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第二章
二十一話 眉山
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「あの~一つ聞いていいかな?」
ドカンちゃんがチカンちゃんの顔をのぞき込む。
「なあに?」
「地霊さんってスマホとか持ってないのかな?」
「もってないよ、スマホは戸籍がないと持てないからね。地霊は戸籍ないし」
「あ~そっか~そうだよね~。スマホがあったら地霊さんもすぐ見つかるんだけどね」
「そうだね、普通、地霊は人間に付いてるから不便に感じないけど、
地霊だけで動いている子たちは連絡がとれないね~」
チカンちゃんが言った。
ドカンちゃんとチカンちゃんはシアンちゃんたちを追って土佐清水までやってくる。
昨日、泊まった旅館の朝ご飯は鰹のたたきだったが、普通、
鰹のたたきは土佐酢で食べるものだと思ったら塩で味付けした
あっさりとしたものだった。それでも新鮮なのでおいしい。
その鰹はこの土佐清水でとれた鰹だったらしい。
ここには有名な足摺岬がある。そして、その岬に着きだした展望塔があって
その中からはお魚見放題だ。
猫ちゃんにはたまらないアトラクションなのだ。
シアンちゃんとサバンちゃんはどうやら、
この土佐清水港からフェリーに乗って高知に行ったようだ。
もし、フェリーに乗るつもりじゃなかったら、
東の黒潮町に行くはずで土佐清水には降りてこないはずだと
ドカンちゃんは推理したのだ。
注意※
作者が土佐清水に自転車旅行に行った当時、土佐清水、高知、大阪を結ぶフェリー航路が
存在しました。現在、この路線は廃止になっているので存在しません。
ドカンちゃんとチカンちゃんはフェリーに乗り込む。
フェリーの係員の方に自転車を預け、
雑魚寝の三等席で横になると、ドカンちゃんは一気に睡魔に襲われた。
今までの疲れがどっと出たのだ。
ドカンちゃんはそのまま床に沈むように眠りについた。
「ドカンちゃん!ドカンちゃん!大変だよ!起きて!」
チカンちゃんが揺すぶるのでドカンちゃんは目が覚めた。
「え?何?」
「どうしよう、高知で起きるはずが、ドカンちゃん寝過ごしちゃったよ!」
「えー!ごめんなさい」
「とりあえず甲板に出てみようよ」
「そうですね」
甲板に出ると、すでに船は発進した後だった。
「あっ!」
チカンちゃんが指をさす。
「えっほ!えっほ!」
遠くの方にシアンちゃんとサバンちゃんが二人乗り自転車に乗って
港から遠ざかっていく姿が見える。
「あ~、シアンちゃん、サバンちゃんもこの船に乗っていたんですね。
分かりませんでした」
「しかたないよ、大阪についたら、また高知まで戻ろう」
「だめですよ、一日もたったら、もう徳島県に行っちゃってますよ」
「徳島と大阪でフェリー出てるかなあ」
「わかりません、とにかく、大阪に行ってから聞いてみましょう」
「そうだね!」
船が大阪についくと、ドカンちゃんは切符売り場のお姉さんに
徳島行きの船がないか聞いた。
結果として、徳島行きの船は出ていなかった。
しかし!和歌山港から徳島行きの船が出ているという。
「よし!行きましょうチカンちゃん」
「そうだね、ドカンちゃん!」
大阪から和歌山へ行く道は驚くほど平坦だった。
四国はものすごく道にアップダウンがあったが、
本土の道は本当に平坦だ。
しかし、和歌山が近づくについれ、しだいに坂がきつくなってきた。
それでも四国の山道に比べれば楽だった。
しばらくいくと、和歌山の市街が見える。
そこからはずっと下り坂だった。
和歌山港についてフェリーの時間を確認する。
ものすごく数が多い。
フェリーの料金も安かった。
フェリーに乗って船内を見て回る。
「見て、見て!」
チカンちゃんが興奮してピョンピョン跳ねる。
ガラスにアニメ風の女の子の絵がプリントしたものが貼り付けてあった。
「アニメ好きにやさいいお船だね」
チカンちゃんがニンマリした。
「そうだね~」
ドカンちゃんが笑い返した。
徳島港に降りたって徳島市街に向かう。
駅前にはすごく大きなデパートがあって、
すごく都会的な綺麗な雰囲気があるが、
町全体がコンパクトにまとめられた雰囲気があった。
徳島の名物といえば徳島ラーメン。
ラーメンの肉がチャーシューじゃなくて甘辛い肉をいためたものだった。
味はコクがあってまろやか。とてもおいしいラーメンだった。
「さて、どこに行きましょうか」
ドカンちゃんは藍場浜公園の前まで進むと、そこの前に設置してあった
地図をのぞき込む。
「眉山が徳島の霊山だって聞いたよ、ここに行ってみようよ」
チカンちゃんが言った。
「そうですね、明日にでもロープーウエイで頂上まで行きましょうか」
そう言っているドカンちゃんの後ろを黒い影が横切る。
「君たちがまず行くべき場所はそこではないはずだたぬ」
