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第1章「警察官になりました」
8話「幸せを見つけて」
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×月××日
孫を亡くし、悲しみに暮れていた私のところにやって来た男は孫を
取り戻す方法を教えてくれた。月輪と名乗る男はあんな若いナリして
私と同じ90歳だというのだ。
「…何やってんだ」
「ラジオ体操」
城戸巌の質問に当然のように答えているが彼には理解できない。
「おじちゃん、知らないの?もっと元気に楽しく遊ぶための
準備運動だよ。これをすると病気になりにくいんだって!」
夏休みの時期、神社や公園で子どもたちが集まりラジオ体操をする。
舞雪が色々持ってきたのだろう。特別迷惑になるようなことでも無いし
彼はそのまま放置した。
「もう一つ、理由が出来てしまいましたね。彼女に話せない理由」
樋宮 悟は薄暗い部屋を訪れた。資料整理の
手伝いだ。話せない理由はこの事件に自身の元居た家系の誰かが関与している
という事実だ。記憶に関しては幼い頃の事だからほとんど覚えていないと
彼女は言っていたが、気分は良くないだろう。
「だーるーまーさーんーがー転んだ!」
舞雪は振り返る。次に彼女が目を隠した時に少し強い力でリコが舞雪の背中を
タッチした。
「お、見ろよあれ!」
神結時彦が指差したのは空だった。少しだけ薄くなっている虹が見えた。
「わぁ、キレイ!!!」
「だね~!結構大きい虹だよ」
雲一つない空だからこそ、より綺麗に虹が見えた。ふと屈み込んだ舞雪が「えぇ!?」
という驚きの声を上げた。雑草が茂っているその中にあるものを見つけた。
「四つ葉のクローバーがあった!」
「あ、ここにも!!」
リコも自身の足元に生える草の中から一つ見つけた。
「でも四つ葉のクローバーって何?」
「見つけると幸せになるんだよ」
「そうなの!?よし、もっともっと探すぞー!!」
と、リコは張り切っていた。暫くは雑草の中から四葉のクローバーを探す
ことになりそうだ。彼女たちが見つけた幸せは後どれぐらい続いてくれるのだろうか。
「皆で何をしているんですか」
そう声をかけて来たのは樋宮悟だった。リコは四葉のクローバーの束を見せた。
「これを探してたんだよ!」
「沢山ありますね」
リコの視線は悟に向けられていなかった。視線の先には調べ物と睨めっこをしている
城戸巌がいた。
「おじちゃん、ずっとあんな感じだね」
「あれもお仕事なんですよ。邪魔をしないようにしましょうね」
「お姉ちゃんは?いつも私と遊んでくれるけど、お仕事は無いの?」
次にリコが目を向けたのは舞雪だった。
「手伝いはしたいけど、調べる方は人が足りてるみたいだし資料を運んだり
するのは結構力が必要なんだよ。私はちょっと足手まといになっちゃうかな」
「力持ちの人が必要なんだ。じゃあこっちのお兄ちゃんは力持ち?」
「少なくとも私よりは力持ち」
他愛も無い会話。ちょっとした話にもリコは強い興味を示す。そんな彼女との
交流も刻一刻と終わりが近づいていた。
孫を亡くし、悲しみに暮れていた私のところにやって来た男は孫を
取り戻す方法を教えてくれた。月輪と名乗る男はあんな若いナリして
私と同じ90歳だというのだ。
「…何やってんだ」
「ラジオ体操」
城戸巌の質問に当然のように答えているが彼には理解できない。
「おじちゃん、知らないの?もっと元気に楽しく遊ぶための
準備運動だよ。これをすると病気になりにくいんだって!」
夏休みの時期、神社や公園で子どもたちが集まりラジオ体操をする。
舞雪が色々持ってきたのだろう。特別迷惑になるようなことでも無いし
彼はそのまま放置した。
「もう一つ、理由が出来てしまいましたね。彼女に話せない理由」
樋宮 悟は薄暗い部屋を訪れた。資料整理の
手伝いだ。話せない理由はこの事件に自身の元居た家系の誰かが関与している
という事実だ。記憶に関しては幼い頃の事だからほとんど覚えていないと
彼女は言っていたが、気分は良くないだろう。
「だーるーまーさーんーがー転んだ!」
舞雪は振り返る。次に彼女が目を隠した時に少し強い力でリコが舞雪の背中を
タッチした。
「お、見ろよあれ!」
神結時彦が指差したのは空だった。少しだけ薄くなっている虹が見えた。
「わぁ、キレイ!!!」
「だね~!結構大きい虹だよ」
雲一つない空だからこそ、より綺麗に虹が見えた。ふと屈み込んだ舞雪が「えぇ!?」
という驚きの声を上げた。雑草が茂っているその中にあるものを見つけた。
「四つ葉のクローバーがあった!」
「あ、ここにも!!」
リコも自身の足元に生える草の中から一つ見つけた。
「でも四つ葉のクローバーって何?」
「見つけると幸せになるんだよ」
「そうなの!?よし、もっともっと探すぞー!!」
と、リコは張り切っていた。暫くは雑草の中から四葉のクローバーを探す
ことになりそうだ。彼女たちが見つけた幸せは後どれぐらい続いてくれるのだろうか。
「皆で何をしているんですか」
そう声をかけて来たのは樋宮悟だった。リコは四葉のクローバーの束を見せた。
「これを探してたんだよ!」
「沢山ありますね」
リコの視線は悟に向けられていなかった。視線の先には調べ物と睨めっこをしている
城戸巌がいた。
「おじちゃん、ずっとあんな感じだね」
「あれもお仕事なんですよ。邪魔をしないようにしましょうね」
「お姉ちゃんは?いつも私と遊んでくれるけど、お仕事は無いの?」
次にリコが目を向けたのは舞雪だった。
「手伝いはしたいけど、調べる方は人が足りてるみたいだし資料を運んだり
するのは結構力が必要なんだよ。私はちょっと足手まといになっちゃうかな」
「力持ちの人が必要なんだ。じゃあこっちのお兄ちゃんは力持ち?」
「少なくとも私よりは力持ち」
他愛も無い会話。ちょっとした話にもリコは強い興味を示す。そんな彼女との
交流も刻一刻と終わりが近づいていた。
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