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第一章 ー魔王と出会い編ー
第21話 ―魔王とミリア―
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「…姫様は大丈夫だろうか」
ミリアが後方のファーブル砦を振り返る。
その隣ではラースが退屈そうに歩いていた。
「じきにクロウが帰ってくるだろ。そしたら少しは状況も分かる」
二人は今、白竜帝国軍の過ぎていった進路を逆に辿っている。
敵軍の補給線の確認といつ来るかもわからない白竜帝国の援軍を確認するためだ。
他にも数人がそれぞれ別ルートで同じ任務にあたっている。
ラースのみであれば今頃国境線までたどり着いている筈だがミリアも同行し、かつ彼女がラースに抱き抱えられての運搬を拒否したため、馬による移動となっていた。
因みに現在馬に乗っているのはミリアのみでありラースは自分の足で歩いている。
乗馬などできないラースの為にミリアの後ろに乗っていたのだが背後からのセクハラで蹴落とされていた。
「…と、噂をすればだな」
上空から真っ黒な翼が降りてくる。
クロウはいつもの定位置に止まるとミリアの懇願で偵察に行っていたファーブル砦での戦況を説明した。
「…というわけで今の所、五分五分の戦いとなっております。王国軍の魔術師部隊により敵の主力である重装歩兵をあしらっておりますのでまず敗北はないかと思われます」
「そうか…虎の子の魔術師隊をもう出したのか」
魔術師隊はファーニア王国軍において戦況の鍵を握っている部隊である。
打撃力こそ他の部隊に劣るものの臨機応変に対応できる攻撃手段は敵の意表を突くのにもってこいなのだ。
連合国が出来る前、他国に囲まれている状況で少ない兵力で自国を守れてきたのはこの部隊があったからに他ならない。
「それにしても驚きましたな。この時分にあれだけの数の攻撃出来る魔術師を揃えるとは」
珍しくクロウが自分から口を開くのはやはり魔法絡みだからだろうか。
「武具の進化や白竜帝国の出現で魔術は一気に戦場から駆逐されたからな。わが国のように魔術師で部隊を作っているのは珍しいかもな」
かつては魔術も戦争によく使われていた。
むしろそれは主力だった時代があった。
各国は優秀な魔術師の排出に明け暮れ、軍ではいかに広範囲で効率良く魔術を使うべきかが大いに議論された。
だが、白竜帝国の出現によりこれが覆される。
帝国は魔術を主力とせず、飛竜による奇襲と圧倒的な兵力で間断なく軍を操り魔術師達を倒していったのだ。
各国の軍と魔術師は勿論抵抗したが、個人才能に依存するためにどうしても人数が少ない魔術師と一度使用した後に生じるインターバルのため大軍に対処しきれなかったのだ。
拡大を続ける白竜帝国の侵略に対抗するため各国は魔術師よりも誰もがなれる兵士を育てた。
結果、現在では魔術師、特に攻撃系の魔術を扱うものは激減しているのである。
「ほーそうなのか…」
魔術師談義で盛り上がる2人に興味のないラースは適当に相槌を打つ。
そんな様子を見たミリアはふとした疑問を投げかけた。
「…ラースはこの後どうするんだ?」
「決まってるだろ。ミリアと元気になったフィリオナをオレ様に惚れさせて毎日寝れない夜を」
「すまん、質問が悪かった。もっと後の話だ。姫様と約束されたのはこの騒動が終わるまでだろう?報酬の件はともかくその後はどうするつもりなのだ?」
ミリア個人としてはフィリオナに害なす前に抹殺したいところだが、当のフィリオナが許してくれないだろう。
「うん?そうだな…美女を求めてあちこち回ってみるかな」
ラースはあまり深く考えていない。
ミリアフィリオナを見つけた時のように噂を頼りに美女を探してはものにしていくつもりだった。
「…世界征服などと言い出さないのか?」
ミリアも知っている御伽噺に出てくる魔王は必ずこれを口にする。
勇者と魔王の出てくる御伽噺は何種類もあるがこれはお約束だった。
