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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【2】
グレイ・ダージリン(218)
ララの処遇が無事(?)に決まったところで、ちらりとマリーを横目で見る。彼女が落ち着いて沈黙を守っている、ということは多分問題は無いんだろうけど――
「ただいま戻りました。リュサイ様は無事にお部屋に――何か、ございましたか?」
そんな事を考えていると、丁度侍女頭のマリエッテが戻って来た。
室内の雰囲気を察知して首を傾げた彼女に、こちらもララの処遇――アーベルトとの婚姻の話をする。
「まあまあ! それでは、全てが丸く治まったのですね。再三良い娘が居ないのかとせっついてはいたのですが、なかなか縁談が決まらず。私もこれはいよいよ気合いを入れてもっと手広くお相手を探すべきかと気を揉んでいたのです。
どんな経緯にしろ、これはメレン家としても願ってもない縁談ですわ。ルシエン様にもお知らせしなくては!」
と諸手を挙げて賛成の意を示すマリエッテ。降って湧いたような甥アーベルトの慶事に非常に喜んでいる。
いつもの凛とした仮面のような表情はどこへやら、少女が喜び燥ぐような今の満面の笑顔だ。
アーベルトは少し恥ずかしそうに「叔母上、落ち着いて下さい」と窘めている。
ちなみにルシエン様とは龍ノ庄当主ルシエン・メレン卿のことだ。
龍ノ庄は隠密騎士の里各地で作られた品々を交易することが生業。
聖地への旅路で陰ながら僕達を守護してくれていたというから、将来僕がカレドニアに赴く時も間違いなくお世話になるだろう。
カレドニア王国でもトラス王国でも、親アルビオン派は居るだろうし、妨害は必ず入ると僕は確信している。
ぽかんとする僕達の視線に少々はしゃぎ過ぎたと気付いたのだろう。マリエッテは我に返ったように「コホン、失礼致しましたわ」と居住まいを正してララに向き直る。そして両手を差し伸べると、ララの手を握って立ち上がるよう促した。
「ララ。貴女の身を案じておられたアルトガル様やアルドゥイン様のお気持ちを顧みずに仕出かしたことは、決して褒められたことではありませんでした。
貴女はその事をよくよく反省の上、今後の生き方で地の底に落ちた信頼を再び少しずつ積み上げて行かねばなりませんよ」
「はい……お言葉、胸にしかと刻みます。そして、グレイ猊下やマリアージュ様を始め、アルトガル様やアルドゥイン叔父様、マリエッテ様や他の侍女の方々、アーベルト様にも大変なご迷惑をお掛けしてしまいました。憎しみに突き動かされていたとはいえ、本当に……大変、申し訳ありませんでした」
謝意の深さを示すように、頭を深く下げ淑女の礼を取るララ。
「宜しい。亡くなられた貴女のご両親の為にも、これから新たな命を繋いで行きましょう。その命の灯は、きっと貴女の未来を照らしてくれるでしょうから」
「マリエッテ様……」
「今後は侍女ではなくアーベルトの嫁として貴女を遇します――ふふふ、メレン家の嫁として鍛えがいがあるわ」
「えっ」
そんなやり取りが交わされた後。
アーベルトとララ二人きりで話すこともあるだろうという事で、僕達は部屋を移動することとなった。
***
「一時はどうなるかと思ったけれど、『災い転じて福となす』ってね。本当に良かったわ」
部屋から出て暫く歩いたところで、マリーが立ち止まって微笑んだ。「聞き慣れない言葉ですが、その通りですな」とアルトガルが頷く。
「本音を申せばララがお慈悲を頂いた事――このアルトガル、感謝に堪えませぬ」
僕達に深々と頭を下げるアルトガル。アルドゥインもそれに倣った。
「うん、そんな気はしてたよ。アルトガルは立場上厳しい姿勢を見せていたけど、本当はララの処遇が軽くなることを望んでいたんだろうなって」
僕がそう言うと、マリーが微笑んで頷く。アルトガルは「敵いませんなぁ」と後頭部を搔きながら苦笑いだ。
「それでも今後、ララのような事が二度と無いように致します。傭兵達の引き締めを改めて行う所存にて」
「うん。私もマリーも一層大変になっていくだろうから、今後とも頼りにしてる。カレドニア王国だって、きっと一枚岩じゃないんだろうから」
ちらりと騎士ドナルドを見ると、彼は表情を硬くした。
「我が王、それは……」
「情勢は変わったわ。アルビオンが好色王やカレドニア王位の件を知る頃には疱瘡の病はもっと広がっているでしょうから、軍を動かすのは難しい。
好色王は切り捨てられるとして――仮に新アルビオン王が即位しても、カレドニアは脅威なのは間違いない。となれば、少数精鋭で暗殺仕掛けて来そうよねぇ……グレイの即位を承服出来ないカレドニアの勢力と結託するかも知れない」
マリーが思案気に白鳥の羽をあしらった冬仕様の扇をふわりと広げ口元を隠すと全員が頷いた。
