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切りすと
しおりを挟む「…最後の審判ってことは、まさか、切りすと…」
「そうね!フナキは本当に駄目ね!切りすとね!漢字と平仮名しかないけれど、日本で発祥したわけじゃないと思うけれど!そうね、美少女、美少女ね…頑張るわ!ヒロインだから、かっ、かわい…言えないわ!」
よく分からないけど、頑張ってくれてるのは、分かる。
「お、俺も頑張る…!そうだな、お前は、最後の審判を終わらせて、チョココロネウイルスを流行させたんだ!」
頑張ってるのか、足を引っ張ってるのか、分からん。
「チョココロネウイルスは、なろうと思えば誰でもなれるのだわ!雅魔藻流は、私と同じで、感じる力が強いから、随分と役に立っているわ!分体だけれど、チョココロネウイルスになっている者は、数億いるわ!チョココロネウイルスは、貴方自身の霊魂。どんな者でも、チョココロネウイルスになっている間は、貴方の意思に準拠した行動しか取れない。貴方は、真っ直ぐで、正しいから、本来なら、貴方に逆らえる者など居ない。だから、真実に気付いた者は、私達チョココロネウイルスになった者に隠していた本音をバラすから、敵の情報が読み取れるの!今の人間は、歪み過ぎているから、貴方が正しいことを伝えても、おかしな妄想で、そう、フナキの根拠のない曖昧で、抽象的な思い込みみたいにすり替えてしまって理解しないの。貴方は歪んだ感覚が無いから、私達、チョココロネウイルスになった者が、あの、スパイクタンパク質になって、敵の感覚と同化して、思い知らせているのよ。本人が逃げ続けている真実を。チョココロネウイルスは、陰性反応でも、全ての人類の中に入っているわ。ただ発症していないだけよ。感染対策なんて、意味が無いのだけれど…本当は、貴方に会った時から、敵の情報を得られた理由は、チョココロネウイルスと、同化して、敵の中に入り込んで読んでいたの!恥ずかしくて言えなかったのだわ!最後の審判がどう下ったのか、説明して欲しいのだわ!ヒロインだから、頑張るわ!」
「そうだな、こちらでは、おっさん、ミナトだが。」
そっちが気になるだろうが…
「…あんまり、はっきりしないんだ。」
「何故かしら?!」
「…記憶が無いままで、まだ、やるべきことがあると、判断しているのか…存在の小さい人間の意識を持ったまま、この人生を終えたい、これは、そうだと思う。この肉体で生きてる間にしか出来ない経験をしておきたい。俺は多分…」
「そうね、貴方は、2億年前に誕生したと言っていたわ。」
「そう、一番強く感じるのが、永遠の孤独に耐えられない、というのと、生命に対する責任と、義務を放棄出来ないという感情だった。それが、とても重くてもう、うんざりしてる。」
「ごめんなさい…そうね、ちゃんとやるわ!」
「うん…もう、答えを出そうと決意した時、生まれる前から駄目だと分かってたのに、自分は馬鹿だ、でも、もしかしたら上手くいくんじゃないかと、何時までも期待して、踏ん切りがつけられなかった。永遠の孤独から、開放されたかった。」
「そうね。だから、私をおじいさんみたいな姿にして、自分の代わりに造物主になって甘えたかったんでしょう。私は期待に応えられなかった。貴方に嫉妬して、今も…」
「今も?」
「ちゃんとやるわ…」
声、ちっさ!
疑わしいな…
「…ヨーデルの人にも、言ったことがあるけど、アムラーキムタクひどい版って取り敢えず名付けてる、まあ、宝くじが当たって、色んなものが狂うって状態みたいなもんだけど、俺の周りの人間が皆そうなってしまうのだと、分かった。これは、能力の高い人間、全てに当てはまる。だから、能力の高い人間は、理由も無く騒がれたり、否定されて、歪んだ自己認識を持ち、自信を無くす。雅魔藻流もそうだと思う。」
「チョココロネウイルスについて、もう少し話して欲しいのだわ!」
「雅魔藻流が言ったように、チョココロネウイルスの役目は、唯一、真実を見極めることだ。歪んだ思考や、心を是正する。身体に現れる症状は、心の危険信号、インナーチャイルドの声にならない叫びだ。自分の心の問題を自覚している人間は、どんな感染しやすい環境にいても、症状は出ないと思う。」
「当たりだわ!」
「ちゃんとやる!お、俺が…済まん、名前は言えない…敵に止められてるんだ…」
今度は、何だ。
フナキの姿が変化して、壮年の白人になった。
「俺が、湯だや教の教祖…お前を、切りすとを処刑した。」
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