ソナウ先生の愉快な教室

美山 毛先

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前期末考査 4

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 階段を降りるとそこは舞踏会でもできそうなホールだった。

「客間や控え室の後がホールって普通の造りかしら?」
 シェリーが不思議そうな顔をして首をかしげていた。

 広々したホールに鬼火が灯り、半透明な幽霊達が現れた。

「こんどはゴーストって」
ケイトはそう言いながら短杖を器用にくるくると回してビュンと真っ白な棍を作り出す。

「…突貫」
 言うが早いかアナが地面を陥没させるほどの爆音と共に飛び出しゴーストを物理的に殴って魔石と煙に変えていった。

「…ゴーストとはあやつは相性が悪いとおもっておったがな」
クーロが銃を構えようとしながら呟いた。

「あの様子では私達の出番は無さそうですわね」
 シェリーは頬を引きつらせながらため息と共に肩を落とした。

 そこには嬉々とした顔で殴り、蹴りながら縦横無尽にゴースト相手に物理で立ち向かうアナの姿があった。
 棍をクルクルと手持ち無沙汰気味に回していたケイトも、不思議そうな顔をしている。

「アナって付き合い長いけど未だにわからないよね~」
 手持ち無沙汰過ぎて棍を曲芸のように回し始める始末である。
 10分も経たないうちに辺りにいたゴーストは一体も見えなくなった。アナの周りにはきらきらひかる魔石や、ローブ、杖などが散乱していた。

「ま、ん、ぞ、く」
 アナは得意げに残心を決めながらほぅと息を吐いた。

 辺りにたちこめる白い煙をみんなで吸収しながらドロップの回収をしているときに、シェリーがアナに問いかけた。

「何の魔法をエンチャントして殴ってらしたの?」
「ん?何も?」
 シェリーの問いかけに不思議そうな顔をしながらアナが答えた。

「え?だってゴーストですわよ?精神体の魔物には物理的な攻撃は効きませんわよ?」
 シェリーが慌てて説明した。

「アナはアナだから」
 詰め寄ってくるシェリーをひらりとかわしながら、ふふふーんと鼻唄を歌いアナはそう言い切った。

「ひ、非常識ですわ…」
シェリーはその場でそう呟くのが精一杯であった。



そこから幾度かのホールや廊下などを通ったが、基本的には一本道の為迷わずに次のセーフゾーンへとたどり着いた。

 城の中とは思えないが、泉と大きな実のなっている木、ふっくらとした芝生があるセーフゾーンである。

「城の廊下を抜けると、そこは芝生だった。」
 ケイトが様相の変わりように少々面食らっていた。

 突入してから体感時間で6時間程がたっていたので、今日はこのままここで野営をすることになった。
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