144 / 343
宣言
7
しおりを挟む
強い覚悟の目。
まだ日は浅いのに王としての風格さえ感じる気がした。
「扉を開きます」
ジナンが指示をすると、俺たちの周りを衛兵たちが取り囲む。
「でも、傍に居てね」
ピリッと引き締めた空気をふわりと崩してリューラは微笑んだ。
こうやって穏やかで親しみやすく振る舞っているのは市民とも近くに居て話を聞きやすくするためだろう。
面倒だし、時間も取られるし、危険も伴うのにそれを続けるのは本気で国民みんなの幸せを願うからだ。
「陛下っ!!」
「リューラ様~っ!!」
「王様~!!」
リューラが出てきたことに気づいて歓声が上がる。
でも、押し寄せて来ないことが不思議だった。
「ご自身の目でご確認下さい。これが陛下の積み上げてこられたものです」
コソッとジナンに言われてリューラに目をやる。
一応衛兵が囲んでいるが、すぐにリューラは一歩前に出て握手をしたり、笑顔で話したり気さくに対話を始めた。
それを我も!と押し退けてくる者は居ない。
「この宣言を待っていました!」
「これで彼女と別れなくていいかもしれません!」
感謝の声が聞かれる中、
「デカいことするとは思っていたがこうくるとはなぁ!っとすいませんっ!!」
そうやって気を抜いていたやつにもリューラは「構わない」と笑顔で話しに行く。
「私たちは動植物ではない、考えて感じる生き物です。気持ちを無視して子を残すだけの婚姻だなんて寂しいと思いませんか?」
笑顔で意見を求めて話し込んでいた。
まだ日は浅いのに王としての風格さえ感じる気がした。
「扉を開きます」
ジナンが指示をすると、俺たちの周りを衛兵たちが取り囲む。
「でも、傍に居てね」
ピリッと引き締めた空気をふわりと崩してリューラは微笑んだ。
こうやって穏やかで親しみやすく振る舞っているのは市民とも近くに居て話を聞きやすくするためだろう。
面倒だし、時間も取られるし、危険も伴うのにそれを続けるのは本気で国民みんなの幸せを願うからだ。
「陛下っ!!」
「リューラ様~っ!!」
「王様~!!」
リューラが出てきたことに気づいて歓声が上がる。
でも、押し寄せて来ないことが不思議だった。
「ご自身の目でご確認下さい。これが陛下の積み上げてこられたものです」
コソッとジナンに言われてリューラに目をやる。
一応衛兵が囲んでいるが、すぐにリューラは一歩前に出て握手をしたり、笑顔で話したり気さくに対話を始めた。
それを我も!と押し退けてくる者は居ない。
「この宣言を待っていました!」
「これで彼女と別れなくていいかもしれません!」
感謝の声が聞かれる中、
「デカいことするとは思っていたがこうくるとはなぁ!っとすいませんっ!!」
そうやって気を抜いていたやつにもリューラは「構わない」と笑顔で話しに行く。
「私たちは動植物ではない、考えて感じる生き物です。気持ちを無視して子を残すだけの婚姻だなんて寂しいと思いませんか?」
笑顔で意見を求めて話し込んでいた。
21
あなたにおすすめの小説
え、待って。「おすわり」って、オレに言ったんじゃなかったの?!【Dom/Sub】
水城
BL
マジメな元体育会系Subの旗手元気(はたて・げんき、二十代公務員)は、プチ社畜。
日曜日、夕方近くに起き出して、その日初めての食事を買いに出たところで、いきなり「おすわり」の声。
身体が勝手に反応して思わずその場でKneelする旗手だったが、なんと。そのcommandは、よその家のイヌに対してのモノだった。
犬の飼い主は、美少年な中学生。旗手は成り行きで、少年から「ごほうび」のささみジャーキーまで貰ってしまう始末。
え、ちょっと待って。オレってこれからどうなっちゃうの?! な物語。
本を読まない図書館職員と本が大好きな中学生男子。勘違いな出会いとそれからの話。
完結後の投稿です。
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
【R18】兄弟の時間【BL】
菊
BL
色々あってニートになった僕、斑鳩 鷹は当たり前だけど両親にめっちゃ将来を心配されまさかの離島暮らしを提案されてしまう。
待ってくれよ! アマゾンが当日配送されないとこなんて無理だし、アニメイトがない世界に住めるか!
