魔法少女は華麗に舞い散る

Cecil

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束の間の幸せ

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二人に相談して、本当に良かった。
 二人のお陰で、明里お姉ちゃんに告白する事が出来て、恋仲になれたのだから、聖とここあには感謝しかない。

二人からは、もうキスしたの?
 もうエッチはしたの?
 やっぱり初めての時は痛かった? と聞かれるのだが、まだエッチどころかキスも経験出来ていない。

明里からは、もう恋人なんだから明里お姉ちゃんじゃなくて、明里って呼んでと言われているのだが、ずっとお姉ちゃんもしくは明里お姉ちゃんと呼んでいたので、いきなり呼び捨てで呼ぶのは、かなりハードルが高い。

高いのだが、明里と呼ばないとキスもエッチもしないんだからと、言われてしまった。
 それはないよと泣きついたのだが、絶対にしないならと言われてしまい、私は明里と頑張って呼んでいる。
 明里は、とても嬉しそうにしていた。

恋人になってから、初めて明里の家にお泊まりである。
 恋人になる前は、偶に泊めて貰って勉強を教えて貰ったり、ちょっと背伸びをした大人の会話をしたりと、いつも楽しい時間を過ごしていた。

しかし! 今日はきっとキスもして処女を捨てる日になる。
 七海は、学校から帰るとお風呂場に行き念入りに身体を特にアソコを洗う。
 歯ブラシも三回もしたし、念の為にガムも噛んで備える。
 下着も一番のお気に入りを着用して、今夜に備える。
 その気合いが空回りしなければいいのだが、何もかもが初めての七海は、既にテンパっている。

焦りからなのか、お風呂上がりに洗濯に出した下着を再度着用して、それに気付いて履き直す。
 履き直したが、ショーツは表裏逆に履いてしまう。
 そして改めて履き直す。
 そんな事を何度も繰り返していた。
 普段は、どちらかと言えば冷静で東の魔女の中でも、感情を表に出す事のないタイプなのだが、今日ばかりはいつもの冷静な七海ではいられなかった。

好きな人と、やっと恋人になれた。
 自分は魔法少女だから、ダークメアとの戦いで、いつ命を落としてしまうかわからない。
 死ぬ事は怖くはないとは言えないけど、魔法少女として生まれて来た以上は、幼い時から覚悟は決めていた。
 だからこそ、やり残しの少ない様に精一杯生きたい。

魔法少女の中には、キスやエッチはおろか恋愛すら経験せずに、命を落としてしまった魔法少女も少なからずいる。
 そんな魔法少女の為にも、七海は後悔して死にたくはない。
 その娘達が経験出来なかった事を、少しでも沢山経験して、自分が死んで天国に行ったら、その娘達に話して教えてあげたい。

七海はいつも死んでしまった仲間の事を、頭の片隅にいれながら、ダークメアとの戦いも日常生活も送っていた。
 とても心根が優しくて、律儀な性格の女の子。
 それが七海と言う魔法少女であり、七海と言う女の子だった。

お泊まりの準備を終えると、母親に月曜日は明里の所から、そのまま学校に行くからと伝えると、家を出た。
 明里の家までは、歩いて数分程度の距離なので、すぐに着いてしまった。
 呼び鈴を鳴らすと、明里が玄関にお迎えに来てくれた。
 自宅と言う事もあってか、とてもラフな格好をしているし、シャツの中にブラは着けていなかった。
 乳首の形がハッキリと、シャツに表れていたので、七海はいくら家だからってブラは着けた方がいいよと忠告する。
「別に誰かに見られる訳じゃないし、七海も知っての通りで、うちの親はずっと単身赴任でいないんだから」
 明里は、見せるのは七海だけだしねと言うと、七海を招きいれた。

明里の部屋に通される。
 何度も何度も幼い頃から通っているから、見飽きてしまう位に、何度もこの部屋で遊んだり勉強を教えて貰ったり、お泊りもしているのに、今日は違う部屋に見えてしまう。
 雰囲気すら、いつもと違う様に感じてしまう。
 昔から変わらない女の子って感じの部屋なのに、今日だけは全く別の部屋に明里以外の人の部屋なのではないかと、そう錯覚してしまう。

「七海どうしたの? そんなに緊張しないでも、いきなり襲ったりしないし」
 そう言って、もっとリラックスしなさいと言ってくれるのだが、今夜キスもエッチも初体験なんだと思うと、どうしても緊張から身体がカチコチに固まって、上手く動けずにただベッドの上にちょこんと座って、空返事をしてしまう。
「七海が怖いって言うなら、別に私は無理して今日しないでもいいんだよ」
 経験のある自分とは違って、七海は未経験である。
 身体は大人の身体に成長しているとは言え、精神面はまだまだ未熟な部分が多い事は、明里も理解している。

同じ位の女の子なら、経験してる娘もいるからと言って、七海が無理に背伸びする必要はないと思っている。
 恋人になったのだから、七海とはキスもエッチも沢山したいとは思うが、無理強いをするつもりは全くない。
「七海は、魔法少女として戦ってもいるんだから、疲れてたりするし、私は七海には無理をして欲しくないんだよ」
 七海の事は、小さい頃から知っている。
 よく自分の気持ちを誤魔化して、無理をしてしまう女の子。
 周りに合わせようとする部分のある女の子であると、明里はわかっているから、だから自分の前では無理をして欲しくない。
 自分に合わせる必要なんてないから、七海は七海らしく居て欲しい。

