蟻喜多利奈のありきたりな日常2

あさまる

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宣戦布告

1

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夏休み最終日の朝。
むしろ、四捨五入すれば昼。
今は、そんな時間だ。

「う、うぅん……。」
もぞもぞ……。
宅の自室。
そして、そのベッドで寝ている利奈。

寝苦しい。
そのせいで、苦しそうに息が漏れる。

左右からの圧。
それが、彼女を苦しめていたのだ。


およそ十数日。
たかがそれだけ。
されどそれほど。
利奈にとってのたかがは、彼女らにとっては貧酸素で苦しむ魚が悶え、焦がれるほどの日数であった。


「……あー……。」
寝ぼけ眼。
しかし、そんな状況でも、自身の置かれた状況を察することの出来た利奈。

目を開く。
分かっている。
動けない。
両再度からのがっちりとした拘束。


空腹感。
しかし、我慢出来ないほどではない。
それでも喉の渇きは我慢出来ない。

「……ロボっち、ルナルーちゃん……おはよう。」

「……おはよう、利奈。」

「おはようございます、先輩。」

さも当たり前かのように挨拶を返す二人。
それは冷徹で抑揚のないものであった。

不満。
不法侵入している彼女らが、利奈に対してそのような感情を抱くこと自体がおこがましい。
しかし、確かにそれを彼女へ向けていた。

「うーんと……二人とも離してほしいな……。」

「……そんなこと、不可能。」

「先輩成分を接種しないとこの星を滅ぼしちゃいますけど、それでも良いですか?」

当然の如く却下。
しかし、はいそうですか利奈もと引き下がる訳にはいかない。
このままでは干からびてしまう。

「……言うこと聞いてくれればなー……。」
ボソリ。
呟くように小さく言う利奈。
それほどの大きさでも、すぐ両サイドにいる二人にはきちんと聞こえた。

敢えて含みを持った言動。
期待はさせているが、確約ではない。
しっかり逃げ道を用意していた。

シュババ……!
光の速さで利奈から離れる二人。
何とも浅ましい。

「り、利奈!離れた!私離れたよ!ご褒美!ご褒美頂戴!」

「っ!?ズルい!こんなポンコツロボットより私の方が速かったです!先輩、私にご褒美下さい!」

「ポ、ポン……!?この……他の星から来た分際で……っ!」

ぎゃーぎゃーと言い争う。
流石に看過出来ない。

「こらっ!二人とも止めなさい!」
さながら姉妹喧嘩を止める母のような怒鳴り声。

それを聞くと、彼女らはぴたりと争うを止めた。
しかし、代わりにその矢印が、利奈へと向いた。
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