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27.賑やかな
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開けた主庭にはいつの間にか溢れかえるほどの人が集まっていた。
すれ違う人はみな楽しそうに笑い声を上げて駆けていく。明るい空の下、心地良い風と共に何もかもが輝いて見えた。
「ネイトさん!」
一際人集りが出来ている場所から、聞き覚えのある声が呼んでいた。
「ブレイデン……!」
声を上げると、一気に視線が集まってくるのが分かる。女性たちの視線はずっとブレイデンに向けられていた。
ブレイデンはそれに気付いていないのか、周りを全く気にする風でもなく、大きく手を振りながら輪の中から抜け出した。
近衛兵の制服も式典仕様の深い藍色で、通常よりも煌びやかな刺繍が施されていた。
「似合ってるじゃないか」
なんだか感慨深くなって、ネイトはじんわりと胸が熱くなった。本当の弟の成長を間近で見ているみたいだ、と思った。
「あんまり普段と変わらなくないですか、ネイトさん達の方が金が掛かってそうだ」
少し不満気にブレイデンは笑っている。そうは言っても、丁寧に纏めた髪は凛々しく、なんとなく見慣れない姿であることは確かだ。普段のやさぐれた風貌とは別人のように、品のある好青年に見える。
「やります?」
ブレイデンは手をパタパタと動かしながら、ネイトを勝負に誘った。
「今日はやめとくよ、少し抜けてきたんだ」
誘いに応じたいのは山々だが、またすぐに戻らないといけない。ブレイデンは露骨に残念がっていた。
「そうだ……今のところ俺、負け無しなんですよ」
「ああ、聞いたよ。それで見に来たんだ」
そう言うと、ブレイデンは照れたようにはにかんだ。
「このまま勝ち続けたら……ネイトさんに渡したいものがあるんです」
「なんだよ、負けたらくれないのか?」
改まった物言いにネイトが思わず茶化すように答えると、ブレイデンは少し拗ねたように口を尖らせた。
「それは……大丈夫です。俺は負けませんから」
これは決意表明です、とブレイデンは自らの右腕の筋肉を叩いて見せた。
「わかった、信じてるよ」
ポン、とブレイデンの筋肉に触れると想像以上に固くて驚いてしまう。
そのことを伝えようとすると、思わぬ人物に遮られてしまった。
「……その連勝、私が止めてやろうか」
振り返ると、深々とフードを被った男が立っている。男はネイトの背後に立つと、その両肩に優しく手を置いた。
いかにも怪しい風貌にネイトもブレイデンも一瞬警戒するものの、フードの下をちらりと覗くと、見慣れた形の良い唇がにっこりと微笑んでいた。
「……アルベルト王子!」
すれ違う人はみな楽しそうに笑い声を上げて駆けていく。明るい空の下、心地良い風と共に何もかもが輝いて見えた。
「ネイトさん!」
一際人集りが出来ている場所から、聞き覚えのある声が呼んでいた。
「ブレイデン……!」
声を上げると、一気に視線が集まってくるのが分かる。女性たちの視線はずっとブレイデンに向けられていた。
ブレイデンはそれに気付いていないのか、周りを全く気にする風でもなく、大きく手を振りながら輪の中から抜け出した。
近衛兵の制服も式典仕様の深い藍色で、通常よりも煌びやかな刺繍が施されていた。
「似合ってるじゃないか」
なんだか感慨深くなって、ネイトはじんわりと胸が熱くなった。本当の弟の成長を間近で見ているみたいだ、と思った。
「あんまり普段と変わらなくないですか、ネイトさん達の方が金が掛かってそうだ」
少し不満気にブレイデンは笑っている。そうは言っても、丁寧に纏めた髪は凛々しく、なんとなく見慣れない姿であることは確かだ。普段のやさぐれた風貌とは別人のように、品のある好青年に見える。
「やります?」
ブレイデンは手をパタパタと動かしながら、ネイトを勝負に誘った。
「今日はやめとくよ、少し抜けてきたんだ」
誘いに応じたいのは山々だが、またすぐに戻らないといけない。ブレイデンは露骨に残念がっていた。
「そうだ……今のところ俺、負け無しなんですよ」
「ああ、聞いたよ。それで見に来たんだ」
そう言うと、ブレイデンは照れたようにはにかんだ。
「このまま勝ち続けたら……ネイトさんに渡したいものがあるんです」
「なんだよ、負けたらくれないのか?」
改まった物言いにネイトが思わず茶化すように答えると、ブレイデンは少し拗ねたように口を尖らせた。
「それは……大丈夫です。俺は負けませんから」
これは決意表明です、とブレイデンは自らの右腕の筋肉を叩いて見せた。
「わかった、信じてるよ」
ポン、とブレイデンの筋肉に触れると想像以上に固くて驚いてしまう。
そのことを伝えようとすると、思わぬ人物に遮られてしまった。
「……その連勝、私が止めてやろうか」
振り返ると、深々とフードを被った男が立っている。男はネイトの背後に立つと、その両肩に優しく手を置いた。
いかにも怪しい風貌にネイトもブレイデンも一瞬警戒するものの、フードの下をちらりと覗くと、見慣れた形の良い唇がにっこりと微笑んでいた。
「……アルベルト王子!」
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