味方面して近付いて来る――明らかな敵以上に危険な者達がそう遠くない未来にやって来ることだろう。僕もマリーと同意見だ。
「親アルビオン勢力は大分力を削がれた筈……もう我が国にはそのような売国奴は居ないと信じたいところですが……」等とドナルドは眉を顰めているけど、彼は自覚しているのだろうか――彼自身も味方面して要らない王位を騙し討ちのように僕に押し付けた人間だという事を。
「私が伝えた情報で、摂政のオーエン伯は物凄く頑張ってくれたわ。そのお陰でカレドニア国内はほぼ掌握したと言っても過言ではないけれど、聖女の力にも限界はある。オーエン伯も対アルビオン以外に、種痘・食糧増産・新産業振興等で忙しい。取りこぼした者達は必ず居るでしょう。だからこそ、これを逆手に取れば――」
「うん――良い炙り出しになるね」
「そういうこと。私達がカレドニアの地を踏むまでに、危険物や不要物は綺麗に掃除してしまわなくては」
「ふむ、順調に掃除が進んだとして。数年……カレドニアにも、我輩らの拠点構築をしたいところですな」
「そうね、大体それぐらいが目安かしらアルトガル。拠点があればオーエン伯には最大限の応援を送れるから、もっと早くなるかも知れないわ」
「オーエン伯だけにね」とちろりと舌を出すマリー。どういうことかと首を傾げる僕に、『オーエン』という音は前世で応援を意味する言葉なのだとマリーは笑いながら説明した。
雰囲気が和んだところで。
「ところでマリエッテ……アーベルトの縁談がなかなか決まらなかったのは、何か理由があるのかな?」
――いや、他意は無いんだけど、ちょっとした好奇心だから差し支えなければ話してくれたら。
先刻から気になっていた事を、言葉を選んで内心恐る恐る問いかける僕。マリエッテは少し首を傾げた後、「これは私個人の見解なのですが、」と上品に微笑んだ。
「あの子はどうにも愛情が大き過ぎて、受け止めるお相手が重く感じてしまうのかも知れませんわね」
「そ、そうなんだ……」
「マリエッテ様……ララはその生い立ちから、愛情を渇望しているところがあります。アーベルト殿がそのような御仁であるならば、叔父としても安心です。ふつつかな姪でございますが、今後とも何卒宜しくお願い致します」
「ええ、勿論お任せ下さいまし」
……結果的に嚙み合って上手く回るようであれば、良かったのかな?
『そうよ、破れ鍋に綴蓋って奴。ララがリュサイ様を嫌ったのも、ある意味同族嫌悪的な――自分も庇護され愛されるお姫様になりたいのに……っていう願望と羨ましさが心の奥底にあったんでしょうね。あの二人はきっと上手く行くわ』
脳裏に直接響く声と共にふわりと羽の先で鼻を擽られる。盛大にくしゃみをした僕に、マリーはくすくすと笑った。
「ただいま戻りました。リュサイ様は無事にお部屋に――何か、ございましたか?」
そんな事を考えていると、丁度侍女頭のマリエッテが戻って来た。
室内の雰囲気を察知して首を傾げた彼女に、こちらもララの処遇――アーベルトとの婚姻の話をする。
「まあまあ! それでは、全てが丸く治まったのですね。再三良い娘が居ないのかとせっついてはいたのですが、なかなか縁談が決まらず。私もこれはいよいよ気合いを入れてもっと手広くお相手を探すべきかと気を揉んでいたのです。
どんな経緯にしろ、これはメレン家としても願ってもない縁談ですわ。ルシエン様にもお知らせしなくては!」
と諸手を挙げて賛成の意を示すマリエッテ。降って湧いたような甥アーベルトの慶事に非常に喜んでいる。
いつもの凛とした仮面のような表情はどこへやら、少女が喜び燥ぐような今の満面の笑顔だ。
アーベルトは少し恥ずかしそうに「叔母上、落ち着いて下さい」と窘めている。
ちなみにルシエン様とは龍ノ庄当主ルシエン・メレン卿のことだ。
龍ノ庄は隠密騎士の里各地で作られた品々を交易することが生業。
聖地への旅路で陰ながら僕達を守護してくれていたというから、将来僕がカレドニアに赴く時も間違いなくお世話になるだろう。
カレドニア王国でもトラス王国でも、親アルビオン派は居るだろうし、妨害は必ず入ると僕は確信している。
ぽかんとする僕達の視線に少々はしゃぎ過ぎたと気付いたのだろう。マリエッテは我に返ったように「コホン、失礼致しましたわ」と居住まいを正してララに向き直る。そして両手を差し伸べると、ララの手を握って立ち上がるよう促した。
「ララ。貴女の身を案じておられたアルトガル様やアルドゥイン様のお気持ちを顧みずに仕出かしたことは、決して褒められたことではありませんでした。
貴女はその事をよくよく反省の上、今後の生き方で地の底に落ちた信頼を再び少しずつ積み上げて行かねばなりませんよ」
「はい……お言葉、胸にしかと刻みます。そして、グレイ猊下やマリアージュ様を始め、アルトガル様やアルドゥイン叔父様、マリエッテ様や他の侍女の方々、アーベルト様にも大変なご迷惑をお掛けしてしまいました。憎しみに突き動かされていたとはいえ、本当に……大変、申し訳ありませんでした」
