魔法少女は華麗に舞い散る

Cecil

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ネレイドの初恋

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普通の人間の女の子もいいけど、偶には魔法少女とも遊びたいなと、ネレイドは満足したのか、隣りで眠る少女を見つめている。
 ただの人間。
 庇護すべき存在なのはわかってはいるのだが、彼女を含めた多くの人間は、魔法少女がいるから生きて行ける事に、何一つ感謝をしていない。
 その事にアマルテアは怒っていた。

アマルテアの考えも理解は出来るが、自分も魔法少女じゃなければ、普通の女の子だったら、きっとダークメアに襲われて、自分が死ぬんだと、今まで魔法少女が陰ながら守ってくれていたのだと、その瞬間になるまではきっと気付かないのだろう。

だから、この娘を含めた多くの人間が魔法少女に感謝をしていない事は気にならない。
 この娘の様に自分と遊んでくれる存在がいるから、自分はこの千年を退屈しないで過ごせたのだから……

ネレイドは、アマルテアとアリエルにとっては妹の様な存在である。
 二人とは幼馴染で、魔法少女になる前から二人とは仲良く遊んでいた。
 無垢だった自分に性的な知識を与えてくれたのも、性的な悦びを与えてくれたのも二人だった。

だから、二人の夢を叶えてあげたいと、ネレイドは常に二人と行動を共にしてサポートをしてきた。
 子供が欲しいと思った事もあるが、元来の男嫌いなのもあってか、男とセックスする位ならと子供は諦めていた。

現代の魔法少女と一度でいいから関係を持ちたいな。
 そんな事を考えてしまう。
 自分の事を知ってる魔法少女はいないから、会いに行けば遊んでくれるかな?
 いきなりエッチは無理でも、遊ぶ位はしてくれないかな? とネレイドは現代の魔法少女で自分と趣味が合いそうな魔法少女を探す。

「あら、水晶なんて見てどうしたの?」
「アリエル。私、現代の魔法少女と遊びたいなって」
「それはいいわね。私は明里がいるし、アマルテアは陽菜ちゃん狙いだから、他の子ならいいと思うわよ」
 わかったと、ネレイドは再び水晶を見つめる。
 水晶に映っていたのは、ここあである。
 明るい性格で、誰からも好かれるここあなら、きっと自分と遊んでくれると、ネレイドはここあに会いに行く事にする。

遠くからここあを観察するが、いつも聖と陽菜といるので、声を掛けるタイミングが見つからない。
 出来れば陽菜と聖には知られずに、ここあとだけ会いたいのだが、いつも二人と行動をしているので、中々一人になるタイミングが見つけられずに、ネレイドはただ遠くからここあを見つめている。

今日も声を掛けられなかったと、ネレイドは溜息を吐きながら、水晶を見つめる。
「溜め息なんてついて、どうしたの?」
「アマルテア、今日も声を掛けられなかったから」
「そう言う事。いつもパイパンちゃん達と一緒だからね。一緒に暮らしてるし」
「どうしたらいいかな?」
 焦る必要なんてないんじゃないと、アマルテアはここあだって、一人で買い物に出掛けたりするでしょと、ネレイドの頭を撫でている。

アマルテアのアドバイス通りに、ここあが一人で出掛けるのを待っていると、ここあが一人で屋敷から出て来た。
 今だ! とネレイドは緊張しながらここあに声を掛ける。
「あ、あの、ちょっといいですか?」
「んにゃ? 誰かにゃ?」
 突然声を掛けられたのだが、声を掛けてきたのが自分より年下と思われる女の子だったので、ここあは笑顔でどうしたの? と優しく応対する。

