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犬小屋じゃん!!
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少年に逃げないようにと手を握られて、近くの駐車場まで連れて行かれた。そして、可愛らしい軽自動車の助手席に座るよう指図され、俺は渋々、次のような捨て台詞を吐きながら、その助手席に座った。
「俺を刑務所に連れて行った時点で殺すからな!」
「はいはい、その時は本当に殺していいからね」
運転席に座る少年にナイフを突き付けているが、その少年は顔色一つ変えずに、運転を始めようとする。
「てかお前、運転できるの?そんな赤ちゃんみたいな顔で??」
「よく驚かれるが、僕はこれでも22歳だ」
「は?嘘だろ??だって俺と、同い歳ってこと!?」
身長も20センチくらい違うし、顔もかなり幼い。どこからどう見ても中学生にしか見えない風貌だ。
「そうだよ。成長期に成長しなかったんだ」
「へえ、羨ましいね。学割使えんじゃん」
「ふふっ、学生証ないと無理だよ今は」
なんて朗らかに笑ってる。隣りに殺人鬼がいるってんのに、頭おかしいなこいつは。
「免許証はちゃんと持ってるの?」
「ほら」
と見せて貰った免許証の名前の欄にはカミナリ レイラと書いてあった。生年月日も確認して、正真正銘の同い歳だと確信した。
「返すよ、レイラ」
「馴れ馴れしく呼ぶなよ」
と言いながら、その免許証を嫌そうに受け取ったので、
「じゃあ、ご主人様っ♡」
ともっと嫌味ったらしく言ったら、深いため息をつかれた。
「着いたよ。このアパートの二階が僕達の部屋だ」
紹介されたアパートはいかにも築年数が経ってそうなボロアパートで、今まで裕福層のお世話になっていた俺の身からすると、
「狭っ!汚っ!犬小屋じゃん!!」
って嘆きたくなるほどだった。
「僕にとってはこれでも広い方なんだけどな」
なんて愛想笑いされた。
「それで?俺は何すればいいの??」
「とりあえず、これ。直接胸に貼って」
湿布みたいな大きさの粘着シートを渡されて、何の考えもなしに自分の左胸に貼った。これが大きな間違いだった。
「何これ」
「一旦、動作確認するね」
と彼はスマホを操作すると、いきなり俺の左胸にビリッとした激しい痛みが走った。
「痛っ!!!」
俺は思わず左胸を押さえてしゃがみ込んだ。
「ふふっ、ごめんごめん!」
「全然悪びれてないじゃん!もうスマホ没収!!」
俺がニヤついてる彼からスマホを奪おうと、奮闘していると、
「また電流流すよ?」
と脅された。こいつ、悪魔の子だ。
「それは、勘弁してください……」
「ご主人様には逆らわないように。飼い犬にリードは必須だからね」
俺はその後、その粘着シートを必死に剥がそうとしたが皮膚が剥がれない限り剥がれそうにないそのシートに絶望した。
「もうこんな家、出てってやる!」
「安心して。GPSも付いてるからいつでも捕まえられるよ」
この余裕かましてる面に──して──してやりたい。
「何が安心してだよ!sh*t!!」
「おい、汚い言葉遣いはするな!」
「は?何度でも言ってやるよ。motherf*cker!!」
と言った瞬間、また強い電流が胸に流れた。俺は床に膝をついて倒れ込んだ。
「その言葉は君が最も言ってはいけない言葉だ」
そいつは哀れんだ目で俺を見下している。
「……あははっ、俺がそうだからか?」
床に転がりながら無様にその顔を見上げて、無力な俺は情けなく笑った。思い出したくもない過去をまた思い出して、苦虫を噛み潰したような気分だ。
「自分で自分を傷付けるのはもうやめろ。お願いだ」
しゃがみ込んで彼は俺の髪の毛を撫でた。彼は心底、悲しそうな顔をしていた。俺はそんな彼の気持ちがわからなかった。
「俺を刑務所に連れて行った時点で殺すからな!」
「はいはい、その時は本当に殺していいからね」
運転席に座る少年にナイフを突き付けているが、その少年は顔色一つ変えずに、運転を始めようとする。
「てかお前、運転できるの?そんな赤ちゃんみたいな顔で??」
「よく驚かれるが、僕はこれでも22歳だ」
「は?嘘だろ??だって俺と、同い歳ってこと!?」
身長も20センチくらい違うし、顔もかなり幼い。どこからどう見ても中学生にしか見えない風貌だ。
「そうだよ。成長期に成長しなかったんだ」
「へえ、羨ましいね。学割使えんじゃん」
「ふふっ、学生証ないと無理だよ今は」
なんて朗らかに笑ってる。隣りに殺人鬼がいるってんのに、頭おかしいなこいつは。
「免許証はちゃんと持ってるの?」
「ほら」
と見せて貰った免許証の名前の欄にはカミナリ レイラと書いてあった。生年月日も確認して、正真正銘の同い歳だと確信した。
「返すよ、レイラ」
「馴れ馴れしく呼ぶなよ」
と言いながら、その免許証を嫌そうに受け取ったので、
「じゃあ、ご主人様っ♡」
ともっと嫌味ったらしく言ったら、深いため息をつかれた。
「着いたよ。このアパートの二階が僕達の部屋だ」
紹介されたアパートはいかにも築年数が経ってそうなボロアパートで、今まで裕福層のお世話になっていた俺の身からすると、
「狭っ!汚っ!犬小屋じゃん!!」
って嘆きたくなるほどだった。
「僕にとってはこれでも広い方なんだけどな」
なんて愛想笑いされた。
「それで?俺は何すればいいの??」
「とりあえず、これ。直接胸に貼って」
湿布みたいな大きさの粘着シートを渡されて、何の考えもなしに自分の左胸に貼った。これが大きな間違いだった。
「何これ」
「一旦、動作確認するね」
と彼はスマホを操作すると、いきなり俺の左胸にビリッとした激しい痛みが走った。
「痛っ!!!」
俺は思わず左胸を押さえてしゃがみ込んだ。
「ふふっ、ごめんごめん!」
「全然悪びれてないじゃん!もうスマホ没収!!」
俺がニヤついてる彼からスマホを奪おうと、奮闘していると、
「また電流流すよ?」
と脅された。こいつ、悪魔の子だ。
「それは、勘弁してください……」
「ご主人様には逆らわないように。飼い犬にリードは必須だからね」
俺はその後、その粘着シートを必死に剥がそうとしたが皮膚が剥がれない限り剥がれそうにないそのシートに絶望した。
「もうこんな家、出てってやる!」
「安心して。GPSも付いてるからいつでも捕まえられるよ」
この余裕かましてる面に──して──してやりたい。
「何が安心してだよ!sh*t!!」
「おい、汚い言葉遣いはするな!」
「は?何度でも言ってやるよ。motherf*cker!!」
と言った瞬間、また強い電流が胸に流れた。俺は床に膝をついて倒れ込んだ。
「その言葉は君が最も言ってはいけない言葉だ」
そいつは哀れんだ目で俺を見下している。
「……あははっ、俺がそうだからか?」
床に転がりながら無様にその顔を見上げて、無力な俺は情けなく笑った。思い出したくもない過去をまた思い出して、苦虫を噛み潰したような気分だ。
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