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二十八話 木、火、土、金、水
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大人たちにとって
ボクたちの決断はじつにちっぽけなものかもしれない。
ボクたちの冒険はすごくたわいもないものかもしれない。
たとえばボクが中学生の時、
お父さんとお母さんに隠れて深夜ラジオを聞いたことがある。
自分の部屋を貰って、生まれて初めて夜の12時を越えて起きていたんだ。
ボクはすごくドキドキした。
大人の階段を上ったと思ったんだ。
それは、大人たちにとって、どうでもいい事かもしれない。
石ヶ谷公園を探して、そこに行く。
それは、周りの人たちにとってどうでもいい事かもしれない。
でも、ボクにとっては大事件であり大冒険なんだ!
「いくぜ、いくぜ!おほほい!おほほい!」
ドカンちゃんは自転車をこいだ。
ドカンちゃんの胸が高鳴る。
公園に行ける楽しみ、
それと同時に道に迷ってもう帰ってこれなくなるかもしれないという不安
ドキドキする。
しばらく行くと池があった。けっこう大きい池。
そこを迂回して北上すると、高速道路があった。
パキーン!
ドカンちゃんがひらめいた。
そうだ、地図上では石ヶ谷公園はもう近くだった。
高速道路のすぐそばだ。
この高速道路の周辺を探索していれば、いずれ
公園にたどり着ける。
薄暗い公園の下の陸橋をくぐりぬける。
それは、あまりにもあっけなかった。
その陸橋をくぐり抜けた先に
「この先、石ヶ谷公園」
という表示があった。
何かしら、古代の神秘みたいなものを想像していたが
そうでもなかった。
「石ヶ谷公園だね!」
チカンちゃんが言った。
「そうだね!」
ドカンちゃんが言った。
坂をずっとずっとあがっていく。
目の前に突然、絢爛豪華に咲き乱れる梅林が現れた。
「うわーきれい!」
ドカンちゃんは目をかがやかせた。
「すごい!すっごーい!」
チカンちゃんは自転車のカゴをユサユサとゆすった。
「きれいだねー来てよかったねチカンちゃん」
「そうだねードカンちゃんと一緒だから余計にキレイに見えるよー」
チカンちゃんが言った。
その梅林を越えて、もっと上に行くと、
今度は真っ黄色の花を満開にさかせた巨木がたっていた。
「うっわーすごーい!あれなにー!」
ドカンちゃんが目を輝かせた。
「あれはミモザアカシアだよ」
チカンちゃんが言った。
「へー、あんなすごい植物があるんだね、しらなかったよー」
ドカンちゃんが感心した。
「すごい迫力だよねー」
チカンちゃんが感心した。
そのミモザアカシアの横をぬけていくと、そこには大きな体育館があった。
「すごいねーこんなところがあるんだねー」
ドカンちゃんはそれを見上げながら先に進んだ。
その体育館の先には大きな広場があって、
その向こうには乗馬クラブがあった。
沢山のお馬さんがトコトコと歩いていた。
「うわ~本物のお馬さん見たのはじめて」
ドカンちゃんは目を輝かせた。
「すごいね!すごいね!」
チカンちゃんも興奮してピョンピョン跳ねた。
「お馬さん好きなの?」
頭の上から声が降ってきた。
ドカンちゃんが見上げると、身長百七十センチくらいの
