蟻喜多利奈のありきたりな日常2

あさまる

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宣戦布告

2

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「……そもそも、利奈がいけない。それは分かってる?毎日気が気じゃなかった……。」

「そうですよ!そのせいで私、お仕事に集中出来なかったんですよ!?」

天菜達のいる村。
そこへ滞在している間、利奈の携帯電話へ送られた連絡は、彼女らだけではなかった。
利奈達の通う平盆高校のクラスメイトである天枝美佳絵。
そして、生徒会長である海部照蜜柑。
彼女らからも無数に連絡が来ていたのだ。

電波の届かない場所にいた。
こちらへ帰って来てから溜まりに溜まったそのメッセージで一時利奈は携帯を使用することが出来なかった。
それほどの量が、彼女へ向けて送られていたのだ。

「ぐ、ぐうっ……。」
ぐうの音も出ない。
そんな言葉がある。
しかし、今回の利奈は、何とか辛うじてぐうの音は出せた。
それでも、それ以上の言葉は出なかった。
しかし、それでも生理的に我慢の限界が来てしまう。

会話より水分補給。
文化的やりとりより、生命維持だ。
ベッドから起き上がり、キッチンへ向かう。

お気に入りのコップを取り、水道の蛇口を捻る。
そして、並々に入った水に口をつけようとする。

一口飲む。
そんな少量ですら、身体の隅々にまで染み渡る。

「もー、先輩!水より私の相手して下さいよー!」
ドンッ!
華奢な流奈からは想像もつかないような勢い。
それで利奈へタックルをかます。

強さ。
そして、意識外、つまり不意打ち。
そのせいで、手に持つコップが宙を舞う。

一口しか飲んでいない。
つまり、多量に残ったそれが、利奈の手を離れたのだ。

びしゃー!
間抜けながらも大惨事。
顔面からそれを受けたのは、路歩子であった。

「……あ。」

「……やっべ。」

一文字、一音。
それで危機の声を出す利奈。
そして、地声とノンフィルターの感想が漏れ出る流奈。

バチチチチ!
静電気と言うにはあまりにも大きい音が響き渡る。

「……。」
ギギギ……。
ぎこちない動き。
路歩子が首だけを動かして真っ直ぐに利奈を見る。

「あ、あのー……先輩?」

「な、なに?」

「私が時間稼ぐから……一旦逃げた方が……外出……してみてはどうでしょう?」
ヒクヒク……。
口角を僅かに動かしながら困り顔の流奈が言う。

「う、うん……そうするね……。その……怪我しないでね……。」

「はい……!……ご褒美……期待してますからねっ……!」

「……うんっ……!……ぜ、善処します……。」
後半は、流奈に聞こえないようにわざと小さく呟く利奈であった。
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