魔剣少女と契約した低血圧系魔術師、実は  の生まれ変わりでした?魔導学園で学生と講師を両立しながら何とか生きていこうと思います。

精神感応4

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第三章「たくさん食べる女の子は嫌い?」

第249話 おはよー、後輩君(セカンドインパクト)

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 「…………」

 双魔は昨日と同じく小刻みに揺れながら上昇する時計塔のエレベーターに乗っていた。

 昨日と違うのは傍らに陽気に笑うゲイボルグの姿がないことだ。恐らくロザリンの部屋にいるのだろう。

 「さてさて…………一緒に過ごすと言ってもね…………」

 ゲイボルグの要求はかなり漠然としたものだった。何をすればいいのかも、何を目的としているのかも未だに分からない。

 チーン!

 グリグリとこめかみを刺激しているとエレベーターのベルが目的の階に到着したことを知らせ、音もなく扉が開いた。

 エレベーターから降りるとそこには昨日と同じ仄暗い廊下が伸びていた。

 長過ぎず、短すぎずと言った廊下を進むと突き当りに木製で簡素な造りの扉が姿を現す。

 「…………まあ、約束は約束だからな」

 多少の面倒臭さはどうしても拭えない双魔だったが、あの何を考えているのかよく分からない何処か浮いたような大食い議長に不思議な魅力があったのは確かだ。

 「さて…………待てよ?」

 観念して扉を叩こうとした双魔はふとあることを思い出し、その手を止めた。

 『……じゃあ、よろしく』

 ロザリンの穏やかな夜風のような声と共に双魔の脳裏に美しい彼女の裸体がくっきりとフラッシュバックした。

 「……………………」

 双魔は両目を閉じると強めに右のこめかみを親指でグリグリと刺激し、煩悩を振り払う。

 青少年の反応としては自然なことの上、相手の裸体を頭に置浮かべたまま会うのはバツが悪いうという良心も加わっている。

 「……………そう言えば…………まさか…………」

 少々冷静になることが出来た双魔はある一つの結論にたどり着いた。

 ロザリンは昨日、生まれたままの姿のままベッドで寝ていた自分に一切の違和感はない様子だった、ように見えた。

 余りの衝撃に記憶はおぼろげだが、確かに双魔にはそう見えた、ことにしておく。

 そうするとだ、今日、今この時点も、目の前の扉の向こうのロザリンは一糸も纏わぬ姿でいる可能性は十分にある。

 「…………ふー……すー……はー……………注意しておくに越したことはないか……」

 双魔は呼吸を整えると意を決して軽い握りこぶしを作って扉を叩いた。

 コンッ、コンッ、コンッ!

 『……うーん……むにゃ……?あ……そっか……後輩君?』

 扉の向こうからは起きたばかりなのか、まだ眠そうなロザリンの声が聞こえてきた。幸い、双魔が来ることは覚えていてくれたようだ。

 「はい、伏見双魔です」
 『うんうん、そうしたら入ってきていいよー』

 油断を誘われる吞気な声が部屋の中から聞こえてくるが、双魔はそれには引っかかるわけにはいかない。ここでワンクッション入れるのが互いのためだ。

 「……ロザリンさん、ところで……服は着ていますか?」
 『服?うん、もちろん着てるよ?』

 即答だった、どうやら既に着替えは済ませていたらしい。双魔もこれで安心してお邪魔できるというものだ。

 「そうですか……それじゃあ、失礼します」
 『はーい』

 (……ある程度常識はあるみたいで良かった……)

 吞気な返事を聞いて双魔はホッと一息つき、ドアノブに手を掛け、回し、前に押した。

 キーッ…………

 僅かな音を立てて扉は開き、暗い廊下に部屋を満たしていた夕陽の琥珀色の光が漏れ出る。

 「おはよー、後輩君」
 「おはようございます、ロザリンさ……ん!?」

 部屋に足を踏み入れた双魔はロザリンに普通に挨拶をしたつもりだったのだが視界にロザリンの姿が映った瞬間、声が裏返った。

 扉を開けるとそこには一人の柳のような若草色の髪が美しい美少女が椅子に座ってこちらを目を擦って眠そうにしながら見ていた……………………下腹部の形のいいお尻と乙女の秘密を隠す布一枚のみを身につけた姿で。

 「……………………」
 「うん?後輩君?どーしたの?こっちおいでよ」

 ロザリンは立ち上がって大きく寝心地のよさそうなベッドにボフッと座りなおすと右手でポフッポフッと自分の隣を叩いて座るように誘った。

 「……………………」
 「?……どうしたの?」

 彫像のように凍りついて動かない双魔を見て不思議そうに首を傾げるロザリン。

 「……………………失礼しました」

 ……キーッ…………バタンッ……

 「あっ……………………あれ??」

 双魔はそのまま、まるで録画した映像を逆再生したかのような動きで部屋を出ていってしまった。

 「後輩くーん?どーしたのー?」

 よく分からないが昨日知り合ったお人よしが隠しきれていない後輩の様子は尋常ではないように見えた。

 ロザリンは心配になって立ち上がり、扉に近づきながら扉の向こうに呼び掛ける。

 『……………………ロザリンさん』

 すると、しばらくの沈黙の後絞り出すような声が返ってきた。

 「うん?どうしたの?」
 『下着を……しかも、下だけ来た状態は服を着ているとは言わないです』
 「うん?そうなの?」
 『そうなの?じゃないです、制服でも私服でもいいですからしっかりと服を着てください!』
 「……うん、後輩君が言うなら……分かった、ちょっと待っててね」

 ロザリンは頷くとまだ少し不思議そうに首を傾げながらクローゼットの前にぴょんぴょんと軽く跳ねるように移動して、ごそごそと中を物色しはじめるのだった。
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