すごく胸が大きい白髪の女の人が微笑を浮かべながら立っていた。
「え、あ、動物はみんな好きです。
ドカンちゃんが答えた。
「そう、良い子ね」
そう言ってお姉さんはドカンちゃんの頭をなでた。
体をかがめたとき、真っ白な髪の上に大きな耳が二つくっついているのが見えた。
「メインクーンだ!」
チカンちゃんが叫んだ。
「そう、私は大地の地霊、メインよ」
「そうなんですね」
ドカンちゃんはわくわくした。
今まで、地霊さんたちは小さい子ばっかりだったので、
こんな大きな地霊さんを見たのは初めてだった。
「せっかく来てくださったんだから、石ヶ谷公園を色々ご案内するわ」
「わーい!」
チカンちゃんが喜んでメインの足に抱きつく。
すると、チカンちゃんの体から次々と根が出てメインの足の中に浸透する。
「痛い!痛い!痛い!」
メインは驚いて飛び退く。
「だめよ!痛いじゃない!」
メインは困り顔をする。
「ごめんなさい、無理じゃないの」
チカンちゃんはしょんぼりする。
「あなた、草花の地霊ね、草花の地霊は大地の地霊に根を生やすから
抱きついちゃだめなのよ」
「そうなの?知らなかった、教えて!」
チカンちゃんは驚いて目をクリクリさせた」
「地霊には木、火、土、金、水の5種類があって
木は金が苦手
火は水が苦手
土は木が苦手
金は火が苦手
水は土が苦手
なの
だから、よく知っている子は自分が傷つけちゃう
子には抱きつかないのよ。興奮して思わず抱きついちゃう
うっかりさんはいるけどね。
このうち、火と水は実体がないから、車にひかれて粉々に
なっても大丈夫だけど、他の子は実態があるから、つぶれたら
元には戻らないからマネしちゃだめよ」
「はーい!」
チカンちゃんは素直に答えた。
「それじゃ、折角公園を案内してあげようと思ったけど、
ちょっと養分を吸い取られちゃって疲れたから、
栄養を補給してくるわ」
そう言ってメインは微笑んだ。
「ごめんね~」
チカンちゃんはしょんぼりした。
「いいのよ~」
メインはニッコリ笑って手を振った。
「それじゃ、目的も達成したことだし、帰ろうか」
ドカンちゃんが言った。
「そうだね!」
チカンちゃんは頷いた。
帰りは下りの坂道だったので、ものすごく楽だった。
南にずっと降っていくと、すぐに国道二号線に突き当たったので、
そこから東に進んで、家まで帰った。
ボクたちの決断はじつにちっぽけなものかもしれない。
ボクたちの冒険はすごくたわいもないものかもしれない。
たとえばボクが中学生の時、
お父さんとお母さんに隠れて深夜ラジオを聞いたことがある。
自分の部屋を貰って、生まれて初めて夜の12時を越えて起きていたんだ。
ボクはすごくドキドキした。
大人の階段を上ったと思ったんだ。
それは、大人たちにとって、どうでもいい事かもしれない。
石ヶ谷公園を探して、そこに行く。
それは、周りの人たちにとってどうでもいい事かもしれない。
でも、ボクにとっては大事件であり大冒険なんだ!
「いくぜ、いくぜ!おほほい!おほほい!」
ドカンちゃんは自転車をこいだ。
ドカンちゃんの胸が高鳴る。
公園に行ける楽しみ、
それと同時に道に迷ってもう帰ってこれなくなるかもしれないという不安
ドキドキする。
しばらく行くと池があった。けっこう大きい池。
そこを迂回して北上すると、高速道路があった。
パキーン!
