蟻喜多利奈のありきたりな日常2

あさまる

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蛍蝉と有鞠一族

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「……はい。」

「海部照と……平盆市とやり合う。」
鋭い視線。
それは、ここにいない蜜柑を睨み付けているようだった。

「……分かりました。皆に通達します。」

「うん、お願い。……あいつを柱から引きずり降ろす。」
今までと違う。
決意に満ちた声の天菜。

「……えぇ、必ず……。」
梨居菜も彼女につられたように真剣な声になっていた。

小声で話し合い、それは終わった。
そのやりとりは、当然利奈の耳には届いていなかった。


「……待っててね、利奈ちゃん。必ず救い出してみせるから。」
強い意思の含んだ瞳で、そう呟く天菜であった。

「おーい、二人ともー!早くしないと置いてっちゃうよー!?」
ピョンピョンと跳ね、利奈が言う。

「……ほら、利奈ちゃんが待ってる。行こう。」

「……はい。」


未だ鳴り止むことのない蛍蝉。
それは、これから始まる出来事の開始を伝えるサイレンのようだった。
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