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#7
しおりを挟む「芽依……? 真っ赤になったまんまで、何ボケーっとしてんだよ? 今夜は颯介さんとこに呼ばれてるって、今朝言ったろ?」
またまた色々考えてしまってた私は、超が付くほどの至近距離から顔を覗き込んでくる海翔によって、現実の世界へと引き戻された。
「……あっ! そうだったぁ! 海翔、ごめん。すっかり忘れてたぁ」
そんな私のことを軽く笑った海翔は、
「ふっ、やっぱりかよ? まぁ、慌てなくても、まだまだ十分時間はあるし……。俺らが行かねぇと準備もできねぇしなぁ?」
私のことを楽しそうに見つめたまんまで、柔らかい笑みを雫しながら呟いた。
……ん?
確か今夜は、颯介さんのお店の何周年目かのお祝いって言ってた気がするんだけど……。
一瞬、海翔の言った言葉の意味が解らなくて、キョトンと海翔のことを見つめていると、
「ほら芽依。ボケッとしてると置いてくぞ?」
海翔が急に私のことを急かすもんだから、深くは考えずに海翔の後に続いたのだった。
***
颯介さんのお店の駐車場、何故か車から降り海翔は裏側の居住スペースらしき出入り口へと向かって歩いていく。
「……あれ? 海翔、どこ行くの?」
不思議に思って聞いてみるも、
「……ん? あぁ、芽依は入ったことないもんな? まぁ、来れば直ぐに解る。
ほら、こっち」
どうやら説明してくれる気はないようで。
海翔は首を傾げる私に構うことなく、相変わらず優しい笑みを浮かべたまま、優しく腰に手を添えてエスコートしてくれた。
ーーーー
ーーー
ーー
お察しの通り…… 颯介さんのお店で私たちは、それぞれに着替えさせられた後、サプライズで結婚のお祝いをして貰った。
と言っても、知らなかったのは私だけだったんだけど……。
そして現在、私と海翔は、海翔の実家であるマンションで夜景を眺めている。
私は純白のウエディングドレスに身を包み、落ち着いたシルバーのロングタキシード姿の海翔の腕に、優しく包み込むようにして抱きしめられている。
私と海翔がどうしてこの格好で居るかというと……。
遡ること数時間前、
「じゃぁ、邪魔物は退散するわね?」
お姉さんの愛菜さんが、服飾デザイナーである旦那さんと一緒に帰った後のことだった。
海翔のスマホが鳴り響いたのは。
「ハァ!? ふざけんなっ!
たくっ、どうやって帰りゃ良いんだよ!」
『ふふっ。そのままマンションに直行してラブラブすれば良いじゃない! お姉さまのお陰で、今夜は素敵な夜が過ごせるんだから感謝しなさいよね?』
……そう、 海翔のお姉さんが私と海翔の服を故意に持ち帰ってしまったからだった。
「芽依、ごめんな? 姉さんが余計なことして……」
海翔が私の耳元にそっと顔を寄せてきた。
「ううん。でも、海翔が王子様みたいでちょっと緊張して、ドキドキする」
少し恥ずかしくて、俯き気味に伝えれば、
「どれどれ? 俺が直接触って確認してやろうか?」
少し照れているのか、 頬をほんのり紅く色付けた海翔が私の顔を覗き込みながら意地悪を言ってきた。
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