ネレイドは、ずっと見ていましたと、一度でいいからお話ししたくてと、ここあを見つめる。
 何て綺麗な瞳をしているの? とここあは貴女の名前は? とネレイドに名前を聞いてきたので、ネレイドですと答える。
「珍しい名前にゃ。外国の人なのかにゃ。顔も可愛いし」
 ここあが可愛いと言ってくれた事が、余程嬉しかったのか、ネレイドは照れながらありがとうと恥ずかしそにしている。
 女の子とのエッチは大好きだが、意外と初心な所がある。
 それがネレイドと言う魔法少女だった。

ネレイドは、自分の魔力を隠しながらここあに、時間ありますか? とあるならお茶でもしませんか? と尋ねる。
「買い物に付き合ってくれるなら、構わないにゃ」
「だ、大丈夫です」
 ネレイドは是非お付き合いさせてくださいと、嬉しそうにここあについて行く。

「あらあら、本当に嬉しそうね」
「ネレイド、あの巨乳ちゃんに惚れたんじゃない?」
「それは素敵ね。ネレイドちゃんって、エッチはしても、心は開かない。ずっとそうだったから」
 二人は水晶でネレイドの嬉しそうな顔を見ながら、ネレイドは昔から身体の関係は持つけど心は開かないと、相手に自分を見せなかったから、これは期待出来そうねと可愛い妹を見つめている。

ここあの買い物は新しい下着の購入だった。また胸が成長したのか、最近ブラがきついんだよ~と、会ったばかりのネレイドにそんな事を言いながら、新しい下着を選んでいる。
「ここあさんは、大きいですもんね。やっぱり揉んでもらったりしてるんですか?」
「も、揉んでって、自分ではあるけど、こう見えてもまだ純潔だにゃ。そう言うネレイドちゃんはあるのかにゃ?」
「あります。生きて行くのには仕方ないので」
 急にネレイドの顔が曇った。
「どう言う事かにゃ?」
 ネレイドの表情が、急に曇ったのでここあはネレイドには、何か事情があるのではと早々に下着を選ぶと、ネレイドを連れてラブホへと入った。

何もしないから安心してと、喫茶店とかじゃ話し辛いかなってと、ここあは初めてラブホに入ったと、室内を見回している。
「だ、大丈夫ですし、ここあさんがしたいならしてもいいです」
「だ・か・ら、うちはまだ純潔にゃ」
 ここあはネレイドの隣に座ると、それで生きてく為に必要って、どう言う意味かにゃ?とネレイドを真剣に見つめる。
「言葉の通りです。私、お姉ちゃんみたいに慕ってる人が二人居て、でもお姉ちゃん達に迷惑掛けたくなくて」
 アマルテアとアリエルの事である。
 ネレイドは、昔から二人には迷惑を掛けたくないと、お金持ちのお嬢様を相手に身体を売ってはお金を稼いでいた。
 
二人からは、そんな必要ないと言われているのだが、ネレイドが二人の世話になりっぱなしなのが嫌だったから、でも見た目が中学生のネレイドでは、アルバイトなんて無理だと身体を売ってはお金を稼いでいたのだ。
「今すぐ辞めるにゃ。お姉ちゃん達は必要ないって言ってるんだから、もっと自分を大切にしないと駄目にゃ」
「でも、お金稼げないから」
「ネレイドにゃんは、まだ中学生位でしょ。絶対に駄目にゃ」
 ここあの言う事は当然である。ネレイドが千年も生きてるとは知らないし、見た目が幼いので、ここあはネレイドが心配で仕方なかった。

女の子の中には、遊ぶお金欲しさに身体を売る女の子もいる。
 所謂援助交際をする女の子もいるが、ネレイドは違う。
 お姉ちゃんと慕ってる人に迷惑を掛けたくないと、身体を売っている。
 その事が、ここあには理解出来ないし許せなかったのだ。
「絶対に辞めるにゃ。約束するまで帰さないにゃ」
 思った通りで、とても優しい女の子だとネレイドは、最初はただ話してみたかった。あわよくば関係をと考えていたが、ここあだけは他の女の子の様に扱ってはいけないと、そう思い始めていた。

