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episodo:11
#3
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……でも、
まだ怒ってるんだからっ!
そんなんで誤魔化されないんだから……。
「…ヤダ…どこにも行きたくないし、なんにも欲しくない」
視線を伏せたままでそう返すと…
「芽依、いじわる言って悪かったって。
なぁ?そんなこと言うなよ。
機嫌なおしてくれよ、な?」
呑気だった声が、
段々と真剣なものへとなってきた。
ただ、
意地になってただけだし、
海翔が凄く不安そうな表情をするから、
今更言いにくかったんだけど…
「……じゃぁ、ずっとこのまんまがいい。
海翔が傍に居てくれるだけでいい」
小さな声で思ったままを声にしてみた。
そしたら…
一瞬、
驚いた表情で、
私の顔を覗き込んできたかと思えば…
「……なんだよ?それ……。
芽依は欲がねぇんだな。
もっと、ワガママ言って俺のこと振り回せよ?
カッコつかねぇだろ?」
次の瞬間には、
少しだけ声を震わせながらそう言って、
ギューッとキツく抱きしめられていた。
*海翔side*
やべぇ…
嬉しすぎて、
俺、泣きそうなんだけど……。
昨日からホントになんなんだよ?
可愛いことばっか言いやがって……。
さっきまでスッゲー怒ってたクセに……。
俺が芽依の機嫌を損ねて怒らしたのが悪いってのは解ってるけど。
それにしても、
なんの予告もなしに、
あんな意表ついてくるなんて…
………そんなの反則だろ?
リカの時にも泣いたとこ見られたっていうのに……。
まぁ、
あの時は、
非常事態だったんだし、
俺も芽依を手離すのが嫌で必死だったし、
芽依も泣きじゃくってたから、気づいてなかったんだろうと思う。
てか、そうであって欲しい。
だから、あんなのはカウントなんてされないんだろうけど……。
俺も男だ、
好きな女に、
これ以上醜態晒せるかよ!
こんなんで一々泣いて堪るかよ!
でも、本当に本音なんだろうか?
俺に遠慮してんじゃないんだろうか?
あぁ、もう、気になりだしたら切りがねぇ……。
そんなことを色々考えてたせいか、
なんとか涙腺が崩壊せずに済んだけど、
……なんか最近の俺って、
らしくないことばっかのような気がすんだけど……。
*芽依side*
「……海翔?」
あれっきり、
私を抱きしめたまんまで、
黙り込んでしまった海翔のことが気になって名前を呼べば…
「そんなカワイイことばっか言ってると、ずっと芽依のこと抱いてばっかかもしんねぇぞ?」
海翔がそう言ったと同時に私の身体がグラリと傾いた。
咄嗟のことに、
頭が着いていかずにポカンとしていると、
あっというまにベッドの上に身体が横たえられて、
海翔に覆いかぶさるようにして組み敷かれてしまった。
「それでも良いのかよ?」
そして、
ニヤリと意地悪な笑みを浮かべて、
喋りながらゆっくりと互いの鼻先が触れるぐらいの至近距離まで近づくと…
ピタリと動きを止めて艶っぽい瞳で真っ直ぐに見つめてくる。
こんなこと今まで何度もされてるのに、慣れることなんかなくって。
私の鼓動は、まるで早鐘を打つようにして忙しなくリズムを刻み始める。
だって、
言ってることは本気じゃないって解ってるけど…、
こんなに色気たっぷりの艶っぽい綺麗な瞳に見つめられたら、
有り得ないほどドキドキして動けなくなるんだもん……。
まだ怒ってるんだからっ!
そんなんで誤魔化されないんだから……。
「…ヤダ…どこにも行きたくないし、なんにも欲しくない」
視線を伏せたままでそう返すと…
「芽依、いじわる言って悪かったって。
なぁ?そんなこと言うなよ。
機嫌なおしてくれよ、な?」
呑気だった声が、
段々と真剣なものへとなってきた。
ただ、
意地になってただけだし、
海翔が凄く不安そうな表情をするから、
今更言いにくかったんだけど…
「……じゃぁ、ずっとこのまんまがいい。
海翔が傍に居てくれるだけでいい」
小さな声で思ったままを声にしてみた。
そしたら…
一瞬、
驚いた表情で、
私の顔を覗き込んできたかと思えば…
「……なんだよ?それ……。
芽依は欲がねぇんだな。
もっと、ワガママ言って俺のこと振り回せよ?
カッコつかねぇだろ?」
次の瞬間には、
少しだけ声を震わせながらそう言って、
ギューッとキツく抱きしめられていた。
*海翔side*
やべぇ…
嬉しすぎて、
俺、泣きそうなんだけど……。
昨日からホントになんなんだよ?
可愛いことばっか言いやがって……。
さっきまでスッゲー怒ってたクセに……。
俺が芽依の機嫌を損ねて怒らしたのが悪いってのは解ってるけど。
それにしても、
なんの予告もなしに、
あんな意表ついてくるなんて…
………そんなの反則だろ?
リカの時にも泣いたとこ見られたっていうのに……。
まぁ、
あの時は、
非常事態だったんだし、
俺も芽依を手離すのが嫌で必死だったし、
芽依も泣きじゃくってたから、気づいてなかったんだろうと思う。
てか、そうであって欲しい。
だから、あんなのはカウントなんてされないんだろうけど……。
俺も男だ、
好きな女に、
これ以上醜態晒せるかよ!
こんなんで一々泣いて堪るかよ!
でも、本当に本音なんだろうか?
俺に遠慮してんじゃないんだろうか?
あぁ、もう、気になりだしたら切りがねぇ……。
そんなことを色々考えてたせいか、
なんとか涙腺が崩壊せずに済んだけど、
……なんか最近の俺って、
らしくないことばっかのような気がすんだけど……。
*芽依side*
「……海翔?」
あれっきり、
私を抱きしめたまんまで、
黙り込んでしまった海翔のことが気になって名前を呼べば…
「そんなカワイイことばっか言ってると、ずっと芽依のこと抱いてばっかかもしんねぇぞ?」
海翔がそう言ったと同時に私の身体がグラリと傾いた。
咄嗟のことに、
頭が着いていかずにポカンとしていると、
あっというまにベッドの上に身体が横たえられて、
海翔に覆いかぶさるようにして組み敷かれてしまった。
「それでも良いのかよ?」
そして、
ニヤリと意地悪な笑みを浮かべて、
喋りながらゆっくりと互いの鼻先が触れるぐらいの至近距離まで近づくと…
ピタリと動きを止めて艶っぽい瞳で真っ直ぐに見つめてくる。
こんなこと今まで何度もされてるのに、慣れることなんかなくって。
私の鼓動は、まるで早鐘を打つようにして忙しなくリズムを刻み始める。
だって、
言ってることは本気じゃないって解ってるけど…、
こんなに色気たっぷりの艶っぽい綺麗な瞳に見つめられたら、
有り得ないほどドキドキして動けなくなるんだもん……。
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