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アルのお兄さん
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「アル大丈夫か!!」
扉を勢いよく開けた彼は息を荒らげながらアルの名前を呼んでいた。
「あっシロウお兄ちゃん。」
「アル!心配したんだからな。」
アルがお兄ちゃんと呼ぶその青年はあおい目にまるで月の光のように綺麗な銀色のたてがみそしてキッチリと着込んだ服の隙間から見える腕や胸にはしなやかな筋肉が付いていた。全身を銀色の毛で覆われた彼の姿はアルと同じクマではなく狼の獣人だった。
クマと狼なのに兄弟?そんな事を不思議に思う余裕もないほど僕はその綺麗な毛並みに目を奪われていた。
「何を見てるんだ。」
「あっすいません!その毛並みが月みたいできれいだなって思わず見とれちゃいました。すいません!!」
そう声をかけられ僕は慌てて謝った。そんな僕に対して一瞥をくれるとすぐに興味をなくしたように視線を外しアルに話しかけだした。
「アルこっちにおいで。」
「うん。」
そう言われ狼の青年のそばにかけより抱きつこうとするアルを彼は少し屈んで受け止めた。
「アル。お兄ちゃんはちょっとこの人とお話があるから先に帰ってなさい。」
「...うん。人間のお兄ちゃんもまたね!!」
少し不安そうな顔をしながらも返事をすると僕に対して笑顔で挨拶をして部屋を出て行った。
「で、お前は誰だ。」
彼は先程までのアルに向けていた優しい笑顔を一転させて尖った犬歯を見せながら鋭い目付きで僕のことを睨んできた。あまりの変貌に驚き何も答えずにいると僕に彼はさらに質問を重ねた。
「お前アルに何をした。アイツの部屋には結界が張ってあってアイツの力じゃ勝手には出れないはずなのにお前の仕業だろ。」
「そんなの知らないです。」
「嘘を言うな!それにアイツが初対面であんなに人に懐くはずがない。お前が魔法で惑わしているに決まっている!!」
「そんなことしてません。」
「素直に言わないなら体に聞くしかないな。」
何度否定しても一切信じてくれないアルのお兄さんの狼はそう言うと懐から何か四角い箱を取り出した。
「我が力に共鳴しその扉を開かせろ。」
そう彼が唱えた瞬間彼が持ってる四角い箱が光だし気がつけば広く白い部屋に僕と彼だけが移動していた。
「ここは、魔道具士に作らせたキューブに俺が魔力を注ぎ込んで作った部屋の中だ。ここからは俺の許可無しに出入りできねえ。つまり誰にも邪魔されずにお前と話ができるってわけだ。」
「そんなここから出してください。」
「お前がホントのことを言ってアルにかけた魔法をとけば出してやるよ。」
「だから、僕はそんなことしてませんって。」
「そうかよ。なら話したくなるようにするだけだ。喰らえ。ウォーターボール。」
そう言うと彼の手の平の前に車のタイヤほどの大きさの水の玉が現れて勢いよく打ち出された。
「うわっ!!」
「避けてるんじゃねえよ。」
慌てて避けると水の玉が当たった場所が凹んでいた。恐怖で血の気が引きはじめている僕にそう言うと自分の周りに次々と水の玉を作り出し始めた。
「これでも喰らえよ。」
そう言うやいなや数百個にも及ぶであろう水の玉が一斉に僕のことを襲い始めた。必死に避けるも全てを避けきれるはずもなく背中や腕そして足などに何発もぶつかった。それがぶつかる度にまるで車に跳ねられたかのように遠くまで飛ばされ逃げては飛ばされ逃げては飛ばされを何度も繰り返しやっと全ての玉が打ち出され終わった頃には僕の全身は何ヶ所も赤紫に染まり痛みのあまり体は思うように動かせずなんとか壁にもたれかかってやっと立っているといった状況だった。
「お前なかなか強情だな、魔法を解くにはかけた本人が解くか。かけたやつが死ぬか。最後のチャンスだ死にたくなければ言えよ。」
「ぼくは..そんなことしてない...。」
「そうかよ。なら死ね。」
そう言うと先程よりもはるかに強大な水の塊が龍の姿を形取り僕に襲いかかってきた。大きな口をあけながら猛スピードで向かってくるそれにもうダメだと思い諦めて目をつぶるがいつまでたっても来るはずの衝撃は来なかった。
