ねこのフレンズ

楠乃小玉

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四十八話 おや、よく来たね

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 「よし、じゃあ高速道路の壁沿いを行こう」
 ドカンちゃんが言った。
 「うん!」
 元気よくチカンちゃんが答えた。
 二人がずっとそのまま行くと、前に行った
 高架下のトンネルに行き着いた。
 そこをくぐると、石ヶ谷公園だ。
 坂を上り、梅林を抜け、体育館の横を通って乗馬場に行くと、
 そこにはメインがいた。

 「おや、よく来てくれたね、大丈夫だったかい?」
 
 「大丈夫って何かあったんですか?」
 「いや、別になにもないよ」
 そう言ってメインは大きな体でドカンちゃんを抱きしめた。
 「チカンちゃんも!」
 そう言ってチカンちゃんがピョンピョン跳ねた。
 「はいはい、チカンちゃんもダッコね」
 メインはチカンちゃんを抱きしめた。
 「さて、今日は何して遊ぶかねえ」
 
 「滑り台!滑り台!」
 そう言いながらチカンちゃんがピョンピョン跳ねた。
 「ああ、滑り台ね。ついておいで、こっちだよ」
 そう言って、メインはドカンちゃんとチカンちゃんを案内した。

 滑り台に行く途中、大きく開けた公園広場の向こう側にチカンちゃんが
 コンクリートのパンダを見つける。

 「パンダー!」
 そう叫んでチカンちゃんが猛ダッシュで駆け抜けていく。

 「これこれ、こけるから走るんじゃないよ」
 メインが注意するがチカンちゃんは興奮して耳に入らない。
 コンクリートのパンダのところまで行くと、上にまたがって
 足をバタバタさせた。

 「ぱんだー!ぱんたー!たのしー!」
 チカンちゃんはすごく喜んだ。
 「しかがだないなあ、チカンちゃんは」
 ドカちゃんは苦笑した。

 「さて、こっちだよ」
 メインが案内したのはハーブガーデンだった。

 「あっ、あ、はい、ありがとうございます」
 ドカンちゃんは言葉を詰まらせながらお礼を言った。

 メインはニンマリ笑う。
 「わかってるよ、ハーブより滑り台がいいんだろ、おこちゃまだなあ」
 「え、そ、そんな事ないですよ、あ、そうだ、ハーブって食べられるから 
 ネコちゃんにもいいんですよね、きっと」

 ドカンちゃんがそう言うと、メインの顔が急に厳しくなる。
 「そんな事ない!」
 「え、あ、ゴメンなさい」
 「ドカンちゃんがドギマギする」

 「実はね、ハーブでもラベンダーは猫にとって毒なんだ。
 食べると死んでしまうこともあるんだよ」

 「そうなんですね、ハーブはダメなんですね」
 「ハーブがダメなんじゃない。食べたらダメなハーブがあるだけだ、
 それは自分で調べなさい」
 「はい」
 ドカンちゃんは頷いた。
 
 そんな話しをしながらメインの後をついていくと、
 いつの間にかハーブ園を抜けていた。

 メインがニッコリと笑って指を指す。
 そこには色とりどりの滑り台があった。
 「やったー!滑り台だー!」
 チカンちゃんが走って行く。
 「わーい!」
 ドカンちゃんも走っている。
 「ふふふっ、まだまだ子供だねえ」

 メインは苦笑した。

 黄色くてグルグル回転する滑り台、
 真っ赤で舌みたいな滑り台。
 下が鉄のパイプでクルクル回るおもしろい滑り台。

 ほんとうに、いっぱい堪能した。

 遊んだ後、ドカンちゃんはメインに聞いてみた。
 「あの、玉津の奥に物知りの猫の地霊さんがいる場所があるって聞いたんですが」
 
 「玉津ねえ、玉津姫ゆかりの神社なら知ってるがねえ」
 メインは首をひねる。

 「そうなんですね、ではその神社だけでも教えていただけないでしょうか」
 「そうさねえ、この奥に金姫神社という神社があると思うよ、
 スマホでマップを見れば分かるんじゃないかね」
 「ありがとうございます!それでは早速行ってみます!」
 
 ドカンちゃんとチカンちゃんは石ヶ谷公園を出た。
 メインはいつまでも、いつまでも、笑顔で手を振り続けていた。
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