもない。
それでも――千春との時間は、日常の中でそっと息を潜め、やがて大きな存在へと変わっていく。
ちょっと変わったママ友不倫百合ほのぼのガールズラブ物語です。
ハッピーエンドになるのでご安心ください。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
身体だけの関係です‐原田巴について‐
みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子)
彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。
ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。
その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。
毎日19時ごろ更新予定
「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。
良ければそちらもお読みください。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる