3 / 22
魔法少女になりますか?
しおりを挟む
目を覚ますと、そこには私を捕食した筈のダークメアは居なかった。
「ここは? 天国なのかな?」
陽菜は、自分は死んでしまったんだと結局はダークメアに食べられて、人生を終えてしまったんだと、悲しい気持ちになる。
「生きたいですか?」
「誰!?」
急に問いかけられて、陽菜は咄嗟に身構えつつ声のした方を振り返る。
ダークメアではない事はわかる。奴らは人間の言葉を話さない。
キッヒッヒとか、ヘキャとか意味不明な音を発するだけである。
今聞こえたのは、ハッキリと人間の女性の声だと認識出来る。
もしかして、私は魔法少女に助けられたの?
そんな事を考えてしまう。
振り返ると、一人の美しい女性がこちらを見ていた。
人間? 人間の女性? と一瞬思ったが人間にしては、神々しくて形容するなら目の前に居るのは、美の女神がである。
「朝比奈陽菜、貴女は生きたいですか? それともこのまま安らかに眠りたいですか?」
女神様と思われる女性は、陽菜にそう質問をする。
「生きたい! 私は生きて恋愛したいし、お友達も作りたい! 聖さんとお友達になって……出来るなら彼女と結ばれたいです」
「そうですか、なら貴女は魔法少女になる覚悟はありますか?」
魔法少女? 私が?
魔法少女になると言う事は、あの恐ろしい悪魔と戦わないといけないって、そう言う事ですよね?
「魔法少女になる覚悟があるのなら、もう一度貴女を現世に戻してあげます」
魔法少女になるのなら、魔法少女になってあの恐ろしい悪魔と戦うのなら、私はもう一度家族の待っている。聖さんの居る世界に戻れる。
でも、あんな恐ろしい悪魔と戦うなんて、考えただけで、先程の光景をダークメアの恐ろしい姿を思い出して、陽菜は思わずお漏らしをすると、その場にへたり込んでしまう。
ダークメアには、沢山の形態があるが、一番多いのは人間の女性が、そのまま悪魔になった形態が最も多い。
獣に近い形態のダークメア。
ファンタジーの世界に居そうな形態のダークメアもいるが、殆どが人間の女性に近しい形態である。
胸もあり、人間の女性の裸と何ら変わらないのだが、最も違うのは奴らには尻尾があり牙が、人間を捕食する為の牙が生えている事だった。
お漏らしをして、へたり込んでしまった陽菜に、女神様は気にした風もなく陽菜に近づくと、何処に仕舞っていたのだろうか、陽菜の洋服を脱がしていく。
普段ならキャァーーー! と叫び声でも上げていたのだろうが、今の陽菜はされるがままに脱がされて全裸にされてしまった。
女神様は、ショーツだけを履かせると、もう一度魔法少女になりますか? と問い掛ける。
「あの、中途半端なんですけど」
「魔法少女になるのなら、その胸に魔法少女としての刻印を施す必要があります」
そう説明すると、少しだけ気持ちが落ち着いて恥ずかしがる陽菜を余所に、女神様は真剣な眼差しを向けている。
半裸のまま陽菜は、どうすればいいのだろうかと再び悩み始める。
どの位の時間が経ったのだろうか?
