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第十話 鼠、ジャッカル、そして唱ートナエ
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しかしその時、迫って来た光は小角とすれ違って、追いすがる敵の中に突っ込んで行く。
「えっ?」
続けて数台のマシーンが小角の横をすり抜けて行った。
「何だ?」
てっきりやられるかと思っていたのに…。
「あっ、いけない、星野!」
生き証人がいなくては、パトロール局に逃げ込んでもどうにもならない。
小角は重い頭を動かして振り向こうとした。
いや、その前にスピード落とさなくちゃ。
のろのろと頭が回転する。
体の動きがもっとのんびりついて行く。
何とかマシーンをやって来た方向に向ける。
激しい戦闘の音がした。
小角の横をすり抜けた連中と、追ってきた敵が出会ったものらしい。
「誰だ?」
あ、また一台やられた。
戦列を離脱してゆくマシーン。
どうやら前方から来た連中が優勢らしい。
なかなか鮮やかな戦いぶりだ。
あ、思い出した、あの戦法は、オタルパトロールの型だ、スクールで習うんだよ。
この間、小角が非番の時に、課外じゅぎょうで教えに行った覚えがある。
そう、カトマンズパトロールスクールへ…。
「うええ、ジャッカル!」
がばっと小角が頭を上げた。ばかな、学生たちがどうしてここに…?
子供だぞ、子供は夜はベッドに入って早く寝るんだ!
大人は子供を守る義務がある。子供は安心してねられなくちゃ。
枕を高くして…、いや、羽枕は頭が沈むから嫌いだ。
やっぱり枕はそば殻だよな。
訳の分からない事が頭の中でぐるぐる回る。
「ジャッカル!」
「小角!」
「やっほう!」
「ばか、危ない」
小角が、ジャッカルの後ろからマシーンに乗り込もうとしていた男に向けて、スパナを投げた。
ごけ、
へんな音を立てて男の顎に命中、瞬間彼は姿を消す。
倒れたのか?
「ありがとう、小角!」
元気に手を振るジャッカル。
「ありが…とう、じゃない」
黒地に城の水玉のある鳥が十羽ほど、倒れた男に襲い掛かってつつきまわしている。
敵はたまりかねてマシーンから落ちたらしい。
くえー、ホロホロ鳥が勝鬨を上げた。
「偉いぞホロちゃん」
ホロホロ鳥は小角が土産に持って来た時よりも数がふえている。
卵を産んだのだろうか?
ジャッカルがよほど大切にそだてているらしい。
「小角、星野さんが!」
ジャッカルの隣の子供が叫んだ。
「なんだ、鼠か…」
再び世界はのろのろした動きに変わった。
小角の周りに薄い半透明の巻くが張り巡らされたようだ。
音が壁のむこうから聞こえて来る。
「星野さんが!」
星野だって? あんな奴、ハゲワシにでも食われてしまえ。
俺の前でわざと笑さんの立体映像をみせびらかすんだ。
あんな意地の悪い奴はいない。
あいつの友達なんかになったら、一生の不幸だ。
ましてや親友なんて、問題外だ。
なんで俺だけが貧乏くじを引かなきゃならないんだ。
「小角、頭っ、怪我してるの?」
ジャッカルが叫んだ。
「しん…ぱいない」
言うと同時にジャッカルに襲い掛かろうとして飛び込んで来た男にレーザーガンを発射していた。
レーザー?
いつの間に拾ったんだ、どこから?
白兵戦になったら、もっと素早く動かなくちゃだめだ。
女性は男より力で劣るから、その分スピードでカバーするんだ。
あああ、もっと頭を下げて…。
しかし、敵は後から後からウンカのごとく湧いて出て来るようだ。
シェルチャン家ってのは多産系だな。人数が少ないなんて嘘だ。
三人目に狙いをつけて倒しながら小角は思った。
どうも効率がよくない、なぜこう関係ない事を考えてしまうんだろう?
「星野さん!」
鼠が悲痛な声を上げて、マシーンを飛び出した。
「おい、バカ、そんな所に下りたら狙い撃ちされる…」
ハヌマンのマシーンはエンコししていた。
後ろ半分が焼けこげている。
ハヌマンは一人で奮戦していた。
長い鞭が生き物のように踊って、放電の火花が暗闇に花火のように美しい。
星野はシートに安全ベルトでくくりつけられ、ぐったりしている。
意識がないのか?