ドカンちゃんがひらめいた。
そうだ、地図上では石ヶ谷公園はもう近くだった。
高速道路のすぐそばだ。
この高速道路の周辺を探索していれば、いずれ
公園にたどり着ける。
薄暗い公園の下の陸橋をくぐりぬける。
それは、あまりにもあっけなかった。
その陸橋をくぐり抜けた先に
「この先、石ヶ谷公園」
という表示があった。
何かしら、古代の神秘みたいなものを想像していたが
そうでもなかった。
「石ヶ谷公園だね!」
チカンちゃんが言った。
「そうだね!」
ドカンちゃんが言った。
坂をずっとずっとあがっていく。
目の前に突然、絢爛豪華に咲き乱れる梅林が現れた。
「うわーきれい!」
ドカンちゃんは目をかがやかせた。
「すごい!すっごーい!」
チカンちゃんは自転車のカゴをユサユサとゆすった。
「きれいだねー来てよかったねチカンちゃん」
「そうだねードカンちゃんと一緒だから余計にキレイに見えるよー」
チカンちゃんが言った。
その梅林を越えて、もっと上に行くと、
今度は真っ黄色の花を満開にさかせた巨木がたっていた。
「うっわーすごーい!あれなにー!」
ドカンちゃんが目を輝かせた。
「あれはミモザアカシアだよ」
チカンちゃんが言った。
「へー、あんなすごい植物があるんだね、しらなかったよー」
ドカンちゃんが感心した。
「すごい迫力だよねー」
チカンちゃんが感心した。
そのミモザアカシアの横をぬけていくと、そこには大きな体育館があった。
「すごいねーこんなところがあるんだねー」
ドカンちゃんはそれを見上げながら先に進んだ。
その体育館の先には大きな広場があって、
その向こうには乗馬クラブがあった。
沢山のお馬さんがトコトコと歩いていた。
「うわ~本物のお馬さん見たのはじめて」
ドカンちゃんは目を輝かせた。
「すごいね!すごいね!」
チカンちゃんも興奮してピョンピョン跳ねた。
「お馬さん好きなの?」
頭の上から声が降ってきた。
ドカンちゃんが見上げると、身長百七十センチくらいの
すごく胸が大きい白髪の女の人が微笑を浮かべながら立っていた。
「え、あ、動物はみんな好きです。
ドカンちゃんが答えた。
「そう、良い子ね」
そう言ってお姉さんはドカンちゃんの頭をなでた。
体をかがめたとき、真っ白な髪の上に大きな耳が二つくっついているのが見えた。
「メインクーンだ!」
チカンちゃんが叫んだ。
「そう、私は大地の地霊、メインよ」
「そうなんですね」
ドカンちゃんはわくわくした。
今まで、地霊さんたちは小さい子ばっかりだったので、
こんな大きな地霊さんを見たのは初めてだった。
「せっかく来てくださったんだから、石ヶ谷公園を色々ご案内するわ」
「わーい!」
チカンちゃんが喜んでメインの足に抱きつく。
すると、チカンちゃんの体から次々と根が出てメインの足の中に浸透する。
「痛い!痛い!痛い!」
メインは驚いて飛び退く。
「だめよ!痛いじゃない!」
メインは困り顔をする。
「ごめんなさい、無理じゃないの」
チカンちゃんはしょんぼりする。
「あなた、草花の地霊ね、草花の地霊は大地の地霊に根を生やすから
抱きついちゃだめなのよ」
「そうなの?知らなかった、教えて!」
チカンちゃんは驚いて目をクリクリさせた」
「地霊には木、火、土、金、水の5種類があって
木は金が苦手
火は水が苦手
土は木が苦手
金は火が苦手
水は土が苦手
なの
だから、よく知っている子は自分が傷つけちゃう
子には抱きつかないのよ。興奮して思わず抱きついちゃう
うっかりさんはいるけどね。
このうち、火と水は実体がないから、車にひかれて粉々に
なっても大丈夫だけど、他の子は実態があるから、つぶれたら
元には戻らないからマネしちゃだめよ」
「はーい!」
チカンちゃんは素直に答えた。
「それじゃ、折角公園を案内してあげようと思ったけど、
ちょっと養分を吸い取られちゃって疲れたから、
栄養を補給してくるわ」
そう言ってメインは微笑んだ。
「ごめんね~」
チカンちゃんはしょんぼりした。
「いいのよ~」
メインはニッコリ笑って手を振った。
「それじゃ、目的も達成したことだし、帰ろうか」
ドカンちゃんが言った。
「そうだね!」
チカンちゃんは頷いた。
帰りは下りの坂道だったので、ものすごく楽だった。
南にずっと降っていくと、すぐに国道二号線に突き当たったので、
そこから東に進んで、家まで帰った。
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