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天使の登校
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「さぁさぁ、今日は人間の髪の毛が安いよ。スープにどうだい?上質なものから安価なものまで。品揃えは豊富さ」
「やぁ、ルノちゃん。おはよう暖かい髪の毛スープ食うかい?」
「頂きたいけど、アレルギーなの」
「そうかそれは困ったな」
「苺鼻のスープとツルツル鼻のスープもあるんだがね」
「うん、食べたいけど」
私は、何も食べたらダメなのだ。ここにあるもの全て。全て美味しそうに見えるのに。全て食べたらダメだというこの拷問。
行き交う街の人は皆しっぽが生えている。それなのに私には背中に大きな白い羽が生えている。
「今日も美しいねぇ」
いつも絨毯を床に敷き座ってがらくたを売っているお婆さんがぎょろりとした大きな目で私を見てくる。このお婆さんはいつも私を見る時に食べ物を見るかのようにみてくる。
今日も美しいねぇが、美味しいそうねに聞こえる。そんなことは絶対に言えないけれど。
「ありがとうございます。今日も行ってきます」
ルノが通り過ぎると、その婆さんはそそくさと店を畳み、ズルズルと少女の後を追う。街の商人はみなしっていることであるが、この婆さんの悪魔は昔は相当な美女で沢山の悪魔にモテた。だが、彼女は天使の一族と禁忌の恋に落ち、夜に災いを持つとされ美しい顔を奪われてしまった。それからというもの、悪魔と天使が交わることはもう千年のときを越えてもなかった。
「やぁ、ルノちゃん。おはよう暖かい髪の毛スープ食うかい?」
「頂きたいけど、アレルギーなの」
「そうかそれは困ったな」
「苺鼻のスープとツルツル鼻のスープもあるんだがね」
「うん、食べたいけど」
私は、何も食べたらダメなのだ。ここにあるもの全て。全て美味しそうに見えるのに。全て食べたらダメだというこの拷問。
行き交う街の人は皆しっぽが生えている。それなのに私には背中に大きな白い羽が生えている。
「今日も美しいねぇ」
いつも絨毯を床に敷き座ってがらくたを売っているお婆さんがぎょろりとした大きな目で私を見てくる。このお婆さんはいつも私を見る時に食べ物を見るかのようにみてくる。
今日も美しいねぇが、美味しいそうねに聞こえる。そんなことは絶対に言えないけれど。
「ありがとうございます。今日も行ってきます」
ルノが通り過ぎると、その婆さんはそそくさと店を畳み、ズルズルと少女の後を追う。街の商人はみなしっていることであるが、この婆さんの悪魔は昔は相当な美女で沢山の悪魔にモテた。だが、彼女は天使の一族と禁忌の恋に落ち、夜に災いを持つとされ美しい顔を奪われてしまった。それからというもの、悪魔と天使が交わることはもう千年のときを越えてもなかった。
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