「いかん、ハヌマン!」
一度に三人に飛びかかられ、、ハヌマンの姿が消える、倒れたのか。
「くっ、くっ、くっ、殺れ、殺ってしまえ!」
ヒステリックな声が聞こえた。
「インドラ、やめろ、やめてくれ」
小角の声は届いたのだろうか?
インドラ・シェルチャンの小気味よさげな顔が小角の前に現れる。
インドラはそんなに俺が憎いんだろうか?
ヒマラヤの峰のように、エベレストのように悪意が積もっている。
そんなに恨んでいるのか?
あの呪文がインドラの口から聞こえ始めた。
「それなら俺を殺せばいいだろう、星野は関係ない。
俺はそんな奴死んだってへとも思わんぞ」
小角が叫んだ、叫んだ…つもりだった。
だが、インドラは呪文をやめない。
笑の心は今、彼に握られている。
「笑さん!」
ふわりと浮いた幻のような姿で、人形のように愛らしい妖魔が星野に近づく。
笑はどうやってか手錠を引き千切ったようだ。
手を差し伸べる、恋人の喉元に。
血脈の集まるポイントから、生命を抜き取るために。
「だめだ、それは星野だ、星野だぞ!」
声を振り絞ったつもりだったが力が入らない。
蚊の鳴くような声しかでない。
どのみち声が出たって笑にも星野にもわかりはしないのだが…。
「やめろーっ!」
それでも小角は叫ばずにはいられなかった。
やめてくれ、彼女が星野を殺すなんて、だめだ、だめだ!
殺すなら俺を殺してくれ!
「くくく、小角、そこにいるんですか?
私はお前を地獄に突き落として、引きずりまわしても飽き足りないと思っているんですよ。
存分に苦しんでください」
逆恨みと思い込みの激しい奴だとは思っていたよ
だが、ここまでとはね…。
こんなねじ曲がった正確が、どこでできたのだろう。
小角は不思議に思った。普通じゃない!
「おまえ、一度病院行って診てもらったほうがいいぞ」
◇
「殺しなさい、あなたの恋人を!」
インドラの声が命令する。
人形のような笑が、手を挙げたまま、すっと星野に近づいた。
その時、素早く小さな影が動いて、星野の上に覆い被さった。
「わあああああああ!」
絶叫、あの声だ、聴きたくない。人の断末魔の…。
「笑さん!」
ふっと、その時すべての風が一時に止った。
凍り付いたような空気に、ぴしりと亀裂が入る。
「おやめ!」
鞭のように鋭い声が投げつけられる。
誰かが笑の手を持ち上げて、止めた。
鼠はぐったりとうつぶせて動かない。もう死んでいるのだろうか?
まだ息があるか…?
「誰……だ?」
小角は濁った眼で声の主を探した。
空中に浮かぶ岩の上に、一人の女性のシルエット。
月の光に照らし出される白い顔、長いうねった髪、たおやかな体つき。
しかし、その優し気な微笑の奥に、悪意の刃が隠されている事を小角は嫌というほど思い知らされている。
極悪なくせに美人で、よわよわしげ…なんてずるい。
あんなにやさし気で、上品で、美しいのに、彼女は人間を食う。
妖魔なのだ。
肩の出た服、柔らかな記事を重ねたふわふわのスカート。
胸元のリボンに小さな石が下がっている。
耳元に揺れる飾りと同質のものらしい。
今日はずいぶんと清楚ないでたちじゃないか、どこのお嬢様かと思ったぜ。
「唱……」
小角の唇が動いて、母の名を呼ぶ。
ただその声は届かなかったようだ、彼女は小角のほうをちらりとも見ない。
「人の技にはまるなんて、情けない事」
笑うと笑の両手首を左手で持ち、胸の赤い矢を掴むと一気に押し込んだ。
「うわっ!」
くらりと小角の頭から血が牽いて行く。
笑の背中に、服を突き抜け矢じりが出た。痛そうだ、痛い…、やめり、やめて、やめ……くれ…。
「くううう」
インドラ・シェルチャンのくやしそうに歪んだ顔。
あの性格って、死ななきゃなおらないんだろうなあ。
小角はぼんやり考えながらインドラを見た。
「何を笑っているんです、そう、おかしいですか?」
インドラが言って、銃を小角の向けるのがやけにはっきり見えた。
レーザーなんかじゃない、あれは、あの大口径…。
どん、
音が先だったか衝撃が先だったか、小角は体を吹き飛ばされたような気がした。
何だよ、乱暴だな…。
びしゃ、
倒れると同時に嫌な音がした。
しかしその時、迫って来た光は小角とすれ違って、追いすがる敵の中に突っ込んで行く。
「えっ?」
続けて数台のマシーンが小角の横をすり抜けて行った。
「何だ?」
てっきりやられるかと思っていたのに…。
「あっ、いけない、星野!」
生き証人がいなくては、パトロール局に逃げ込んでもどうにもならない。
小角は重い頭を動かして振り向こうとした。
いや、その前にスピード落とさなくちゃ。
のろのろと頭が回転する。
体の動きがもっとのんびりついて行く。
何とかマシーンをやって来た方向に向ける。
激しい戦闘の音がした。
小角の横をすり抜けた連中と、追ってきた敵が出会ったものらしい。
「誰だ?」
あ、また一台やられた。
戦列を離脱してゆくマシーン。
どうやら前方から来た連中が優勢らしい。
なかなか鮮やかな戦いぶりだ。
あ、思い出した、あの戦法は、オタルパトロールの型だ、スクールで習うんだよ。
この間、小角が非番の時に、課外じゅぎょうで教えに行った覚えがある。
そう、カトマンズパトロールスクールへ…。
「うええ、ジャッカル!」
がばっと小角が頭を上げた。ばかな、学生たちがどうしてここに…?
