異世界へようこそ!

野上葵

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『アテネドラゴン討伐クエストクリアにより、50コインを手に入れました。』

いや、クリアしたのはいいけど……。

「まさかの救世主が来るなんて!ありがとうございました。あのーあなたの……名前なんて聞いちゃっても……」
「……ヴィア」
「へ?」
「ノヴィア・ケイト・アルセーヌ。この、パーティーに……入りたい……」
「へ?」

ええええ!!??今の茶番劇見てたのに!?てか、どうやってここのクエストに入ったんだ!?

「ノヴィア!!ノヴィアなのですね!」
「いずみ……」
「え?知り合い?いずみ大丈夫だったのか食われてたのに」
「食われていましたが、危機一髪!ノヴィアが助けてくれたのです!そして、ノヴィアと私は以前から知り合いなのでした。元々幼馴染的立ち位置で、よく一緒にクエストとか行ってたのです。ね、ノヴィア」
「……」

ノヴィアは何も言わないまま、こくりと首を縦に動かした。そうか、そうだったのか。それにしても、このノヴィアって子全然話さないな。

「ノヴィア、またパーティーから放り出されたのですか?」
「……パズルクエストで……ドラゴンにムカついてコンテニューしなかったら……殴られた。」
「コンテニューはできたのですか?」
「やろうと思えば……」

そりゃ殴られるだろ。コンテニューできるんだったら、するのが、常識的だし。

「ま、助かったよ。ありがとな。よし!それじゃあテント借りに行くぞ!」
「……テント?」
「あぁ。ノヴィアは知らないと思うのですが、このパーティーは弱小中の弱小なのです。だから、テントを借りに職業管理施設へ行くのです!!」
「弱小は仕方ないだろうが。とりあえず行くぞ!」

<パズルクエスト初級~アテネドラゴンを完成させろ!>

<クエストクリア>



「はい。テント4人分、40コインをお預かりしました。ありがとうございます。」

よし!これで、寝る場所確保!

「治ー!寝る場所はいいけど食べ物はぁ!?私、クエストで働いたから、お腹すいちゃった!」
「お前はあからさまにくどい指示出して、命中率皆無なスキル1つ俺にぶっかまして、逃げまくってただけじゃねえか」
「残り10コインでは、うめい棒1本しか買えないのです」
「うめい棒だけじゃ腹の足しにはならねえよな」
「その点は抜かりないのです!私の実家は和菓子屋なのです!和菓子ならたっくさんこのいずみ袋に入っているのです!さあさあ、皆さん!食べて下さい!!」

食べて下さい!の食べてからもう、既に食べ始めていた女神。本当に女神なのだろうかと自分を疑ってしまいそうになるが、こいつは正真正銘の女神らしい。

「それでも、和菓子だけだったらな」
「和菓子を甘く見てはいけないのです!!和菓子は古くから、人々に愛され、支えられて今の現代に残り続けているのです!この世から和菓子が消えた世界などありえない!治には、和菓子愛がないようなので、私がたっぷりと教えてあげるのです!」
「いや、説明とか間に合ってるし。てか和菓子は甘いから、甘く見てたんだけど。これからは苦いものとか、辛いものとかの認識でいいのか?」
「そういう問題ではないのです!もう!治は全く話を理解しないのですね。ムカつきます」
「な」

説明バカには言われたくない。間に合ってると言っているのに、説明してくる。なんなのだ。しかも、和菓子のことになると、あんな熱量で喋ってくるんだから、たまったものではない。

「治ー!食べないのー!?美味しいのに!!!」
「……俺は和菓子が苦手だ。ということで、スナック菓子を食う。じゃあな」
「あぁ!スナック菓子は体に悪いのです!!食べるのならもう少しヘルシーなお菓子が良いと思うのです!例えばー和菓子とか和菓子とか和菓子とか。あ!あと、」
「和菓子だろ」
「何故分かってしまったのです?」
「とりあえず俺は和菓子が無理なんだ。もう、テントに戻る!!」
「ああ!!!治!!!」

パーティーもあと1人だが、この様子では入ってくる奴も異常な奴しか入ってこない気がする。できるだけ、常識人が良いな……。
そんなことを考えながら、気がついたら俺は寝ていた。
明日も明後日も、クエストか。辛。
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