斯くて僕は両親が改心すればと家出を決意したが行く宛はなく、行きついたさきはそいつの所だった。
「じゃぁ結婚しましょうか」
眼鏡の奥の琥珀の瞳が輝いて、思わず頷きそうになったけど僕はぐっと堪えた。
そんな僕を見て、そいつは優しく笑うと机に置かれた手を取って、また同じ言葉を言った。
「結婚しましょう、兄さん」
R18描写には※が付いてます。
令嬢に転生したと思ったけどちょっと違った
しそみょうが
BL
前世男子大学生だったが今世では公爵令嬢に転生したアシュリー8歳は、王城の廊下で4歳年下の第2王子イーライに一目惚れされて婚約者になる。なんやかんやで両想いだった2人だが、イーライの留学中にアシュリーに成長期が訪れ立派な青年に成長してしまう。アシュリーが転生したのは女性ではなくカントボーイだったのだ。泣く泣く婚約者を辞するアシュリーは名前を変えて王城の近衛騎士となる。婚約者にフラれて隣国でグレたと噂の殿下が5年ぶりに帰国してーー?
という、婚約者大好き年下王子☓元令嬢のカントボーイ騎士のお話です。前半3話目までは子ども時代で、成長した後半にR18がちょこっとあります♡
短編コメディです
リスタート 〜嫌いな隣人に構われています〜
黒崎サトウ
BL
男子大学生の高梨千秋が引っ越したアパートの隣人は、生涯許さないと決めた男であり、中学の頃少しだけ付き合っていた先輩、柳瀬英司だった。
だが、一度鉢合わせても英司は千秋と気づかない。それを千秋は少し複雑にも思ったが、これ好都合と英司から離れるため引越しを決意する。
しかしそんな時、急に英司が家に訪問してきて──?
年上執着×年下強気
二人の因縁の恋が、再始動する。
*アルファポリス初投稿ですが、よろしくお願いします。
あなたがいい~妖精王子は意地悪な婚約者を捨てて強くなり、幼馴染の護衛騎士を選びます~
竜鳴躍
BL
―政略結婚の相手から虐げられ続けた主人公は、ずっと見守ってくれていた騎士と…―
アミュレット=バイス=クローバーは大国の間に挟まれた小国の第二王子。
オオバコ王国とスズナ王国との勢力の調整弁になっているため、オオバコ王国の王太子への嫁入りが幼い頃に決められ、護衛のシュナイダーとともにオオバコ王国の王城で暮らしていた。
クローバー王国の王族は、男子でも出産する能力があるためだ。
しかし、婚約相手は小国と侮り、幼く丸々としていたアミュレットの容姿を蔑み、アミュレットは虐げられ。
ついには、シュナイダーと逃亡する。
実は、アミュレットには不思議な力があり、シュナイダーの正体は…。
<年齢設定>※当初、一部間違っていたので修正済み(2023.8.14)
アミュレット 8歳→16歳→18歳予定
シュナイダー/ハピネス/ルシェル 18歳→26歳→28歳予定
アクセル 10歳→18歳→20歳予定
ブレーキ 6歳→14歳→16歳予定
【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる
ざっしゅ
BL
気づけば、男の婚約者がいる悪役として転生してしまったソウタ。
この小説は、主人公である皇太子ルースが、悪役たちの陰謀によって記憶を失い、最終的に復讐を遂げるという残酷な物語だった。ソウタは、自分の命を守るため、原作の悪役としての行動を改め、記憶を失ったルースを友人として大切にする。
ソウタの献身的な行動は周囲に「ルースへの深い愛」だと噂され、ルース自身もその噂に満更でもない様子を見せ始める。
【完結】異世界から来た鬼っ子を育てたら、ガッチリ男前に育って食べられた(性的に)
てんつぶ
BL
ある日、僕の住んでいるユノスの森に子供が一人で泣いていた。
言葉の通じないこのちいさな子と始まった共同生活。力の弱い僕を助けてくれる優しい子供はどんどん大きく育ち―――
大柄な鬼っ子(男前)×育ての親(平凡)
20201216 ランキング1位&応援ありがとうごございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる