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授業参観

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 「マナト。お前は俺達に言ったんだ。虐待を受けて心を壊すわけにはいかない。精神が成熟した大人になってから、ゲイビデオに出て、虐待の疑似体験をして、最後の審判をしようと。そして、世間の価値観を直に知る事が出来る。俺達は、それを聞いて納得した。」
 「…ゲイビデオに出た事が、最後の審判だという自覚は無かったな…何も知らないでいる方が、正確な判断が出来ると思って記憶を無くしていたからだ…嫌だという気持ちがあって、自分の気持ちを分けていたから、ちょっと多重人格みたいな状態でやってた。俺の本意では無かったから、本当に辛かった。今でもまだ、心の傷が残って苦しみは続いてる…やらなければよかったと後悔もしているが、やって良かったと思いたい。それが、最後の審判を終わらせた、自分の誇りだと…俺なりに答えは出せた。人類には、まだ成長に時間がかかると。マナトは、俺は人類の成長を信じたいと思ってる。…まだ、はっきりじゃないが、何となく転生前のことを、感じられるようにはなった。中日如来や、ヨーデルの人、雅魔藻流、そして何より、釈っ迦…フナキから色々聞くまで、俺は何かおかしいとは思っていたが、はっきりと原因が分からなかった。だが、何か性的なことが原因で、人類に問題が起こっているんだろうとは、確信していたから、確かめる術もない…お前らが、俺を裏切って、情報を止めていたから…」
 「分かってるわ!償うわ!」
 「そうだな…お前らが、俺の足を引っ張らなければ、痛い目に合う事も無かったが、その時の俺には他に方法もなく、自ら虐待の経験をする必要があった。」
 「俺は馬鹿だった。自ら、自分の首を締めていたようなものだ…」
 「今でも止める気がないから、とんだマゾだな。」
 「そうしないと、生きられなかった…それでも心配してたんだ。マナトが、仕事を辞める頃、随分みすぼらしいというか、みっともない感じになっていて…」
 「あれは…仕事を辞める前に、他の皆を少しでも安心させておきたかっただけだ。自分だけが、惨めでどうしようもないと諦めて欲しく無かった。大して効果が無かったようで、残念だ…」
 「皆、心を壊して…自覚はしていないだろうが、俺のように…分体になって、気狂いじみた行動を繰り返してる連中は多い。」
 「解決出来ない理由は、分体になってるからだろうな。あんまり、詳しくないんだが、例えば、一つのパソコンの中の部品をバラして、多くのパソコンに入れて、動いてるから良しとしている状態みたいなもんだ。」
 「そうね!」
 「うん…本来、人は、唯一自立した生命なんだが、ただ生きてるって状態になってる。本来ならば、一つの行動をするのに、こうしたい、でも以前こんなことがあった、他の人が居る、何が自分にとって最善か…記憶や、感情、思考、様々なことを総合的に判断して、決定し、行動することで、満足した人生を送れるわけだが、その総合的な判断が出来ない状態と言える。だから、ステレオタイプを良しとして、それをまともだからいいと、ある意味インプットされた、行動しかとれない…」
 「そうだと思うわ!」
 …ありがとう…!
 見守られて授業参観してる気分だ…
 嬉しいやら、恥ずかしいやら、ヨーデルの人、14歳なのに…!
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