陽菜のいる場所には、時間の概念がないのか、辺りの景色は変わらない。
悩み答えを出せない陽菜を、女神様はただじっと見つめていた。
「今日も平和だったね~」
部屋に入るなり、制服を脱ぎ捨ててここあは下着姿になる。
「もうここあ! 少しは恥じらいなさいよ」
ここあの視線を気にしながら、着替える聖に、女の子同士じゃんと裸も見せ合った仲じゃんと、ここあは気にした素振りを見せずに部屋着に着替える。
「そうだけどって、ここあまた成長したの?」
ここあの胸の成長を、聖は見逃さない。
胸が平均より小さいのが、聖の悩みなので、ここあの胸の成長が羨ましい。
「聖は、本当に大きさ気にするよね。胸なんて、授乳出来ればいいんだし、小さい胸が好きな女の子って、結構いるよ」
だからどうして、女の子限定なのと野暮なツッコミは入れずに、自分の胸に手を当ててどうしたら成長するのかな? と考えてしまう。
「聖は、胸が大きくなりたいのかなにゃ?」
ワキワキと手を怪しく動かしながら、下着姿のここあがにじり寄る。
「こ、ここあさん?」
その妖しい瞳に、気圧されたのか聖はベッドに倒れ込んでしまう。
それを見逃さなかったここあが、聖に馬乗りになると、優しく聖の胸に手を当てる。
「うちは、うちはね。聖は今のままでいいと思ってるんだよ」
「ここあ」
「うちらは、いつ死ぬかわからないでしょ。ダークメアとの戦いで、だから毎日をなるべく楽しく過ごしたい。うちは、聖と毎日楽しく過ごしたいんだよ」
「ここあ、ありがとう」
ここあの言葉に胸が温かくなる。
聖の胸に手を当てながら、聖の顔に自分の顔を擦り付ける。
「ここあ、こちょばしいし」
「ねぇ、もしうちが聖に最初をあげたいって言ったら貰ってくれる?」
「えっ?」
「真剣な話。うちは、こんなんだから恋愛とかわからないし、でも聖は大好き。聖がいたから、今のうちがあるから、だから聖にならいいって思ってるんだよ」
自分を見つめるここあの瞳に、その真剣な眼差しに嘘はなかった。
「考えておくわ。私もここあは大好きだから」
本当に聖は優しいなと思いながら、ここあはそっと聖のおでこにキスをした。
どうしよう?
生きたいけど、あんな恐ろしい悪魔と戦うのは怖い。
恐怖で、ガタガタと身体が震えてきてしまう。
でも、魔法少女にならないと生きられないのは確かだし……だって私は、あの悪魔に捕食されたんだから。
思い出すと、急激に吐き気を催して陽菜は必死に吐き気を堪える。
「大丈夫ですか?」
「うっ、うっ、はぁはぁ、だ、大丈夫です。ごめんなさい」
女神様は、謝らなくてもいいんですよと優しく背中を摩ってくれる。
「私、怖いんです。生きたいのに、その為には魔法少女にならないといけないんだって事も、断ったら生きれない事もわかっているのに、どうしても怖くて」
陽菜は、本音をぶち撒ける。
ダークメアに襲われてしまえば、ほぼ死が待っている。
運良く魔法少女に助けられた者もいるが、その後は精神に異常をきたして、病院送りになって、普通の生活には二度と戻れない。
「貴女の恐怖はわかります。一度襲われているのですから、ですが魔法少女になれる者は少ないのです」
女神様は、魔法少女になれる少女は殆ど存在しないと、だからこそその素質がある陽菜を生き返らせてでも、魔法少女としてダークメアと戦って欲しいのだと、ダークメアが存在する限り人間に安寧の時は、安住の地は訪れないと言い切る。
「で、でもまた襲われたら、今度は確実に死ぬんですよ!」
思わず陽菜は、大声を上げてしまう。
そんな陽菜に、女神様は優しく答える。
「魔法少女になれば、ダークメアと戦う力が貴女を守ります。それに仲間もいますから」
女神様は、どうしても私を魔法少女にしたいんだろうな。
女神様の言う事は、陽菜にも理解出来る。
ダークメアがいる限りは、安寧なんて訪れはしない。
今の生活は、魔法少女が頑張ってくれてるからあるのだ。
陽菜は、人間の中でも珍しく魔法少女に感謝してる人間の1人だった。
「本当に、本当に死にませんか?」
その事だけが気掛かりだった。
折角生き返らせて貰っても、すぐに死んだのでは意味がない。
「絶対に死なないとは言いません。ですが、人間の少女よりは、遥かにその確率は下がります」
女神様は、非力な人間の少女ではダークメアに遭遇すれば、待っているのは確実な死であるが、魔法少女になればダークメアと戦えるだけの力が与えられる。
絶対はないが、格段に死ぬ可能性は減ると答えた。
女神様の返答を聞いて、陽菜は心を決めるしかなかった。
ダークメアと戦うのは、正直怖い。
また殺されてしまうのでは?
