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誘い

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「みみ、真っ赤になって可愛いね。初めての日を思い出す」
私の右手を握り直して低い声で囁く。
「もう、やめてっ」
恥ずかしさのあまり、はるくんの口を私の手で塞ぐ。何でこんなことを昼間から言われているんだろう。
「こらこら、遥。好きな子いじめんなや。本当にお前は昔からそうやな」
「剛さん助けて下さい、私にはもう」
「すまん、俺もこうゆうのどうしたらいいのか分からんのや」
バックミラーを見ると、恥ずかしそうにして運転してる剛さん。
「俺なりの誘いなんだけどな」
そう言うと、私が手で抑えてた所にキスしてくる。
「やっ」
離そうとしても、手を握られて離してくれない。
「みみ、震えて可愛い…煽ってるの?」
首を左右に振って否定する。右手も手を繋がれたままでさらに指を絡めてくる。
「辞めて欲しいよね」
すぐに頷くとはるくんは私の手を離してくれた。安堵した瞬間、左手が腰に回り右手が引かれる。気付いた時には、はるくんの伏せた長い睫毛が目の前にある。私の唇にはるくんの唇が重なり、一度離れてまた触れる。
「はい、お終い」
はるくんの唇に私の口紅が薄く着く。急いで、ハンカチを出してはるくんの口に押さえる。
「んんっ?!」
一瞬驚いた顔をしたが、ハンカチに着いてる口紅を見て分かったのか。そのまま、ありがとうと言い綺麗に拭き取っていた。





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