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はぁ~。
あいつら。めんどくせーから店来んなってんだよ。
従業員だし、大事な店だから、無下な対応も出来ない。あいつらも一応客だからな。
だが面倒なのは面倒だ。外に逃げて来たのに、ついて来んなっての……。
自分が蒔いた種でもあるから、自業自得な所が余計にムカつく。
俺は、高校ん時にだいぶ遊んで、やりたい放題だった過去がある。黒歴史だ……。
親が会社やってて金持ってるとなると、まあ金目当ての奴らが集まって来るわな。
楽しい事だけをひたすら追い求めて、金目当てと分かってても、来る者拒まず、寄ってくる奴らと遊びまくってた。
恋人ごっこみたいなこともして女も、男も。言い寄って来るやつみんなとやりまくって、片っ端から食いまくった。
カネ目当てで寄って来てるのがあからさま過ぎて、誰にも本気にならなかったけどなー。
今は男にしか触手は動かねえ。
けど、中にはめんどくさい奴がちょいちょいいて、彼氏持ちだったり、ストーカーっぽくなられたり。
その度に、じいちゃん頼って、助けてもらって、本当にくだらない迷惑ばっかりかけた。
見捨てられなくて良かったよ。今はホント頭が上がらない。
それもこれも、親に反抗しての事なんだけど。
今振り返ると行動がガキ過ぎて恥ずかしくなるよな……。
両親は気持ちが良いほどに、子どもは会社の為に尽くすべき!
と、そろってそう考えている。そして会社繁栄の為に、喜んでその身を捧げるべきだと。
そんな考えが蔓延る家で、兄貴は親が言う道をそのまま、当たり前の様に進んで行った。
そんな家族が怖かったんだ。
だって俺は俺だろ!会社も大事だけど俺だって自分の人生を生きたい!
自分の考えを持っちゃいけないのか?会社じゃなくて、俺も見て欲しい。
そこで行き着いた考えが。
親のカネを使いまくって遊んでやる。迷惑かけて、問題を起こして、俺に目を向けさせて、思い知らせてやる!だった。
一応大学にはちゃんと合格してやった。
もうその頃は、家に帰らず、ずっとじいちゃんの所に居付いてたけど。生活はまだ相変わらずだった。
でも、ちょこちょこ、じいちゃん家に世話になる代わりに店を手伝ってたら。
店の居心地の良さ、お客さんの満足して見せる笑顔。
「美味しかったよ」とか「ありがとう」とか。そんな些細なやり取りが、俺の中の虚しさを埋めてくれて、スーッと冷静になれた。
誰かの心を、俺も美味い料理で溶かしたい。
そして、じいちゃんの様なオトコになりたい。
人生にやっと親に酬いる事じゃ無え、自分の目標ができた。
そして、すぐ「料理人になりたい!修行させてください!」とじいちゃんに弟子入りし、今に至る訳だ。
大学在学中に、料理人なる為の資格も受かった。
途中で投げ出すな。と、じいちゃんとの約束通り、ちゃんと大学も卒業して、今は従業員として甘える事なく、しっかり働いているつもりだ。
じいちゃんから、まだまだ沢山教えてもらいたい事があるし、今までの俺の行いを払拭して、真剣である事を見せなければ、弟子として信用してもらえないと、がむしゃらに頑張って、信頼回復に努めてきた。
今では、仕込みも少し任せてもらえる事が増えたし、挽回出来ていると信じている。
急に遊ばなくなった俺に、周りが見切りをつけるのは早かった。まぁ金だけの繋がりだったから、なんとも無えけど、でもたまーに、まだ昔のノリでからんでくる奴らがいる。
過去の自分を、マジでどうにかしてやりたくなるな。
いいかげんさぁ。
早く帰ってくれねぇかな~。ほんとウザっ。この女だれ?俺知らないんだけど。
勝手にくっついて来やがって、香水もくっせーし。
あぁ~癖っ毛美人さんに癒されてーわ。