「ネレイドにとって、あの巨乳ちゃんはいい薬になるかもね」
「そうね。ネレイドちゃんの身体目的で近づいて来てた女の子とは、明らかに違うし、初めて会ったのに、本気で心配してるわ」
 現代の魔法少女も捨てたもんじゃないねと、アマルテアはここあになら、ネレイドを任せてもいいかもねと、アリエルもアマルテアの意見に同意する。

ネレイドは、元来大人しい女の子でとても心の優しい女の子である。
 二人もそれをわかっているから、ネレイドには戦いには参加させたくないと、今まであまり戦いには参加させていない。
 ネレイドには、ネレイドの人生を歩んで欲しいと、そう二人は願っている。
「でも、明里達が辿り着いたらネレイドがこっちの魔法少女だって、巨乳ちゃんは気付くわけだから」
「そうね。その時にここあちゃんは、ネレイドちゃんをどう思うのかしら」
 聖達が月の生まれた場所を見つけて、そこに辿り着けば、嫌でもご対面である。
 そうなれば、ネレイドが魔法少女だと気づいてしまう。
 その事を懸念したアマルテアは、ネレイドにどうするの? と今魔法少女だと伝えるのかと、ネレイドに話し掛ける。

(アマルテア? どうしたの?)
(ここあだっけ、その娘を気にいったんでしょ。なら正直に魔法少女だと伝えるのか、それともバレるまで隠すのか。それが気になってね)
 アマルテアは、いずれはバレてしまうのだから、早い段階で伝えるべきだと、自分達がここあの敵になる可能性があると、それも伝えた上で、ここあとの関係を深める方がネレイドの為だと伝える。
(わかってるけど、でも伝えてここあが会ってくれなくなったら)
(ネレイドちゃん。ネレイドちゃんは、ここあちゃんが好きになったのね?)
 今度はアリエルが話し掛けてきた。
(多分。とってもいい娘だから)
 ちゃんと恋なんてした事なかったから、ネレイドにはこれが恋なのか、それとも違う感情なのかはわからない。
 今までは、お金の為に関係を持っていただけ、そこに感情はなかった。
 ただお互いに楽しむ。
 それだけだったから、ここあに対する自分の気持ちが恋なのかわからない。

悩むネレイドに、アリエルはそれは恋よとだから、正直に伝えないと、今は無理でも彼女が辿り着く前には、しっかりと話しておかないといけないと、そう伝えると後は自分で考えなさいと、会話を打ち切った。
「ネレイドどうしたのかにゃ?」
 急に黙ってしまったネレイドを、ここあが心配そうに見ている。
「何でもないの。ここあさんは、私が身体を売るの辞めたら嬉しいですか?」
「もちろんにゃ。会ったばかりだけど、ネレイドにゃんは、ここあのお友達にゃ」
「お友達……そうですよね」
「ネレイドにゃん?」
 会ったばかりで、恋仲になんてなれないよねと、ネレイドは何でもないですと、ここあが自分の裸を見てくれるなら、これからも自分を見てくれるのなら、もう二度と身体は売りませんと、だから見てくださいとここあにお願いする。

いきなりそんな事を言われたここあは、戸惑いながらも、見たら身体売らない? とネレイドに確認する。
「約束します。だから見てください」
 裸を見せると言う事は、魔法少女の証である刻印を見せると言う事でもある。
 ネレイドは、今は全ては話せないけど魔法少女である事だけは、ここあに解って欲しかった。
 そして、自分は敵なんかじゃないと、争いを望まないネレイドは、現代の魔法少女と争う事には反対していた。
 反対しているが、アマルテアからは最悪争う事になると言われていた。