そんな考えが、頭を過ってしまうが魔法少女としてでも、生き返る事が出来るのなら、二度と会えないと思っていた家族に会える。
そして、聖とお友達になれるチャンスがある。
もう逃げて後悔なんてしたくない。
例え魔法少女になってでも、もう一度自分の人生を歩みたい。
女の子らしく、他の女の子とは恋愛対象は違うけど、それでも恋愛もエッチも経験して素敵な大人の女性になりたい。
「わかりました。私、魔法少女になります。私を魔法少女にしてください」
「本当にいいのですね? 」
女神様は、最後に本当に後悔しませんね? と陽菜に尋ねる。
陽菜は、力強く後悔なんてしない! と私は絶対に生き抜いて、素敵な人生を送ってやるんだからと、自分でも驚く程に力強く宣言していた。
「わかりました。今から貴女は魔法少女です」
そう言うと、女神様は陽菜の胸に手を当てる。
胸が熱い。
とても熱くて、自分の中に不思議な力が湧いてくるのがわかる。
本当に魔法少女になったんだと、陽菜は自分の胸に刻まれた薄い刻印を見て、もう引き返せないと悟った。
「先ずは、弱いダークメアを相手にしながら戦いを学ぶといいでしょう」
「わかりました。でも、弱い強いって、どうしたらわかるんですか?」
尤もな意見である。
女神様は、その刻印が教えてくれますと、危険な相手だと判断した場合は、刻印が熱くなりますと、弱い相手だと熱くはならないと、刻印の温度差で、先ずは判断してくださいと後は経験ですよと微笑む。
女神様は、無理はしないでねと最後に優しく微笑むと、陽菜の前から消えていた。
そして、風景も元の街並みに戻っていた。
自分がダークメアに襲われた場所を、自分が捕食されて死んだ場所を、陽菜は見つめながら、あれは全て夢だったのではないかと、そんな事を思いながら、自分の胸を見る。
胸に薄くだが刻まれた刻印が、全て事実であったと、音もなく伝えてくる。
自分が襲われてしまったのも、死んだのか死に掛けだったのかは、それについては定かではないが、女神様に救われて、そして魔法少女になった。
明日からの事を考えると、買ったばかりの百合漫画の新刊を読む気にはならなかったが、折角買ったのでと、鞄に仕舞うと家へと歩き始めた。
朝比奈陽菜の魔法少女としての人生は、ダークメアに襲われた事で、その幕を開く事になった。
「ここは? 天国なのかな?」
陽菜は、自分は死んでしまったんだと結局はダークメアに食べられて、人生を終えてしまったんだと、悲しい気持ちになる。
「生きたいですか?」
「誰!?」
急に問いかけられて、陽菜は咄嗟に身構えつつ声のした方を振り返る。
ダークメアではない事はわかる。奴らは人間の言葉を話さない。
キッヒッヒとか、ヘキャとか意味不明な音を発するだけである。
今聞こえたのは、ハッキリと人間の女性の声だと認識出来る。
もしかして、私は魔法少女に助けられたの?
そんな事を考えてしまう。
振り返ると、一人の美しい女性がこちらを見ていた。
人間? 人間の女性? と一瞬思ったが人間にしては、神々しくて形容するなら目の前に居るのは、美の女神がである。
「朝比奈陽菜、貴女は生きたいですか? それともこのまま安らかに眠りたいですか?」
女神様と思われる女性は、陽菜にそう質問をする。
「生きたい! 私は生きて恋愛したいし、お友達も作りたい! 聖さんとお友達になって……出来るなら彼女と結ばれたいです」
「そうですか、なら貴女は魔法少女になる覚悟はありますか?」
魔法少女? 私が?
魔法少女になると言う事は、あの恐ろしい悪魔と戦わないといけないって、そう言う事ですよね?
