お前は用済みとパーティから追放されたらエースアタッカーの幼馴染もついてきた~最強ハーレムパーティに成り上がる俺の裏で元パーティは転落していく

荒火鬼 勝利

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第135話 楽しいひと時

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「……そうだ。せっかく来たんだから、子供たちにも会ってくれないか? あの日から、ずっと君に会いたいって言っていたんだ」
 アズリアが、どこか申し訳なさそうな表情でユークに問いかける。

「もちろん。俺も、あの子たちに会いたかったので、ちょうどよかったです」
 ユークが笑顔で頷くと、アズリアはほっとしたように息を吐いた。

「そうか……ありがとう。じゃあ、入ってくれ」
 家の扉を開けて、彼女はユークに手招きする。

 二人はそのまま家の中へと入っていった。

「ただいま」
 玄関から声をかけると、奥からぱたぱたと小さな足音が近づいてくる。

「母ちゃんが帰ってきたーっ!」
「ほんと!? 本当に!?」
 ペクトとリマが勢いよく家の奥から飛び出して来た。

 子供たちは、玄関でユークと顔を合わせた瞬間、さらに目を輝かせる。

「あっ! ユーク兄ちゃんもいる!」
 ペクトが驚きの声をあげた。

「ええ!? やだっ! わたし、かわいい服に着替えてくるー!」
 ユークを見たリマが顔を赤くして、勢いよく奥の部屋に駆けていく。

「お、俺も剣持ってくる!」
 ペクトも負けじと後を追うように、家の奥へと走り去っていった。

「……すまんな、慌ただしくて」
 二人きりになった玄関で、アズリアが呆れたように笑いながらユークに謝罪する。

「いえ、賑やかでいいじゃないですか」
 ユークは柔らかな笑みを浮かべた。

「ほらっ! この剣、母ちゃんに買ってもらったんだぜ!」
 木剣を両手で抱えて、ペクトが得意げに見せびらかしてくる。

「あ……お兄さん……その……」
 少し遅れてリマも現れる。ふわりとした白いワンピースに着替え、恥ずかしそうにもじもじとユークの前に立った。

「可愛いお洋服だね」
 ユークが優しく声をかける。

「えへへ……はいっ!」
 リマはぱぁっと笑顔を咲かせ、ワンピースの裾を持ってくるりと回った。

「兄ちゃん! 見てって! ほら!」
 今度はペクトが木剣を振りながらユークの注意を引こうとする。

「うんうん。見てる見てる」
 ユークは抱きついてきたリマの頭を撫でながら、ペクトの方へ視線を向けた。

「本当にすまない。子供たちの相手をさせてしまって……」
 アズリアがお菓子の入った皿を手に戻ってくる。

「いえ、こういうのも好きですから」
 そう答えるユークの表情は、どこか柔らかかった。

「お前たち! ユークに助けてもらったお礼は、もう言ったのか?」
 アズリアが子供たちにむけて大きく声を張る。

「あっ!」
「まだ!」
 二人ははっとして、慌ててユークの前に並び立つ。

「「せーの……」」

「「あの時はありがとうございました!!」」
二人が揃って大きな声で頭を下げた。

「俺、ぜったい最強の剣士になって、ユーク兄ちゃんのパーティーに入るからな!」

「わたしもっ! 魔法の練習、毎日してるんだから! すっごい魔法使いになって、絶対仲間になるの!」
 元気いっぱいの二人の言葉に、ユークは苦笑する。

「ははっ……大きくなってからね」
 そしてユークは笑ってごまかした。

 すると、リマがそっとユークの首に抱きついて、耳元でささやく。

「それとね……わたし、おっきくなったら……ユークお兄さんの恋人になってあげる……!」
 ささやいたあとのリマは、そっとユークの頬にキスをして、にこりと笑う。

(セリスが一緒だったら……間違いなく対抗意識燃やして大変だったろうな)
 ユークはふとセリスの顔を思い浮かべ、小さく笑った。

 そんなふうに、楽しく賑やかな時間はあっという間に過ぎていった。

 やがて日が傾き、ユークが帰る時間になる。

「また絶対に来てね!」
「ばいばーい! あのこと、本気だからねー!」
 小さな手を目いっぱい振る二人を、ユークは目を細めて見送り、そっと手を振り返す。

 そして、その後ろに立つアズリアが深く頭を下げる姿を見ながら、ユークはその家を後にした。

「まだ一人目だっていうのに……けっこう時間かかっちゃったな」
 街の大通りを歩きながら、ユークは小さくつぶやいた。空はすでに赤く染まり始めている。

(まあ、そのために一週間あるんだし……多少時間がかかっても大丈夫、かな)
 そう思いながら歩いていたそのとき、横から突然大きな声が飛んできた。

「おっ! 兄ちゃんじゃねえか!」

「っ!……あなたは!」

 思わず顔を向けたユークの目に飛び込んできたのは、以前ラピスと共ににトレント狩りに参加していたパーティのリーダー、ボルダーの姿だった。

「確か……ボルダーさん!」
 驚きの声をあげるユークに、ボルダーは豪快に笑いながら肩を組む。

「よぉ、兄ちゃん。暇ならちょっと付き合えや!」

「わっ、ちょ、ちょっと待っ……!」
 そのままユークは、強引に酒場へと連れ込まれていった。

 酒場は塔から戻った探索者たちで賑わい、どこもかしこも活気に満ちている。

「それでよぉ、行ってみたらよ! 封鎖されてて、ぜーんぜん通れなかったわけだ!」
 ボルダーが酒を飲みながら、酔っ払った勢いで愚痴をこぼす。

「あー、それは……大変でしたね」
 ユークは果実水を口にしながら、適度に相槌あいずちを打って受け流していた。

 話を聞けば、彼らは二十一階に挑もうとしたが、ギルドガードに封鎖されていて通れなかったらしい。

(ルチルさんが霊樹の件で封鎖してるのか……。セリスが回復したあと、精霊にお礼をもらいに行くなら、ルチルさんに一言通してからの方が良さそうだな……)
 ボルダーの話を聞きながら、ユークは内心で今後の段取りを考えていた。
 
「でよお! ……聞いてんのか!?」
 突然、ボルダーが絡んでくる。

「うん、うん。ちゃんと聞いてますって」
 軽くあしらいながら、果実水をもう一口。

(やってることはペクト君と変わらないのに……それがおっさんだと、全然可愛くないな……)

 そんな当たり前のことを思いながら、ユークは果実水の冷たさを楽しみつつ、ボルダーの話を聞き流すのだった。

◆◆◆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ユーク(LV.33)
性別:男
ジョブ:強化術士
スキル:リインフォース(パーティーメンバー全員の全能力を10%アップ)
EXスキル:≪リミット・ブレイカー≫
備考:子供の相手をするのが意外と得意で、嫌いではない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
アズリア(LV.30)
性別:女
ジョブ:剣士
スキル:剣の才(剣の才能をわずかに向上させる)
EXスキル:≪ストライクエッジ≫
備考:ユークに子供たちが迷惑をかけていないか、内心ひやひやしながら見守っていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ボルダー(LV.??)
性別:男
ジョブ:??
スキル:??
備考: 粗野な性格と見た目のせいで、酔っているととても高レベルの探索者には見えない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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