わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい

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祝福

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 その後、用意された料理を囲んで笑うサフィナとオリバー、そして、村人たち。

「幸せそうですねぇ」

 歩いてきたジョンはネロと手を繋いでいた。
 そんな二人の表情も明るい。

「お前たちもな」

 笑って話していると、

「すまなかったな。これまで隠すような真似をして」

 父さんが歩いてきたらしく後ろから声がした。
 振り返ると、眉を少し寄せて父さんが頭を下げる。

「ちょっ!!レイモンド公爵っ!!やめて下さいっ!むしろ、私たちは感謝してますからっ!!」

 ジョンが慌てて父さんの頭を上げさせると、ネロもその傍らに立った。

「引き離される私たちをこれまで共に居られるようにして下さったのは先王さまと公爵です」
「僕たちは幸せですよ」

 微笑む二人を見て、父さんは目を潤ませる。

「御二人が力を貸して下さった者は皆感謝してもし足りないくらいの恩を感じております」

 そこにハロルドとレオナルドもやってきた。
 背に手の甲を当てて頭を下げる様子は騎士だった頃の姿を彷彿とさせる。

「今回の開発に参加した多くはその恩返しのつもりでした」

 ハロルドの完全な忠誠の姿とその言葉で、ここにも父さんの力が働いていたことを実感した。
 この開発は俺が成し遂げたものではない。
 多くの協力があっての開発だった。

「そして……」

 微笑むハロルドがこっちを向く。

「あの場所から出てこの村の中心に移り、今、誰からも隠れることなく生活ができるのは陛下とサライド様のお陰です」

 その温かい言葉にうるっときてしまった。
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