「そんなことをしても楽しくないだろ。やはり女は自分の手でおとさなければ」
当たり前のことだろう?とラースは答えた。
どこまでもぶれない男ではある。
「…姫様はなぜこんな男を…」
不意に呟くミリアの上に影が落ちた。
それは一気に大きくなりミリアとその下にいる馬を覆う。
「飛竜だっ!」
「いらんこと言ってないで避けろ馬鹿者!」
上空に現れた影は2人を確認すると一気に急降下。
そのまま飛竜の強靭な脚による一撃を見舞った。
間一髪でミリアを抱えて回避したラースは現れた飛竜にとその背に乗る竜騎士を睨む。
…これだけ激しく動いているのに彼の肩のクロウは微動だにしていない。
「白竜帝国の斥候か!?もうこんな所まで来ているとは…!」
「ちっ、こんな所に妙な二人組と思ったが片方はファーニアの騎士かよ」
竜騎士は手に持った槍を二人に突きつける。
「悪いが今日でファーニアお仕舞いだ。逆らう奴は皆殺しだが…」
兜の下からでも解る程ネットリとした視線をミリアに投げる。
「オレらに忠誠を誓うってなら優しくしてやるぜぇ?」
これにはミリアもげんなりである。
「…まったく、自称魔王といい男というのはどうしてこうも品がないのか…」
「おい!オレ様はこんな下品ではないぞ!」
ラースの腕の中から降りると、ミリアはゆらりと殺気を放ち始める。
それを察知した竜騎士は、飛竜を駆り上空へと登る。
「はっ!ノーってことか。なら用はねぇ!」
急降下と共に槍による一撃を加えようと体勢を整えたところで突風に見舞われる。
彼は再び体勢を整えるがそのたびに謎の突風が襲ってくる。
地上ではラースがその姿をニヤニヤと見守っていた
「くっ、なんだこりゃ」
飛竜がよろめく程の突風だ。
一度ならまだしもこんな連続して巻き起こるなんて普通ではない。
「魔術師か!?…詠唱している素振りはないようだが」
吹き荒れる突風。
慌てて体勢を整える。
竜騎士といっても飛竜から落ちてしまえば普通の兵士と変わらない。
地上ではラースが竜騎士に向けて扇ぐように手を上下に振っている。
それ程素早い動きではない。
手首から指先の力を抜き、波打つようにぐにょんぐにょんと動かしている。
「…何をしているんだ?」
敵兵を目の前に遊んでいるだけに見えるラースに我慢出来なかったミリアは尋ねた。
ニヤニヤしているラースの代わりに答えたのはクロウだ。
「ラース様は現在魔法で突風を起こしているのです!」
「ま、ほう…?魔術とは違うのか?」
「魔法とは、ラース様のように溢れ出るほどの魔力を持った状態で目的を持った何かしらの動きをする事で周囲の精霊達が手を貸すことで発生する事象なのです。
魔術は陣や呪文を用いて魔力の抽出から用途までを細かく制御したものを指します」
そう説明されてもそもそも魔術にも縁のないミリアにはいまいちピンと来ない。
「方法はともかく、今ラースがあの竜騎士を攻撃しているのだな?」
「そういうことです。もっとも、攻撃というよりは遊ばれているようですが」
クロウの言葉を肯定するようにラースは楽しそうに呟く。
「右~左~あ、突撃はダメダメだ~」
よくわからない攻撃を受ける竜騎士は徐々に体力を削られていた。
彼からしてみれば魔法による攻撃を受けていると思いつくはずもなく、詠唱を行っている様子もないことから何らかの魔術具を使っているものと推測した。
「くそ、仕方ねぇ。引き上げだ」
飛竜は再度上昇し突風が襲ってこない内に西の空へ去っていった。
「…行ったか?」
「ククク、そのようだな」
竜騎士は居なくなったが、その襲撃のおかげで馬は文字通り潰れてしまった。
ラースの助けが無ければミリアも同じ運命を辿っていた可能性は高い。
「…ラース、先程は助かった。礼を言う」
「お?随分素直だな。惚れたか?」
「バカな事を言うな。助けられたら素直に礼を述べるのは騎士として当然の事だ」
「カッカッカッ、そういうことにしといてやろう」
相変わらず話を聞かない男だ。
だが少なくともこうして姫様の為に身を危険に晒すだけの気概はある男だ。
