ねこのフレンズ

楠乃小玉

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二話 ぐっすり眠れた

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 その女の子に出会った日は不思議とぐっすり眠れた。
 その事を先生に報告すると先生は言った。
 「それはイマジナリーフレンズだね」
 「それって、頭がおかしくなったって事ですか?」

 「そうじゃないよ、小さい子供の多くは、
 イマジナリーフレンズを持っているもなんだ。
 でも、大人になったら、それは消えてしまうんだ。

 でも、ものすごいストレスや衝撃を受けた人は
 自分を守るためにイマジナリーフレンズが
 出てくる場合がある。
 
 アーサー伝説に出てきたランスロットは自分は小さい頃から
 妖精に育てられたと言っていて、
 大きくなってからも妖精と話していたそうだよ。

 騎士の物語によく妖精が出てくるのは
 それだけ環境が厳しいからなんだ。

 だから、日本でも戦場帰りの漫画家の人が
 妖怪を見たといって妖怪のマンガを
 描いたりしてるでしょ」

 「どうしよう、お薬で消せるんですか」

 「消しちゃだめだよ、
 無理に消そうとするとストレスのハゲ口がなくなって
 多重人格になってしまう危険性がある。

 問題はストレスであって、
 ストレスを消すことが大事なんだよ。
 
 精神科で処方されたお薬が効かないと思い込んでるのも同じさ。
 実際は効いているんだけど、元にある原因を取り除かないから
 苦しみが消えない。
 
 そうだな、もっと分かりやすい例えを言うと、
 糖尿病の薬は絶対飲まないといけないんだけど、
 甘い物をバクバク食べてたら絶対血糖値は落ちない。
 それは薬が効いてないんじゃなくて、甘い物を食べてるから
 ひどい状態になってるってことだね。
 もし薬をやめてたらもっとひどい状況になる。

 ストレスが消えれば、自然とイマジナリーフレンズも消えることがほとんどさ」

 「そうなんですか……」

 「大丈夫だよ、普通にお友達になってあそんできなさい」
 「はい、ありがとうございます」
 ルカはとても気が楽になった。

 「それはそうと、前々からお母さんがルカちゃんの事を心配しててね、
 お仕事を探して自分で生きられるようにしないといけないって言ってらしたんだけど、
 私はまだそれは早いと言っていたんだよ。

 でも、イマジナリーフレンズが出来たってことは
 大丈夫かもしれない。

 気力がない時は何の感情も生まれないからね。
 イマジナリーフレンズは感情の一種だから。
 それに、君を守ってくれる存在だ。

 でも、まだ、出来るだけ人と接する仕事はしないほうがいいね。
 まだ対人関係のストレスに耐えられる状態じゃないからね」

 「色々お心使いありがとうございます。
 私なんかのために気をつかってくださってすいません」

 「心配しなくていいよ、それが仕事だからね」
 おじいさん先生はニッコリと笑った。

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