「む、無理はしてないよ。本当だよ! でも、知識しかないから、ちゃんと出来るのかなって、明里お姉ちゃんを困らせたりするんじゃないかって、そう思うとどうしても緊張してしまうの」
 緊張から、明里ではなくて再び明里お姉ちゃんと呼んでいた。
 明里は、その事は気にせずに自分も初めての時はそうだったと、初めては七海と同い年の時に、同級生の女の子としたと教えてくれた。
「お姉ちゃんも、やっぱり緊張したの?」
「もちろんしたわよ。お互いに初体験で、ましてや女の子同士だし、どうすればいいのか二人で顔を見合わせながら、試行錯誤したのを覚えているわよ」
 女の子同士でのエッチは、前戯までは男性が女性にする事と大差ないかもしれないが、その後は、男性とのエッチとは違う。
 男性となら、男性が女性のアソコにペニスを挿入するのだが、女の子同士となると相手によって、やり方が全く違う。
 ペニパンやバイブを用いる女の子もいるし、お互いのアソコを擦り合わせる女の子もいる。

当時の明里と明里の彼女は、知識はあったが実際どうすればいいのかわからなくて、先ずはお互いの指でお互いの処女膜を貫いて、捧げあった。
 そこまでは、二人で話し合って決めていたので良かったのだが、その後がわからなくて完全に動きが止まってしまった。
 最終的には、お互いのアソコを擦り付ける事にしたのだが、いかんせんお互い未経験なので全く上手くいかなくて、相当苦労した覚えが明里にはあった。

二回目以降は、徐々に上手くなっていった。経験を重ねて、お互いの気持ちいいポイントに上手く合わせて、自分のアソコをフィットさせる事が出来る様になっていったと、明里は当時を振り返りながら、七海に教えてくれた。
 
七海としては、正直とても以外だった。
 明里と言う女性は、何でも器用にこなすイメージがあったので、きっとエッチも器用にこなしていたんだとばかり思っていた。
「お姉ちゃんも苦労したんだね」
「そうよ。お互い処女で経験ゼロだったから、スマホで動画とか観ながら真似したけど、全く上手くいかなかったし」
「おねえ、明里は嫌じゃない? 経験のない私としても、きっと気持ち良くなんてなれないよ」
 やっとお姉ちゃんじゃなくて、明里と呼べる位に冷静にはなった。

冷静になったから、初心者の自分とじゃ明里が気持ち良くなれないのでは、自分だけが満足してしまう結果になるのではと、七海は余計な事を考えてしまった。
「あのさ七海。そんな事気にする必要ないし、誰だって最初から上手く出来る筈ないんだし、徐々に覚えていけばいいんだよ」
 誰だって、初めての時は緊張と焦りから失敗してしまう。
 大半のカップルはそうだろう。
 経験者と未経験者の組み合わせなら、経験者がリードしてあげればいい。
 どちらも未経験者なら、二人で協力してゆっくり学んでいけばいい。

明里は、恋愛もセックスもそう言うもんだと思うよと、笑顔で言ってくれた。
 そんな明里の優しさに感謝する。
「私なりに雑誌を見たりして、勉強はしたんだけど、男女のセックスについてばかりで、正直参考にならなくて、どうしようって、ずっと悩んでたの」
 女の子同士のセックスと男女間でのセックスでは、色々と違う。
 全く参考にならないとは言わないが、未経験の七海には参考にはならなかった。
「聖やここあにも相談出来ないし」
 二人共未経験者なので、さすがに女の子同士のセックスって、どうしたらいいの? とは相談出来なかった。

「早い娘は早いけど、七海位の年齢なら未経験の方が多いんじゃない」
 余程早熟でなければ、十代中盤の女の子で経験してる娘は、そんなには多くないと思う。だから何も心配しないで任せなさいと、慣れるまではお姉さんが教えてあげるからと明里が言ってくれて、七海は気持ちが本当に楽になった。

「私、明里が大好きだからファーストキスも処女も明里に捧げたい。だから、今日はお願いします」
 痛みや緊張。そして愛する人に抱かれる喜びから、きっと泣いてしまう。
 でも、明里ならきっと全てを理解して受け入れてくれる。
 だからもう何も不安はなかった。

「あの明里。エッチは夜がいいけど、き、キスは今してほ、欲しい……です」
 緊張から敬語になってしまった。
「わかった。七海目を閉じて」
「は、はい」
 七海が目を閉じるのを確認してから、明里はそっと七海の肩を抱く。
 びくんっと緊張からか、七海は普段しない様な動きをしてしまう。
 そんな七海の頭を撫でながら、明里はゆっくりと自分の唇を、そっと七海の唇に重ね合わせる。

温かくて、柔らかくて、気持ち良くて、そして明里の吐息を感じる度に、幸せな気持ちになってしまう。
 明里が、そっと唇を離す。
「どうだった? 私とのファーストキスは」
「気持ち良くて、蕩けてしまいそうで身体の力が抜けてしまいそうになった」
「それは良かった。いまは軽めのキスだったけど、エッチの時はもっと濃厚なキスだからもっと気持ち良くて蕩けるから、覚悟しておいてね」
 七海ははいと返事をしながら、きっと舌を入れてきて、お互いの舌を絡め合うディープキスってやつだよねと、経験してみたいと言う気持ちと、少し怖いなと言う気持ちの両方が入り混じりながら、明里にもう一度キスしてくださいとお願いしていた。

結局夕食までに、何度もキスをおねだりしてしまった。
 気持ち良くて、ずっとしていたい。
 明里は、七海は可愛いなと言いながら何度もキスをしてくれた。
 そんな明里に感謝しながら、やっぱり明里が大好きと再認識しながら、明里の横で夕食の準備を手伝っていた。
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