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低階層 編
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帰ってきた二人はまず交代でシャワーを浴び、身綺麗にすると食事を摂った。その中で今後のダンジョンフォーミングについて話をした。
「今できる選択肢はどうやら2つある。畑を作るか、森を作るかだそうだ。」
魔本を見ながらそういうと、シェリーは森を希望してきた。
「主人様の役に立てると思うのですが森を選択した場合は生き物も作ることはできますか?」
湖を選択した際に水生生物を選択できたことから、森を選んでも選べる可能性は高い。そう告げると恍惚とした表情でシェリーは森でお願いしますと伝えてきた。
「特にまぁこだわりもないし、では森を作ろうか」
そう言って魔本から森と野生生物を選択すると地鳴りが再びやってきた。今回は長いなーと思いながら揺れをやり過ごしていると、その場にいたシェリーは居なくなっていた。
「俺が見えなかった…だと?」
頬がひきつるのを感じながら家の外にでるとシェリーが何やらやっている。
「シェリー?何をしているんだ?」
空中に弓と矢筒を浮かべ、その周りにかなり複雑な立体型魔法陣を書いているシェリーはうっとりとした顔をしながら聞き取れない言葉を紡いでいた。
その様子に邪魔するのもまずいと思った俺は事が終わるのを静かに見守っていることにした。
そうして魔法陣が回転を始め、光を発し出すとシェリーの紡いでいた言葉が終わりを迎えた。
「主人様、見ていてください!」
光が爆発したその場所には弓と矢筒を肩にかけたゴブリンがいた。恭しく片膝をつき、頭を垂れている。
「主人様、新しい主人様の配下でございます。」
シェリーがそう言うとゴブリンは直立し俺に向かって敬礼をした。
「ゴブゴブゴブゴブ!」
なんて言ってるかわからんが、よろしくお願いしますと伝えて来たのはわかった。意味はわからないが、本質は伝わるという稀有な経験をしているが、これもシェリーの力で呼び出した配下だからだろうか。
「シェリーありがとう。これで仲間が3人になったな。」
シェリーにお礼を言うと、ゴブリンアーチャーが急に泣き出した。
「ゴブ、ゴ、ゴブブ!ゴブブゴブ!」
鼻水を拭きなさい鼻水を。どうやら仲間扱いしてもらえたのが嬉しいと伝わってくるのだが、そんだけ喜んでくれるのであればこちらとしても嬉しい。
「ヨイチ、と名付けるからこれからはヨイチと呼ばしてもらってもいいかな?」
いつまでもゴブリンアーチャーと呼ぶのは長いから名前を与えてみると、ゴブリンアーチャーの身体が突然光りだした。
「シェリー!?これなに?大丈夫なの?」
慌ててシェリーに問いかけると、サングラスをかけて光のほうを見ていた。おぉいぇ何処から出したしそのサングラス。
「主人様には驚かされてばかりです。忠誠度が上がっていたとはいえ、いきなり名付けを行い、あまつさえその結果存在を作り変えてしまうとは。」
そう言うとサングラス越しにうっとりとした顔で俺の尻を見ているシェリーから尻を隠し、光が収まったヨイチのほうを見た。尻は隠しながらだ。
「あるじさま、ありがとうございます。ヨイチはしゃべれるようになりました。」
光が収まった後に居たのは少し背が伸び、若干美形になったヨイチであった。言葉は辿々しいが、きちんと喋れている。
「おぉー!ヨイチ!凄いなぁ!ってかこれで楽に意思疎通ができるな!」
あまりの興奮にヨイチの手を取りブンブン振り回すとヨイチは畏れ多いと一歩下がって跪いてしまった。
「おそれおおくも、あるじさまのためにはたらきたくおもいます。」
跪きながら、俺の為に働きたいと言う。なんて可愛いやつだ。
「それではヨイチ、湖のほとりに見える広大な森が見えるか?そこには野生の動植物や魚がいる。私と主人様の為に狩をするのだ」
シェリーがそう言うと、ヨイチはわかりましたと言って森へと走っていった。
「無理するんじゃないぞー?何がいるかわからんからなー!」
ヨイチへと向けてそう叫ぶとヨイチはこちらを振り向き一礼して森へと再び走って行った。
「これで主人様の食事に彩りが増えることと思います。良かったですわ」
シェリーはそういうとサングラスを胸の谷間に放り込んだ。ヌルッと入ったよ?何処に繋がってるの?
