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下校から始まる日常11
しおりを挟む莉湖
「辻さんは・・・絶対に友達を見捨てたりしません」
望
「莉湖先輩?どうしたんですかぁ?」
莉湖
「あ、いえ。なんでもありません」
何か意味深な莉湖に、望は質問をぶつけた。
望
「そういえば前から気になってたんですけどぉ、莉湖先輩と杏奈先輩って小学2年生からずっと一緒なんですよねぇ?」
莉湖
「はい。それがなにか?」
望
「なんか、こんなこと言ったら失礼かもしれないんですけどぉ、莉湖先輩と杏奈先輩って全然タイプが違うじゃないですかぁ。それなのになんでずっと一緒なのかなぁって」
莉湖はそれを聞いて、息を吐く。
莉湖
「その話は話すと長くなりますよ?」
望
「聞きたいですぅ!杏奈先輩たちが助けに来てくれるまでまだかかると思うし!」
莉湖
「・・・わかりました」
莉湖は少し間を置いた。
莉湖
「私は小学2年生の時に辻さんと同じクラスの隣の席になりました。それが辻さんと私の初対面でした。最初は私も、言葉が乱暴で付き合いづらい人だと思いました」
望は頷く。
莉湖
「でも、ある時から私はクラスメイトからイジメを受けるようになりました。この無愛想な態度が気に入らない生徒からでした」
望
「えっ」
莉湖
「結局私はクラス全体の生徒に、無視や酷い嫌がらせをされるようになりました。とても孤独でいつも死んでしまいたいと思っていました。でも、唯一私の味方でいてくれたのが辻さんでした。“席が隣だから”という、ただそれだけの理由でしたが私にはそれが本当に嬉しかったんです」
望は黙って聞いている。
莉湖
「辻さんが私を隣に置いてくれたおかげで私はイジメを受けることがなくなりました。クラスの人達も辻さんは敵に回したくなかったようです」
望
「その時から杏奈先輩強かったんですねぇ」
莉湖は頷く。
莉湖
「それからは常に辻さんと一緒にいました。学年が上がってクラスが離れても辻さんとの繋がりがなくなることはありませんでした」
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