ここあだけは、ここあとだけは戦いたくない。
 彼女が傷つく姿なんて、絶対に見たくない。
 
ネレイドは、ゆっくりと服を脱ぐと自分の全てをここあに曝け出した。
「ネレイドにゃん……魔法少女なの?」
 年齢相応の身体には、まだ成長の途中と思われる乳房には、しっかりと魔法少女の証である刻印が刻まれていた。
 ここあは敵なの? と警戒する。
「ここあさん。私は敵ではありません。ここあさんとだけは争いたくありません」
「ネレイドにゃん。ちゃんと説明して欲しいにゃ」
「嫌いになりました? 私は、私はただここあさんとお友達になりたかっただけ」
 だから全てを見せたと、ネレイドは俯きながら、自分は魔法少女だけどここあとは争うつもりはないのだと、本当にここあと仲良くなりたかっただけと、疑うなら攻撃してもいいですと、抵抗はしませんと両手を広げて仁王立ちする。

ここあは、ネレイドの言ってる事は本当なの? と本当に抵抗しないなら、ネレイドは敵ではないと、ごめんねと言うとネレイドに攻撃を仕掛ける。
 どの位の時間攻撃していたのか、ボロボロになりながらも、ネレイドは一度も抵抗しなかった。
 ただひたすらにここあの攻撃を受け続けては、信じて貰えるならと、信じるまではいくらでも攻撃してくださいと、無抵抗でやられるだけだった。

「ネレイドちゃんは、本気で好きになったのね。現代の魔法少女とは、一度は争う事になるのに」
「仕方ないよ。きっと私達の考えは、今の魔法少女には伝わらないから」
「ネレイドちゃんが、可哀想だわ。あんなになってまで、ここあちゃんに信じて欲しいと願ってるのよ」
 争いは避けられないの? とアリエルがアマルテアに聞くが、アマルテアは一度は絶対に争う事になると、考えを変えなかった。

「ここあ……さん。私は、ここあさんが……好きだから……信じて欲しい」
「ネレイドにゃん。わかったにゃ」
 ここあは、攻撃を止めると信じるからと酷い事をしてごめんねと、ネレイドに回復魔法を掛ける。
 回復魔法は、あまり得意ではないが自分が傷つけてしまったので、ゆっくりと慎重に回復を施す。
 ネレイドは、現代の魔法少女より遥かに頑丈なので、放って置いても自然治癒するがここあの気持ちが嬉しくて、そのまま回復を施して貰う。

回復を終えると、ここあはネレイドにある事を質問する。
「さっき好きって言ってたにゃ。それはそう言う意味かにゃ? それとネレイドにゃんはどうしてうちを知ってるのかにゃ?」
 ネレイドは一つ一つ答えていく。
「好きは、そう言う意味だと思います。今まで人を好きになった事がないので、でも今まで感じた事がない感情ですから」
「それは嬉しいけど、先ずはお友達からでいいかにゃ?」
「はい。でも約束通りに私を見てください」
 ここあが約束したから守るにゃと言うと、ネレイドは、ここあを知っていた理由を話した。
「水晶で見てました。お姉ちゃんが持ってる水晶は、魔法少女を探知出来るから、それでここあさんを知って、それからは毎日ここあさんを見てました」
 毎日声を掛けたいと、ずっと見ていたと正直に話すとここあは、これからはいつでも声を掛けたらいいにゃと、自分のスマホを取り出すと番号を教えてくれた。

ネレイドは嬉しそうに、自分のスマホにここあの番号を登録すると、ここあに私の裸綺麗ですか? と不意打ちの質問をする。
「き、綺麗にゃ。ずっと見てたいにゃ」
「なら、今日はずっと一緒にいてくれますか?」
「し、仕方ないにゃ。聖に連絡だけするから待っててにゃ」
 そう言って、聖に連絡するここあを見つめながら、ネレイドはここあだけは自分が守るんだと強く想いながら、ここあの背中を見つめていた。
 
自分が千年も生きてるとは、アマルテアの仲間だと言う事だけは、まだ伝える勇気がなくて、ただここあを見つめながら、ちゃんと話すから、今だけはこの幸せを享受させてとネレイドは、ここあとのお風呂を楽しんでいた。
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