やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち

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愚かな男の愚かな行動(デイビット視点)

「デイビット!! あなた、王宮の夜会でローレン伯爵家のお嬢様に暴行したんですって!? 何てことを……!」

 ダンスを踊ろうとしてシャルロットの腕をつかんだことが母上の耳に入ってしまった。
 最近はお茶会にも呼ばれていないのにどこで知ったんだ!?

「暴行だなんて大袈裟な……。ただシャルロットとダンスを踊ろうとしただけですよ? 彼女の周りに人が多かったから、引き寄せようとして腕を掴んではしまいましたけど……」

「レディの腕を掴んで引く紳士がどこにいますか! それは立派な暴行よ! そのせいでローレン嬢の腕には痣がついてしまったそうじゃないの!」

「シャルロットに傷が? なら責任をとって妻にもらえば……」

「どこの世界に自分に暴行した男のもとに嫁ぐ女がいるというの!? それにそんな乱暴な男のもとに娘を嫁がせたい親なんているわけないでしょうが!」

 暴行だの乱暴者だの実の息子にかける言葉じゃない。
 母上はいちいち騒ぎ過ぎだ。こんなのただのじゃないか?

「だいたい! どうして貴方は執拗にローレン嬢につきまとうの!? 我が家の恥よ!」

「恥だなんてひどいです母上! シャルロットは僕の妻なんですよ!?」

 母上は僕を信じられないものを見るような眼で見た。

「どうして縁談すら断られた令嬢のことを妻扱いするの……? 貴方、おかしいわよ……」

「おかしいのは今のこの状況なんです! 本当ならシャルロットとはすで夫婦になってるはずなのに……おかしい……何でだ……」

 前の人生ではすでにシャルロットは僕の妻になってたんだ。
 なのにどうして今の人生では断られる?

 あ! もしかしてシャルロットにも僕と同じように前の人生の記憶があるのか!?

 それであのことを怒っているとか……? そうだ、そうに違いない!

「シャルロットのところに行って謝ってきます。そうすれば仲直りできすはず……」

「おやめなさい! 令嬢が暴行した貴方と会いたいわけないでしょうが!? わたくしが代わりにローレン伯爵家に謝罪しに行きますから貴方はなにもしないでちょうだい!」

「そんな!? ひどいです母上!」

「ひどいのは貴方の頭よ!! とにかく、絶対にローレン伯爵家に行ってはなりません! もし行くのならわたくしの生家よりの援助を止めますからね!」

 僕の言い分など全く聞かず、暴言を吐いた母上はそのままローレン伯爵家に行ってしまった。

 母上が行くよりもシャルロットの未来の夫である僕が迎えに行った方が喜ぶのに……。

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