先程助けられた件も含め、ミリアの中でラースの評価は変わりつつあった。
「礼なら今すぐ身体で払ってくれて構わんぞ?」
…前言撤回である。
ミリアが後方のファーブル砦を振り返る。
その隣ではラースが退屈そうに歩いていた。
「じきにクロウが帰ってくるだろ。そしたら少しは状況も分かる」
二人は今、白竜帝国軍の過ぎていった進路を逆に辿っている。
敵軍の補給線の確認といつ来るかもわからない白竜帝国の援軍を確認するためだ。
他にも数人がそれぞれ別ルートで同じ任務にあたっている。
ラースのみであれば今頃国境線までたどり着いている筈だがミリアも同行し、かつ彼女がラースに抱き抱えられての運搬を拒否したため、馬による移動となっていた。
因みに現在馬に乗っているのはミリアのみでありラースは自分の足で歩いている。
乗馬などできないラースの為にミリアの後ろに乗っていたのだが背後からのセクハラで蹴落とされていた。
「…と、噂をすればだな」
上空から真っ黒な翼が降りてくる。
クロウはいつもの定位置に止まるとミリアの懇願で偵察に行っていたファーブル砦での戦況を説明した。
「…というわけで今の所、五分五分の戦いとなっております。王国軍の魔術師部隊により敵の主力である重装歩兵をあしらっておりますのでまず敗北はないかと思われます」
「そうか…虎の子の魔術師隊をもう出したのか」
魔術師隊はファーニア王国軍において戦況の鍵を握っている部隊である。
打撃力こそ他の部隊に劣るものの臨機応変に対応できる攻撃手段は敵の意表を突くのにもってこいなのだ。
連合国が出来る前、他国に囲まれている状況で少ない兵力で自国を守れてきたのはこの部隊があったからに他ならない。
「それにしても驚きましたな。この時分にあれだけの数の攻撃出来る魔術師を揃えるとは」
珍しくクロウが自分から口を開くのはやはり魔法絡みだからだろうか。
「武具の進化や白竜帝国の出現で魔術は一気に戦場から駆逐されたからな。わが国のように魔術師で部隊を作っているのは珍しいかもな」
かつては魔術も戦争によく使われていた。
むしろそれは主力だった時代があった。
各国は優秀な魔術師の排出に明け暮れ、軍ではいかに広範囲で効率良く魔術を使うべきかが大いに議論された。
だが、白竜帝国の出現によりこれが覆される。
帝国は魔術を主力とせず、飛竜による奇襲と圧倒的な兵力で間断なく軍を操り魔術師達を倒していったのだ。
各国の軍と魔術師は勿論抵抗したが、個人才能に依存するためにどうしても人数が少ない魔術師と一度使用した後に生じるインターバルのため大軍に対処しきれなかったのだ。
拡大を続ける白竜帝国の侵略に対抗するため各国は魔術師よりも誰もがなれる兵士を育てた。
結果、現在では魔術師、特に攻撃系の魔術を扱うものは激減しているのである。
「ほーそうなのか…」
魔術師談義で盛り上がる2人に興味のないラースは適当に相槌を打つ。
そんな様子を見たミリアはふとした疑問を投げかけた。
「…ラースはこの後どうするんだ?」
「決まってるだろ。ミリアと元気になったフィリオナをオレ様に惚れさせて毎日寝れない夜を」
「すまん、質問が悪かった。もっと後の話だ。姫様と約束されたのはこの騒動が終わるまでだろう?報酬の件はともかくその後はどうするつもりなのだ?」
ミリア個人としてはフィリオナに害なす前に抹殺したいところだが、当のフィリオナが許してくれないだろう。
「うん?そうだな…美女を求めてあちこち回ってみるかな」
ラースはあまり深く考えていない。
ミリアフィリオナを見つけた時のように噂を頼りに美女を探してはものにしていくつもりだった。
「…世界征服などと言い出さないのか?」
ミリアも知っている御伽噺に出てくる魔王は必ずこれを口にする。
勇者と魔王の出てくる御伽噺は何種類もあるがこれはお約束だった。
「そんなことをしても楽しくないだろ。やはり女は自分の手でおとさなければ」
当たり前のことだろう?とラースは答えた。
どこまでもぶれない男ではある。
「…姫様はなぜこんな男を…」
不意に呟くミリアの上に影が落ちた。