「魔法少女になる覚悟があるのなら、もう一度貴女を現世に戻してあげます」
魔法少女になるのなら、魔法少女になってあの恐ろしい悪魔と戦うのなら、私はもう一度家族の待っている。聖さんの居る世界に戻れる。
でも、あんな恐ろしい悪魔と戦うなんて、考えただけで、先程の光景をダークメアの恐ろしい姿を思い出して、陽菜は思わずお漏らしをすると、その場にへたり込んでしまう。
ダークメアには、沢山の形態があるが、一番多いのは人間の女性が、そのまま悪魔になった形態が最も多い。
獣に近い形態のダークメア。
ファンタジーの世界に居そうな形態のダークメアもいるが、殆どが人間の女性に近しい形態である。
胸もあり、人間の女性の裸と何ら変わらないのだが、最も違うのは奴らには尻尾があり牙が、人間を捕食する為の牙が生えている事だった。
お漏らしをして、へたり込んでしまった陽菜に、女神様は気にした風もなく陽菜に近づくと、何処に仕舞っていたのだろうか、陽菜の洋服を脱がしていく。
普段ならキャァーーー! と叫び声でも上げていたのだろうが、今の陽菜はされるがままに脱がされて全裸にされてしまった。
女神様は、ショーツだけを履かせると、もう一度魔法少女になりますか? と問い掛ける。
「あの、中途半端なんですけど」
「魔法少女になるのなら、その胸に魔法少女としての刻印を施す必要があります」
そう説明すると、少しだけ気持ちが落ち着いて恥ずかしがる陽菜を余所に、女神様は真剣な眼差しを向けている。
半裸のまま陽菜は、どうすればいいのだろうかと再び悩み始める。
どの位の時間が経ったのだろうか?
陽菜のいる場所には、時間の概念がないのか、辺りの景色は変わらない。
悩み答えを出せない陽菜を、女神様はただじっと見つめていた。
「今日も平和だったね~」
部屋に入るなり、制服を脱ぎ捨ててここあは下着姿になる。
「もうここあ! 少しは恥じらいなさいよ」
ここあの視線を気にしながら、着替える聖に、女の子同士じゃんと裸も見せ合った仲じゃんと、ここあは気にした素振りを見せずに部屋着に着替える。
「そうだけどって、ここあまた成長したの?」
ここあの胸の成長を、聖は見逃さない。
胸が平均より小さいのが、聖の悩みなので、ここあの胸の成長が羨ましい。
「聖は、本当に大きさ気にするよね。胸なんて、授乳出来ればいいんだし、小さい胸が好きな女の子って、結構いるよ」
だからどうして、女の子限定なのと野暮なツッコミは入れずに、自分の胸に手を当ててどうしたら成長するのかな? と考えてしまう。
「聖は、胸が大きくなりたいのかなにゃ?」
ワキワキと手を怪しく動かしながら、下着姿のここあがにじり寄る。
「こ、ここあさん?」
その妖しい瞳に、気圧されたのか聖はベッドに倒れ込んでしまう。
それを見逃さなかったここあが、聖に馬乗りになると、優しく聖の胸に手を当てる。
「うちは、うちはね。聖は今のままでいいと思ってるんだよ」
「ここあ」
「うちらは、いつ死ぬかわからないでしょ。ダークメアとの戦いで、だから毎日をなるべく楽しく過ごしたい。うちは、聖と毎日楽しく過ごしたいんだよ」
「ここあ、ありがとう」
ここあの言葉に胸が温かくなる。
聖の胸に手を当てながら、聖の顔に自分の顔を擦り付ける。
「ここあ、こちょばしいし」
「ねぇ、もしうちが聖に最初をあげたいって言ったら貰ってくれる?」
「えっ?」
「真剣な話。うちは、こんなんだから恋愛とかわからないし、でも聖は大好き。聖がいたから、今のうちがあるから、だから聖にならいいって思ってるんだよ」
自分を見つめるここあの瞳に、その真剣な眼差しに嘘はなかった。
「考えておくわ。私もここあは大好きだから」
本当に聖は優しいなと思いながら、ここあはそっと聖のおでこにキスをした。
どうしよう?
生きたいけど、あんな恐ろしい悪魔と戦うのは怖い。
恐怖で、ガタガタと身体が震えてきてしまう。
でも、魔法少女にならないと生きられないのは確かだし……だって私は、あの悪魔に捕食されたんだから。
思い出すと、急激に吐き気を催して陽菜は必死に吐き気を堪える。
「大丈夫ですか?」
「うっ、うっ、はぁはぁ、だ、大丈夫です。ごめんなさい」
女神様は、謝らなくてもいいんですよと優しく背中を摩ってくれる。
「私、怖いんです。生きたいのに、その為には魔法少女にならないといけないんだって事も、断ったら生きれない事もわかっているのに、どうしても怖くて」
陽菜は、本音をぶち撒ける。
ダークメアに襲われてしまえば、ほぼ死が待っている。
運良く魔法少女に助けられた者もいるが、その後は精神に異常をきたして、病院送りになって、普通の生活には二度と戻れない。
「貴女の恐怖はわかります。一度襲われているのですから、ですが魔法少女になれる者は少ないのです」
女神様は、魔法少女になれる少女は殆ど存在しないと、だからこそその素質がある陽菜を生き返らせてでも、魔法少女としてダークメアと戦って欲しいのだと、ダークメアが存在する限り人間に安寧の時は、安住の地は訪れないと言い切る。
「で、でもまた襲われたら、今度は確実に死ぬんですよ!」
思わず陽菜は、大声を上げてしまう。
そんな陽菜に、女神様は優しく答える。
「魔法少女になれば、ダークメアと戦う力が貴女を守ります。それに仲間もいますから」
女神様は、どうしても私を魔法少女にしたいんだろうな。
女神様の言う事は、陽菜にも理解出来る。
ダークメアがいる限りは、安寧なんて訪れはしない。
今の生活は、魔法少女が頑張ってくれてるからあるのだ。
陽菜は、人間の中でも珍しく魔法少女に感謝してる人間の1人だった。
「本当に、本当に死にませんか?」
その事だけが気掛かりだった。
折角生き返らせて貰っても、すぐに死んだのでは意味がない。
「絶対に死なないとは言いません。ですが、人間の少女よりは、遥かにその確率は下がります」
女神様は、非力な人間の少女ではダークメアに遭遇すれば、待っているのは確実な死であるが、魔法少女になればダークメアと戦えるだけの力が与えられる。
絶対はないが、格段に死ぬ可能性は減ると答えた。
女神様の返答を聞いて、陽菜は心を決めるしかなかった。
ダークメアと戦うのは、正直怖い。
また殺されてしまうのでは?
そんな考えが、頭を過ってしまうが魔法少女としてでも、生き返る事が出来るのなら、二度と会えないと思っていた家族に会える。
そして、聖とお友達になれるチャンスがある。
もう逃げて後悔なんてしたくない。
例え魔法少女になってでも、もう一度自分の人生を歩みたい。
女の子らしく、他の女の子とは恋愛対象は違うけど、それでも恋愛もエッチも経験して素敵な大人の女性になりたい。
「わかりました。私、魔法少女になります。私を魔法少女にしてください」
「本当にいいのですね? 」
女神様は、最後に本当に後悔しませんね? と陽菜に尋ねる。
陽菜は、力強く後悔なんてしない! と私は絶対に生き抜いて、素敵な人生を送ってやるんだからと、自分でも驚く程に力強く宣言していた。
「わかりました。今から貴女は魔法少女です」
そう言うと、女神様は陽菜の胸に手を当てる。
胸が熱い。
とても熱くて、自分の中に不思議な力が湧いてくるのがわかる。
本当に魔法少女になったんだと、陽菜は自分の胸に刻まれた薄い刻印を見て、もう引き返せないと悟った。
「先ずは、弱いダークメアを相手にしながら戦いを学ぶといいでしょう」
「わかりました。でも、弱い強いって、どうしたらわかるんですか?」
尤もな意見である。
女神様は、その刻印が教えてくれますと、危険な相手だと判断した場合は、刻印が熱くなりますと、弱い相手だと熱くはならないと、刻印の温度差で、先ずは判断してくださいと後は経験ですよと微笑む。
女神様は、無理はしないでねと最後に優しく微笑むと、陽菜の前から消えていた。
そして、風景も元の街並みに戻っていた。
自分がダークメアに襲われた場所を、自分が捕食されて死んだ場所を、陽菜は見つめながら、あれは全て夢だったのではないかと、そんな事を思いながら、自分の胸を見る。
胸に薄くだが刻まれた刻印が、全て事実であったと、音もなく伝えてくる。
自分が襲われてしまったのも、死んだのか死に掛けだったのかは、それについては定かではないが、女神様に救われて、そして魔法少女になった。
明日からの事を考えると、買ったばかりの百合漫画の新刊を読む気にはならなかったが、折角買ったのでと、鞄に仕舞うと家へと歩き始めた。
朝比奈陽菜の魔法少女としての人生は、ダークメアに襲われた事で、その幕を開く事になった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる