わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい

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プロポーズ

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「見ていいの?」

 嬉しそうなリューラに頷いてからその手に箱を乗せてやる。
 リューラはそれを愛おしげに眺めてこっちを一度見てからゆっくり開いた。
 中にあるのは二つ並んだリング。

「っ……サラ」

 泣きそうにも見えるその顔に近付くとキスが落ちてきてピタリと合わさる。

「……俺も……覚悟したから」
「ん?」

 離れながら呟くと、リューラは少し首を傾げた。

「たぶん俺が想像してる以上にお前は王としてかなりの重責を背負っていて……俺が支えてやれることなんてほとんどないかもしれない」

 フルフルと首を振るリューラに触れると、リューラは俺の手にそっと寄り添って軽く目を閉じる。

「でも、俺も何だってやってやるし、諦めねぇ。で……どんなお前だって受け止めてやりてぇんだよ」

 目を開いたリューラの青い瞳。
 それをしばらく見つめてから箱の中にあるリングに手を伸ばす。
 サイズは店の男が知っていて、俺よりかなり太さもあることは少し面白くなかった。
 だが、あんな小さくて俺の後ばかり付いてくる泣き虫だったリューラも、今は俺より背も何もかもデカくなった立派なこの国の王だ。
 昔のようにこいつの前に立って歩くより、ちゃんと隣に並んでいたい。

「俺を……共に居させてくれるか?」

 大きい方のリングを手にして差し出すと、リューラは表情を緩めた。

「もちろん!俺にはサラしか居ないよ」

 そうして、「着けて♡」と甘えてくる。
 リューラの手を取ってゆっくりその指にリングを通した。
 城の宝飾品のほとんどを扱う店なだけあって、そのサイズはピッタリだ。
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