それは一気に大きくなりミリアとその下にいる馬を覆う。
「飛竜だっ!」
「いらんこと言ってないで避けろ馬鹿者!」
上空に現れた影は2人を確認すると一気に急降下。
そのまま飛竜の強靭な脚による一撃を見舞った。
間一髪でミリアを抱えて回避したラースは現れた飛竜にとその背に乗る竜騎士を睨む。
…これだけ激しく動いているのに彼の肩のクロウは微動だにしていない。
「白竜帝国の斥候か!?もうこんな所まで来ているとは…!」
「ちっ、こんな所に妙な二人組と思ったが片方はファーニアの騎士かよ」
竜騎士は手に持った槍を二人に突きつける。
「悪いが今日でファーニアお仕舞いだ。逆らう奴は皆殺しだが…」
兜の下からでも解る程ネットリとした視線をミリアに投げる。
「オレらに忠誠を誓うってなら優しくしてやるぜぇ?」
これにはミリアもげんなりである。
「…まったく、自称魔王といい男というのはどうしてこうも品がないのか…」
「おい!オレ様はこんな下品ではないぞ!」
ラースの腕の中から降りると、ミリアはゆらりと殺気を放ち始める。
それを察知した竜騎士は、飛竜を駆り上空へと登る。
「はっ!ノーってことか。なら用はねぇ!」
急降下と共に槍による一撃を加えようと体勢を整えたところで突風に見舞われる。
彼は再び体勢を整えるがそのたびに謎の突風が襲ってくる。
地上ではラースがその姿をニヤニヤと見守っていた
「くっ、なんだこりゃ」
飛竜がよろめく程の突風だ。
一度ならまだしもこんな連続して巻き起こるなんて普通ではない。
「魔術師か!?…詠唱している素振りはないようだが」
吹き荒れる突風。
慌てて体勢を整える。
竜騎士といっても飛竜から落ちてしまえば普通の兵士と変わらない。
地上ではラースが竜騎士に向けて扇ぐように手を上下に振っている。
それ程素早い動きではない。
手首から指先の力を抜き、波打つようにぐにょんぐにょんと動かしている。
「…何をしているんだ?」
敵兵を目の前に遊んでいるだけに見えるラースに我慢出来なかったミリアは尋ねた。
ニヤニヤしているラースの代わりに答えたのはクロウだ。
「ラース様は現在魔法で突風を起こしているのです!」
「ま、ほう…?魔術とは違うのか?」
「魔法とは、ラース様のように溢れ出るほどの魔力を持った状態で目的を持った何かしらの動きをする事で周囲の精霊達が手を貸すことで発生する事象なのです。
魔術は陣や呪文を用いて魔力の抽出から用途までを細かく制御したものを指します」
そう説明されてもそもそも魔術にも縁のないミリアにはいまいちピンと来ない。
「方法はともかく、今ラースがあの竜騎士を攻撃しているのだな?」
「そういうことです。もっとも、攻撃というよりは遊ばれているようですが」
クロウの言葉を肯定するようにラースは楽しそうに呟く。
「右~左~あ、突撃はダメダメだ~」
よくわからない攻撃を受ける竜騎士は徐々に体力を削られていた。
彼からしてみれば魔法による攻撃を受けていると思いつくはずもなく、詠唱を行っている様子もないことから何らかの魔術具を使っているものと推測した。
「くそ、仕方ねぇ。引き上げだ」
飛竜は再度上昇し突風が襲ってこない内に西の空へ去っていった。
「…行ったか?」
「ククク、そのようだな」
竜騎士は居なくなったが、その襲撃のおかげで馬は文字通り潰れてしまった。
ラースの助けが無ければミリアも同じ運命を辿っていた可能性は高い。
「…ラース、先程は助かった。礼を言う」
「お?随分素直だな。惚れたか?」
「バカな事を言うな。助けられたら素直に礼を述べるのは騎士として当然の事だ」
「カッカッカッ、そういうことにしといてやろう」
相変わらず話を聞かない男だ。
だが少なくともこうして姫様の為に身を危険に晒すだけの気概はある男だ。
先程助けられた件も含め、ミリアの中でラースの評価は変わりつつあった。
「礼なら今すぐ身体で払ってくれて構わんぞ?」
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