子供だぞ、子供は夜はベッドに入って早く寝るんだ!
大人は子供を守る義務がある。子供は安心してねられなくちゃ。
枕を高くして…、いや、羽枕は頭が沈むから嫌いだ。
やっぱり枕はそば殻だよな。
訳の分からない事が頭の中でぐるぐる回る。
「ジャッカル!」
「小角!」
「やっほう!」
「ばか、危ない」
小角が、ジャッカルの後ろからマシーンに乗り込もうとしていた男に向けて、スパナを投げた。
ごけ、
へんな音を立てて男の顎に命中、瞬間彼は姿を消す。
倒れたのか?
「ありがとう、小角!」
元気に手を振るジャッカル。
「ありが…とう、じゃない」
黒地に城の水玉のある鳥が十羽ほど、倒れた男に襲い掛かってつつきまわしている。
敵はたまりかねてマシーンから落ちたらしい。
くえー、ホロホロ鳥が勝鬨を上げた。
「偉いぞホロちゃん」
ホロホロ鳥は小角が土産に持って来た時よりも数がふえている。
卵を産んだのだろうか?
ジャッカルがよほど大切にそだてているらしい。
「小角、星野さんが!」
ジャッカルの隣の子供が叫んだ。
「なんだ、鼠か…」
再び世界はのろのろした動きに変わった。
小角の周りに薄い半透明の巻くが張り巡らされたようだ。
音が壁のむこうから聞こえて来る。
「星野さんが!」
星野だって? あんな奴、ハゲワシにでも食われてしまえ。
俺の前でわざと笑さんの立体映像をみせびらかすんだ。
あんな意地の悪い奴はいない。
あいつの友達なんかになったら、一生の不幸だ。
ましてや親友なんて、問題外だ。
なんで俺だけが貧乏くじを引かなきゃならないんだ。
「小角、頭っ、怪我してるの?」
ジャッカルが叫んだ。
「しん…ぱいない」
言うと同時にジャッカルに襲い掛かろうとして飛び込んで来た男にレーザーガンを発射していた。
レーザー?
いつの間に拾ったんだ、どこから?
白兵戦になったら、もっと素早く動かなくちゃだめだ。
女性は男より力で劣るから、その分スピードでカバーするんだ。
あああ、もっと頭を下げて…。
しかし、敵は後から後からウンカのごとく湧いて出て来るようだ。
シェルチャン家ってのは多産系だな。人数が少ないなんて嘘だ。
三人目に狙いをつけて倒しながら小角は思った。
どうも効率がよくない、なぜこう関係ない事を考えてしまうんだろう?
「星野さん!」
鼠が悲痛な声を上げて、マシーンを飛び出した。
「おい、バカ、そんな所に下りたら狙い撃ちされる…」
ハヌマンのマシーンはエンコししていた。
後ろ半分が焼けこげている。
ハヌマンは一人で奮戦していた。
長い鞭が生き物のように踊って、放電の火花が暗闇に花火のように美しい。
星野はシートに安全ベルトでくくりつけられ、ぐったりしている。
意識がないのか?
