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忙殺
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「位置について、よーい……」
スターターを鳴らす前に黄色のビブスが飛び出してしまってもう一度鳴らして止める。
飛び出した黄色の一年生の顔が思いっきり歪んだのを見て、とっさにマイクを掴んだ。
「大丈夫!早くバトン渡したかったね。でも、今度は音をよく聞いて……練習を思い出してみましょう」
泣きかけていた一年生はグッと目元を拭って大きく頷く。
俺も頷くと、再びスタートラインに居た先生が整列させてくれて準備は整った。
「位置について、よーい……」
今度はうまくスタートをきって一斉に走り出す。
黄色いビブスの洋平と緑のビブスの宏太もいつものように二人で肩を組んで大声をあげていた。
クラスでいつも見る光景ではあるが、運動会の練習中は紅と白でチームが違ったこともあって言い合いも多かったのに……。
「青、緑、紫、赤、白、黄色……」
指令台の下の先生と一応確認してからまっすぐ立つと、ゴール付近で結果を記録している先生が紙を持って走ってくる。
俺は赤と白の旗をそれぞれ手に持って再びマイクの前に近づいた。
「結果を発表します」
男女どっちも一位も二位も白でみんな結果はわかりきっているはずなのに訪れた静寂。
真剣な顔でこっちを見つめる目がほとんどこっちに向いていて嬉しくなる。
「白!」
旗を挙げて白が喜びの声をあげたが、すぐにどっちもみんなで拍手をしていてその和やかな雰囲気に俺は感動しっぱなしだった。
スターターを鳴らす前に黄色のビブスが飛び出してしまってもう一度鳴らして止める。
飛び出した黄色の一年生の顔が思いっきり歪んだのを見て、とっさにマイクを掴んだ。
「大丈夫!早くバトン渡したかったね。でも、今度は音をよく聞いて……練習を思い出してみましょう」
泣きかけていた一年生はグッと目元を拭って大きく頷く。
俺も頷くと、再びスタートラインに居た先生が整列させてくれて準備は整った。
「位置について、よーい……」
今度はうまくスタートをきって一斉に走り出す。
黄色いビブスの洋平と緑のビブスの宏太もいつものように二人で肩を組んで大声をあげていた。
クラスでいつも見る光景ではあるが、運動会の練習中は紅と白でチームが違ったこともあって言い合いも多かったのに……。
「青、緑、紫、赤、白、黄色……」
指令台の下の先生と一応確認してからまっすぐ立つと、ゴール付近で結果を記録している先生が紙を持って走ってくる。
俺は赤と白の旗をそれぞれ手に持って再びマイクの前に近づいた。
「結果を発表します」
男女どっちも一位も二位も白でみんな結果はわかりきっているはずなのに訪れた静寂。
真剣な顔でこっちを見つめる目がほとんどこっちに向いていて嬉しくなる。
「白!」
旗を挙げて白が喜びの声をあげたが、すぐにどっちもみんなで拍手をしていてその和やかな雰囲気に俺は感動しっぱなしだった。
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