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下校から始まる日常10

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 望が1人で待つ倉庫に莉湖は戻ってきた。






 「わぁ!莉湖先輩」




莉湖
 「ただいま帰りました」




 「急に出てくるからビックリしましたよぉ」







莉湖
 「人を幽霊みたいに言わないでください」









 「ごめんなさぁい。それで助けは呼べたんですかぁ?」










莉湖
 「今、辻さんに私たちの状況を伝えてきました」










 「あぁー、そうなんですねぇ。莉湖先輩1人で逃げちゃったらどうしようかと思いましたぁ」









 莉湖は望の顔を見る。









莉湖
 「数分で戻るとお伝えしたじゃないですか」











 「冗談ですよぉ」










 望は笑顔見せる。










 それを見てため息をつく莉湖。















 「杏奈先輩は助けに来てくれそうですかぁ?」







莉湖
 「はい。山尾さんと皆藤さんと3人で来てくれるはずです」











 望は安堵する。









 「はぁーよかったぁ。杏奈先輩に伝えたって聞いたからちょっと心配しちゃいましたぁ」









 莉湖は首を傾げる。








莉湖
 「心配・・・ですか?」










 「はい。だって杏奈先輩って怖いじゃないですかぁ。だから、私たちが捕まっても『自分でなんとかしろ!』とか言いそうだなぁって」










莉湖
 「辻さんにそんな印象を持っていたんですね」












 「杏奈先輩に言わないでくださいねぇ!?怒られちゃいますぅ」










 莉湖はまたため息をつき、遠くを見つめて呟く。









莉湖
 「・・・辻さんは必ず助けに来てくれますよ」











 「えっ?」






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