「いかん、ハヌマン!」
一度に三人に飛びかかられ、、ハヌマンの姿が消える、倒れたのか。
「くっ、くっ、くっ、殺れ、殺ってしまえ!」
ヒステリックな声が聞こえた。
「インドラ、やめろ、やめてくれ」
小角の声は届いたのだろうか?
インドラ・シェルチャンの小気味よさげな顔が小角の前に現れる。
インドラはそんなに俺が憎いんだろうか?
ヒマラヤの峰のように、エベレストのように悪意が積もっている。
そんなに恨んでいるのか?
あの呪文がインドラの口から聞こえ始めた。
「それなら俺を殺せばいいだろう、星野は関係ない。
俺はそんな奴死んだってへとも思わんぞ」
小角が叫んだ、叫んだ…つもりだった。
だが、インドラは呪文をやめない。
笑の心は今、彼に握られている。
「笑さん!」
ふわりと浮いた幻のような姿で、人形のように愛らしい妖魔が星野に近づく。
笑はどうやってか手錠を引き千切ったようだ。
手を差し伸べる、恋人の喉元に。
血脈の集まるポイントから、生命を抜き取るために。
「だめだ、それは星野だ、星野だぞ!」
声を振り絞ったつもりだったが力が入らない。
蚊の鳴くような声しかでない。
どのみち声が出たって笑にも星野にもわかりはしないのだが…。
「やめろーっ!」
それでも小角は叫ばずにはいられなかった。
やめてくれ、彼女が星野を殺すなんて、だめだ、だめだ!
殺すなら俺を殺してくれ!
「くくく、小角、そこにいるんですか?
私はお前を地獄に突き落として、引きずりまわしても飽き足りないと思っているんですよ。
存分に苦しんでください」
逆恨みと思い込みの激しい奴だとは思っていたよ
だが、ここまでとはね…。
こんなねじ曲がった正確が、どこでできたのだろう。
小角は不思議に思った。普通じゃない!
「おまえ、一度病院行って診てもらったほうがいいぞ」
◇
「殺しなさい、あなたの恋人を!」
インドラの声が命令する。
人形のような笑が、手を挙げたまま、すっと星野に近づいた。
その時、素早く小さな影が動いて、星野の上に覆い被さった。
「わあああああああ!」
絶叫、あの声だ、聴きたくない。人の断末魔の…。
「笑さん!」
ふっと、その時すべての風が一時に止った。
凍り付いたような空気に、ぴしりと亀裂が入る。
「おやめ!」
鞭のように鋭い声が投げつけられる。
誰かが笑の手を持ち上げて、止めた。
鼠はぐったりとうつぶせて動かない。もう死んでいるのだろうか?
まだ息があるか…?
「誰……だ?」
小角は濁った眼で声の主を探した。
空中に浮かぶ岩の上に、一人の女性のシルエット。
月の光に照らし出される白い顔、長いうねった髪、たおやかな体つき。
しかし、その優し気な微笑の奥に、悪意の刃が隠されている事を小角は嫌というほど思い知らされている。
極悪なくせに美人で、よわよわしげ…なんてずるい。
あんなにやさし気で、上品で、美しいのに、彼女は人間を食う。
妖魔なのだ。
肩の出た服、柔らかな記事を重ねたふわふわのスカート。
胸元のリボンに小さな石が下がっている。
耳元に揺れる飾りと同質のものらしい。
今日はずいぶんと清楚ないでたちじゃないか、どこのお嬢様かと思ったぜ。
「唱……」
小角の唇が動いて、母の名を呼ぶ。
ただその声は届かなかったようだ、彼女は小角のほうをちらりとも見ない。
「人の技にはまるなんて、情けない事」
笑うと笑の両手首を左手で持ち、胸の赤い矢を掴むと一気に押し込んだ。
「うわっ!」
くらりと小角の頭から血が牽いて行く。
笑の背中に、服を突き抜け矢じりが出た。痛そうだ、痛い…、やめり、やめて、やめ……くれ…。
「くううう」
インドラ・シェルチャンのくやしそうに歪んだ顔。
あの性格って、死ななきゃなおらないんだろうなあ。
小角はぼんやり考えながらインドラを見た。
「何を笑っているんです、そう、おかしいですか?」
インドラが言って、銃を小角の向けるのがやけにはっきり見えた。
レーザーなんかじゃない、あれは、あの大口径…。
どん、
音が先だったか衝撃が先だったか、小角は体を吹き飛ばされたような気がした。
何だよ、乱暴だな…。
びしゃ、
倒れると同時に嫌な音がした。
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