不思議に思い恐る恐る目を開けるとそこには僕を守るように誰かが立っていた。
扉を勢いよく開けた彼は息を荒らげながらアルの名前を呼んでいた。
「あっシロウお兄ちゃん。」
「アル!心配したんだからな。」
アルがお兄ちゃんと呼ぶその青年はあおい目にまるで月の光のように綺麗な銀色のたてがみそしてキッチリと着込んだ服の隙間から見える腕や胸にはしなやかな筋肉が付いていた。全身を銀色の毛で覆われた彼の姿はアルと同じクマではなく狼の獣人だった。
クマと狼なのに兄弟?そんな事を不思議に思う余裕もないほど僕はその綺麗な毛並みに目を奪われていた。
「何を見てるんだ。」
「あっすいません!その毛並みが月みたいできれいだなって思わず見とれちゃいました。すいません!!」
そう声をかけられ僕は慌てて謝った。そんな僕に対して一瞥をくれるとすぐに興味をなくしたように視線を外しアルに話しかけだした。
「アルこっちにおいで。」
「うん。」
そう言われ狼の青年のそばにかけより抱きつこうとするアルを彼は少し屈んで受け止めた。
「アル。お兄ちゃんはちょっとこの人とお話があるから先に帰ってなさい。」
「...うん。人間のお兄ちゃんもまたね!!」
少し不安そうな顔をしながらも返事をすると僕に対して笑顔で挨拶をして部屋を出て行った。
「で、お前は誰だ。」
彼は先程までのアルに向けていた優しい笑顔を一転させて尖った犬歯を見せながら鋭い目付きで僕のことを睨んできた。あまりの変貌に驚き何も答えずにいると僕に彼はさらに質問を重ねた。
「お前アルに何をした。アイツの部屋には結界が張ってあってアイツの力じゃ勝手には出れないはずなのにお前の仕業だろ。」
「そんなの知らないです。」
「嘘を言うな!それにアイツが初対面であんなに人に懐くはずがない。お前が魔法で惑わしているに決まっている!!」
「そんなことしてません。」
「素直に言わないなら体に聞くしかないな。」
何度否定しても一切信じてくれないアルのお兄さんの狼はそう言うと懐から何か四角い箱を取り出した。
「我が力に共鳴しその扉を開かせろ。」
そう彼が唱えた瞬間彼が持ってる四角い箱が光だし気がつけば広く白い部屋に僕と彼だけが移動していた。
「ここは、魔道具士に作らせたキューブに俺が魔力を注ぎ込んで作った部屋の中だ。ここからは俺の許可無しに出入りできねえ。つまり誰にも邪魔されずにお前と話ができるってわけだ。」
「そんなここから出してください。」
「お前がホントのことを言ってアルにかけた魔法をとけば出してやるよ。」
「だから、僕はそんなことしてませんって。」
「そうかよ。なら話したくなるようにするだけだ。喰らえ。ウォーターボール。」
そう言うと彼の手の平の前に車のタイヤほどの大きさの水の玉が現れて勢いよく打ち出された。
「うわっ!!」
「避けてるんじゃねえよ。」
慌てて避けると水の玉が当たった場所が凹んでいた。恐怖で血の気が引きはじめている僕にそう言うと自分の周りに次々と水の玉を作り出し始めた。
「これでも喰らえよ。」
そう言うやいなや数百個にも及ぶであろう水の玉が一斉に僕のことを襲い始めた。必死に避けるも全てを避けきれるはずもなく背中や腕そして足などに何発もぶつかった。それがぶつかる度にまるで車に跳ねられたかのように遠くまで飛ばされ逃げては飛ばされ逃げては飛ばされを何度も繰り返しやっと全ての玉が打ち出され終わった頃には僕の全身は何ヶ所も赤紫に染まり痛みのあまり体は思うように動かせずなんとか壁にもたれかかってやっと立っているといった状況だった。
「お前なかなか強情だな、魔法を解くにはかけた本人が解くか。かけたやつが死ぬか。最後のチャンスだ死にたくなければ言えよ。」
「ぼくは..そんなことしてない...。」
「そうかよ。なら死ね。」
そう言うと先程よりもはるかに強大な水の塊が龍の姿を形取り僕に襲いかかってきた。大きな口をあけながら猛スピードで向かってくるそれにもうダメだと思い諦めて目をつぶるがいつまでたっても来るはずの衝撃は来なかった。
不思議に思い恐る恐る目を開けるとそこには僕を守るように誰かが立っていた。
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