どこかで聞いた狸言葉。
「え?ドラゴンリーさんですか?」
ドカンちゃんが振り返る。
ドカンちゃんがチカンちゃんの顔をのぞき込む。
「なあに?」
「地霊さんってスマホとか持ってないのかな?」
「もってないよ、スマホは戸籍がないと持てないからね。地霊は戸籍ないし」
「あ~そっか~そうだよね~。スマホがあったら地霊さんもすぐ見つかるんだけどね」
「そうだね、普通、地霊は人間に付いてるから不便に感じないけど、
地霊だけで動いている子たちは連絡がとれないね~」
チカンちゃんが言った。
ドカンちゃんとチカンちゃんはシアンちゃんたちを追って土佐清水までやってくる。
昨日、泊まった旅館の朝ご飯は鰹のたたきだったが、普通、
鰹のたたきは土佐酢で食べるものだと思ったら塩で味付けした
あっさりとしたものだった。それでも新鮮なのでおいしい。
その鰹はこの土佐清水でとれた鰹だったらしい。
ここには有名な足摺岬がある。そして、その岬に着きだした展望塔があって
その中からはお魚見放題だ。
猫ちゃんにはたまらないアトラクションなのだ。
シアンちゃんとサバンちゃんはどうやら、
この土佐清水港からフェリーに乗って高知に行ったようだ。
もし、フェリーに乗るつもりじゃなかったら、
東の黒潮町に行くはずで土佐清水には降りてこないはずだと
ドカンちゃんは推理したのだ。
注意※
作者が土佐清水に自転車旅行に行った当時、土佐清水、高知、大阪を結ぶフェリー航路が
存在しました。現在、この路線は廃止になっているので存在しません。
ドカンちゃんとチカンちゃんはフェリーに乗り込む。
フェリーの係員の方に自転車を預け、
雑魚寝の三等席で横になると、ドカンちゃんは一気に睡魔に襲われた。
今までの疲れがどっと出たのだ。
ドカンちゃんはそのまま床に沈むように眠りについた。
「ドカンちゃん!ドカンちゃん!大変だよ!起きて!」
チカンちゃんが揺すぶるのでドカンちゃんは目が覚めた。
「え?何?」
「どうしよう、高知で起きるはずが、ドカンちゃん寝過ごしちゃったよ!」
「えー!ごめんなさい」
「とりあえず甲板に出てみようよ」
「そうですね」
甲板に出ると、すでに船は発進した後だった。
「あっ!」
チカンちゃんが指をさす。
「えっほ!えっほ!」
遠くの方にシアンちゃんとサバンちゃんが二人乗り自転車に乗って
港から遠ざかっていく姿が見える。
「あ~、シアンちゃん、サバンちゃんもこの船に乗っていたんですね。
分かりませんでした」
「しかたないよ、大阪についたら、また高知まで戻ろう」
「だめですよ、一日もたったら、もう徳島県に行っちゃってますよ」
「徳島と大阪でフェリー出てるかなあ」
「わかりません、とにかく、大阪に行ってから聞いてみましょう」
「そうだね!」
船が大阪についくと、ドカンちゃんは切符売り場のお姉さんに
徳島行きの船がないか聞いた。
結果として、徳島行きの船は出ていなかった。
しかし!和歌山港から徳島行きの船が出ているという。
「よし!行きましょうチカンちゃん」
「そうだね、ドカンちゃん!」
大阪から和歌山へ行く道は驚くほど平坦だった。
四国はものすごく道にアップダウンがあったが、
本土の道は本当に平坦だ。
しかし、和歌山が近づくについれ、しだいに坂がきつくなってきた。
それでも四国の山道に比べれば楽だった。
しばらくいくと、和歌山の市街が見える。
そこからはずっと下り坂だった。
和歌山港についてフェリーの時間を確認する。
ものすごく数が多い。
フェリーの料金も安かった。
フェリーに乗って船内を見て回る。
「見て、見て!」
チカンちゃんが興奮してピョンピョン跳ねる。
ガラスにアニメ風の女の子の絵がプリントしたものが貼り付けてあった。
「アニメ好きにやさいいお船だね」
チカンちゃんがニンマリした。
「そうだね~」
ドカンちゃんが笑い返した。
徳島港に降りたって徳島市街に向かう。
駅前にはすごく大きなデパートがあって、
すごく都会的な綺麗な雰囲気があるが、
町全体がコンパクトにまとめられた雰囲気があった。
徳島の名物といえば徳島ラーメン。
ラーメンの肉がチャーシューじゃなくて甘辛い肉をいためたものだった。
味はコクがあってまろやか。とてもおいしいラーメンだった。
「さて、どこに行きましょうか」
ドカンちゃんは藍場浜公園の前まで進むと、そこの前に設置してあった
地図をのぞき込む。
「眉山が徳島の霊山だって聞いたよ、ここに行ってみようよ」
チカンちゃんが言った。
「そうですね、明日にでもロープーウエイで頂上まで行きましょうか」
そう言っているドカンちゃんの後ろを黒い影が横切る。
「君たちがまず行くべき場所はそこではないはずだたぬ」
どこかで聞いた狸言葉。
「え?ドラゴンリーさんですか?」
ドカンちゃんが振り返る。
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