今夜君にキスをしよう

アールグレイ

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林檎

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 ママはその後皆の手を綺麗に丹念に洗った。そんなに汚れていないのに何かを洗い流すように。ごしごしごしごしと。
 お家に入ってまちこはお着替えさせると言われ、別室に連れていかれた。畳のお部屋だ。まちこはここで生まれたと聞いた。だからまちこはここが好き。
「まちこ、早く来て」
   ママが服を取り出している。その背中に嬉しくて抱き着く。
「汚いからやめて、汚れるでしょう」
 ママが怒った。どうしてだろう。まちこは急に怖くなって涙が溢れてきた。
「泣かないの、さあ」
ママは、まちこの服を無理やり上に脱がせてきた。苦しかった。まちこはママが好きなのに。ママも苦しいの?全部同じ気持ちだよって言ってくれたから。
「脱いだ服は洗濯機に入れるのよ」
先に行くから、入れておいでね。といつもの笑顔のママに戻った。良かった。さっきのは、何だったんだろう。
お部屋から出て、リビングへ行くと颯太くんと胡桃ちゃんと優くんがジュースを飲んでいた。
「まちこも飲むっ」
走ってそこに行くと、ママがあらあらと言い、コップにジュースを出して渡してくれた。それを受け取る時に私の手からお洋服が落ちた。拾わないと。
「ママがやってくるから、座ってて」
まちこは、ドキドキした。凄く汗がでてきた。ママは優しいのに。まちこの味方なのに。どうしてだろう。

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