謝意の深さを示すように、頭を深く下げ淑女の礼を取るララ。
「宜しい。亡くなられた貴女のご両親の為にも、これから新たな命を繋いで行きましょう。その命の灯は、きっと貴女の未来を照らしてくれるでしょうから」
「マリエッテ様……」
「今後は侍女ではなくアーベルトの嫁として貴女を遇します――ふふふ、メレン家の嫁として鍛えがいがあるわ」
「えっ」
そんなやり取りが交わされた後。
アーベルトとララ二人きりで話すこともあるだろうという事で、僕達は部屋を移動することとなった。
***
「一時はどうなるかと思ったけれど、『災い転じて福となす』ってね。本当に良かったわ」
部屋から出て暫く歩いたところで、マリーが立ち止まって微笑んだ。「聞き慣れない言葉ですが、その通りですな」とアルトガルが頷く。
「本音を申せばララがお慈悲を頂いた事――このアルトガル、感謝に堪えませぬ」
僕達に深々と頭を下げるアルトガル。アルドゥインもそれに倣った。
「うん、そんな気はしてたよ。アルトガルは立場上厳しい姿勢を見せていたけど、本当はララの処遇が軽くなることを望んでいたんだろうなって」
僕がそう言うと、マリーが微笑んで頷く。アルトガルは「敵いませんなぁ」と後頭部を搔きながら苦笑いだ。
「それでも今後、ララのような事が二度と無いように致します。傭兵達の引き締めを改めて行う所存にて」
「うん。私もマリーも一層大変になっていくだろうから、今後とも頼りにしてる。カレドニア王国だって、きっと一枚岩じゃないんだろうから」
ちらりと騎士ドナルドを見ると、彼は表情を硬くした。
「我が王、それは……」
「情勢は変わったわ。アルビオンが好色王やカレドニア王位の件を知る頃には疱瘡の病はもっと広がっているでしょうから、軍を動かすのは難しい。
好色王は切り捨てられるとして――仮に新アルビオン王が即位しても、カレドニアは脅威なのは間違いない。となれば、少数精鋭で暗殺仕掛けて来そうよねぇ……グレイの即位を承服出来ないカレドニアの勢力と結託するかも知れない」
マリーが思案気に白鳥の羽をあしらった冬仕様の扇をふわりと広げ口元を隠すと全員が頷いた。
味方面して近付いて来る――明らかな敵以上に危険な者達がそう遠くない未来にやって来ることだろう。僕もマリーと同意見だ。
「親アルビオン勢力は大分力を削がれた筈……もう我が国にはそのような売国奴は居ないと信じたいところですが……」等とドナルドは眉を顰めているけど、彼は自覚しているのだろうか――彼自身も味方面して要らない王位を騙し討ちのように僕に押し付けた人間だという事を。
「私が伝えた情報で、摂政のオーエン伯は物凄く頑張ってくれたわ。そのお陰でカレドニア国内はほぼ掌握したと言っても過言ではないけれど、聖女の力にも限界はある。オーエン伯も対アルビオン以外に、種痘・食糧増産・新産業振興等で忙しい。取りこぼした者達は必ず居るでしょう。だからこそ、これを逆手に取れば――」
「うん――良い炙り出しになるね」
「そういうこと。私達がカレドニアの地を踏むまでに、危険物や不要物は綺麗に掃除してしまわなくては」
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「そうね、大体それぐらいが目安かしらアルトガル。拠点があればオーエン伯には最大限の応援を送れるから、もっと早くなるかも知れないわ」
「オーエン伯だけにね」とちろりと舌を出すマリー。どういうことかと首を傾げる僕に、『オーエン』という音は前世で応援を意味する言葉なのだとマリーは笑いながら説明した。
雰囲気が和んだところで。
「ところでマリエッテ……アーベルトの縁談がなかなか決まらなかったのは、何か理由があるのかな?」
――いや、他意は無いんだけど、ちょっとした好奇心だから差し支えなければ話してくれたら。
先刻から気になっていた事を、言葉を選んで内心恐る恐る問いかける僕。マリエッテは少し首を傾げた後、「これは私個人の見解なのですが、」と上品に微笑んだ。
「あの子はどうにも愛情が大き過ぎて、受け止めるお相手が重く感じてしまうのかも知れませんわね」
「そ、そうなんだ……」
「マリエッテ様……ララはその生い立ちから、愛情を渇望しているところがあります。アーベルト殿がそのような御仁であるならば、叔父としても安心です。ふつつかな姪でございますが、今後とも何卒宜しくお願い致します」
「ええ、勿論お任せ下さいまし」
……結果的に嚙み合って上手く回るようであれば、良かったのかな?
『そうよ、破れ鍋に綴蓋って奴。ララがリュサイ様を嫌ったのも、ある意味同族嫌悪的な――自分も庇護され愛されるお姫様になりたいのに……っていう願望と羨ましさが心の奥底にあったんでしょうね。あの二人はきっと上手く行くわ』
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