あいつら。めんどくせーから店来んなってんだよ。
従業員だし、大事な店だから、無下な対応も出来ない。あいつらも一応客だからな。
だが面倒なのは面倒だ。外に逃げて来たのに、ついて来んなっての……。
自分が蒔いた種でもあるから、自業自得な所が余計にムカつく。
俺は、高校ん時にだいぶ遊んで、やりたい放題だった過去がある。黒歴史だ……。
親が会社やってて金持ってるとなると、まあ金目当ての奴らが集まって来るわな。
楽しい事だけをひたすら追い求めて、金目当てと分かってても、来る者拒まず、寄ってくる奴らと遊びまくってた。
恋人ごっこみたいなこともして女も、男も。言い寄って来るやつみんなとやりまくって、片っ端から食いまくった。
カネ目当てで寄って来てるのがあからさま過ぎて、誰にも本気にならなかったけどなー。
今は男にしか触手は動かねえ。
けど、中にはめんどくさい奴がちょいちょいいて、彼氏持ちだったり、ストーカーっぽくなられたり。
その度に、じいちゃん頼って、助けてもらって、本当にくだらない迷惑ばっかりかけた。
見捨てられなくて良かったよ。今はホント頭が上がらない。
それもこれも、親に反抗しての事なんだけど。
今振り返ると行動がガキ過ぎて恥ずかしくなるよな……。
両親は気持ちが良いほどに、子どもは会社の為に尽くすべき!
と、そろってそう考えている。そして会社繁栄の為に、喜んでその身を捧げるべきだと。
そんな考えが蔓延る家で、兄貴は親が言う道をそのまま、当たり前の様に進んで行った。
そんな家族が怖かったんだ。
だって俺は俺だろ!会社も大事だけど俺だって自分の人生を生きたい!
自分の考えを持っちゃいけないのか?会社じゃなくて、俺も見て欲しい。
そこで行き着いた考えが。
親のカネを使いまくって遊んでやる。迷惑かけて、問題を起こして、俺に目を向けさせて、思い知らせてやる!だった。
一応大学にはちゃんと合格してやった。
もうその頃は、家に帰らず、ずっとじいちゃんの所に居付いてたけど。生活はまだ相変わらずだった。
でも、ちょこちょこ、じいちゃん家に世話になる代わりに店を手伝ってたら。
店の居心地の良さ、お客さんの満足して見せる笑顔。
「美味しかったよ」とか「ありがとう」とか。そんな些細なやり取りが、俺の中の虚しさを埋めてくれて、スーッと冷静になれた。
誰かの心を、俺も美味い料理で溶かしたい。
そして、じいちゃんの様なオトコになりたい。
人生にやっと親に酬いる事じゃ無え、自分の目標ができた。
そして、すぐ「料理人になりたい!修行させてください!」とじいちゃんに弟子入りし、今に至る訳だ。
大学在学中に、料理人なる為の資格も受かった。
途中で投げ出すな。と、じいちゃんとの約束通り、ちゃんと大学も卒業して、今は従業員として甘える事なく、しっかり働いているつもりだ。
じいちゃんから、まだまだ沢山教えてもらいたい事があるし、今までの俺の行いを払拭して、真剣である事を見せなければ、弟子として信用してもらえないと、がむしゃらに頑張って、信頼回復に努めてきた。
今では、仕込みも少し任せてもらえる事が増えたし、挽回出来ていると信じている。
急に遊ばなくなった俺に、周りが見切りをつけるのは早かった。まぁ金だけの繋がりだったから、なんとも無えけど、でもたまーに、まだ昔のノリでからんでくる奴らがいる。
過去の自分を、マジでどうにかしてやりたくなるな。
いいかげんさぁ。
早く帰ってくれねぇかな~。ほんとウザっ。この女だれ?俺知らないんだけど。
勝手にくっついて来やがって、香水もくっせーし。
あぁ~癖っ毛美人さんに癒されてーわ。
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