「ありがとうシェリー。仲間と食事とを与えてくれて。これからも攻略を頑張らないとなぁ」
一人でなくなることに喜びを覚えながら次の階層以降も気合いいれていこうと決意を新たにした。
「今できる選択肢はどうやら2つある。畑を作るか、森を作るかだそうだ。」
魔本を見ながらそういうと、シェリーは森を希望してきた。
「主人様の役に立てると思うのですが森を選択した場合は生き物も作ることはできますか?」
湖を選択した際に水生生物を選択できたことから、森を選んでも選べる可能性は高い。そう告げると恍惚とした表情でシェリーは森でお願いしますと伝えてきた。
「特にまぁこだわりもないし、では森を作ろうか」
そう言って魔本から森と野生生物を選択すると地鳴りが再びやってきた。今回は長いなーと思いながら揺れをやり過ごしていると、その場にいたシェリーは居なくなっていた。
「俺が見えなかった…だと?」
頬がひきつるのを感じながら家の外にでるとシェリーが何やらやっている。
「シェリー?何をしているんだ?」
空中に弓と矢筒を浮かべ、その周りにかなり複雑な立体型魔法陣を書いているシェリーはうっとりとした顔をしながら聞き取れない言葉を紡いでいた。
その様子に邪魔するのもまずいと思った俺は事が終わるのを静かに見守っていることにした。
そうして魔法陣が回転を始め、光を発し出すとシェリーの紡いでいた言葉が終わりを迎えた。
「主人様、見ていてください!」
光が爆発したその場所には弓と矢筒を肩にかけたゴブリンがいた。恭しく片膝をつき、頭を垂れている。
「主人様、新しい主人様の配下でございます。」
シェリーがそう言うとゴブリンは直立し俺に向かって敬礼をした。
「ゴブゴブゴブゴブ!」
なんて言ってるかわからんが、よろしくお願いしますと伝えて来たのはわかった。意味はわからないが、本質は伝わるという稀有な経験をしているが、これもシェリーの力で呼び出した配下だからだろうか。
「シェリーありがとう。これで仲間が3人になったな。」
シェリーにお礼を言うと、ゴブリンアーチャーが急に泣き出した。
「ゴブ、ゴ、ゴブブ!ゴブブゴブ!」
鼻水を拭きなさい鼻水を。どうやら仲間扱いしてもらえたのが嬉しいと伝わってくるのだが、そんだけ喜んでくれるのであればこちらとしても嬉しい。
「ヨイチ、と名付けるからこれからはヨイチと呼ばしてもらってもいいかな?」
いつまでもゴブリンアーチャーと呼ぶのは長いから名前を与えてみると、ゴブリンアーチャーの身体が突然光りだした。
「シェリー!?これなに?大丈夫なの?」
慌ててシェリーに問いかけると、サングラスをかけて光のほうを見ていた。おぉいぇ何処から出したしそのサングラス。
「主人様には驚かされてばかりです。忠誠度が上がっていたとはいえ、いきなり名付けを行い、あまつさえその結果存在を作り変えてしまうとは。」
そう言うとサングラス越しにうっとりとした顔で俺の尻を見ているシェリーから尻を隠し、光が収まったヨイチのほうを見た。尻は隠しながらだ。
「あるじさま、ありがとうございます。ヨイチはしゃべれるようになりました。」
光が収まった後に居たのは少し背が伸び、若干美形になったヨイチであった。言葉は辿々しいが、きちんと喋れている。
「おぉー!ヨイチ!凄いなぁ!ってかこれで楽に意思疎通ができるな!」
あまりの興奮にヨイチの手を取りブンブン振り回すとヨイチは畏れ多いと一歩下がって跪いてしまった。
「おそれおおくも、あるじさまのためにはたらきたくおもいます。」
跪きながら、俺の為に働きたいと言う。なんて可愛いやつだ。
「それではヨイチ、湖のほとりに見える広大な森が見えるか?そこには野生の動植物や魚がいる。私と主人様の為に狩をするのだ」
シェリーがそう言うと、ヨイチはわかりましたと言って森へと走っていった。
「無理するんじゃないぞー?何がいるかわからんからなー!」
ヨイチへと向けてそう叫ぶとヨイチはこちらを振り向き一礼して森へと再び走って行った。
「これで主人様の食事に彩りが増えることと思います。良かったですわ」
シェリーはそういうとサングラスを胸の谷間に放り込んだ。ヌルッと入ったよ?何処に繋がってるの?
「ありがとうシェリー。仲間と食事とを与えてくれて。これからも攻略を頑張らないとなぁ」
一人でなくなることに喜びを覚えながら次の階層以降も気合いいれていこうと決意を新たにした。
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