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貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
女の涙は秘密を隠す。
がらんどうになった愛馬を呆然と見つめるグレイとギャヴィン。ギャヴィンは兎も角として、グレイは……。
な、何とかしなきゃ。いや、もう手遅れ……?
私の頭の中は次から次へとやってきた一連の出来事にいっぱいいっぱいだった。
周囲に気を配れる程安心してくると、殺されかけたという恐怖が耐えていた分一気に押し寄せて来て――視界が潤む。
「グレイ、私…私……!」
「ッ――マリー、大丈夫!? 怪我はない? って、頬が赤くなってるじゃないか、殴られたの!?」
グレイは焦ったように駆け寄ってきて抱きしめてくれた。涙が溢れてくる。私は嗚咽を漏らしながら頷いた。
「何て事だ、女性の顔を殴るとは……」
ギャヴィンの険しい声。サリーナが「先日、フレール・リプトン様が当家にいらっしゃいました。その時、フレール様も暴力を受けていると仰っていましたので、女性を殴る事に既に抵抗はないのでしょう」と私に代わって説明をしているのが聞こえる。
「酷い事をされかけた上に刃物を持ってたから怖かったよね。命が無事で本当に良かった……」
言いながら、グレイはぎゅっと包みこんでくれた。あやすように背中を撫でたりポンポンしたりしてくれる。一層涙が止まらなくなった私はグレイにぎゅっとしがみ付いた。
「曲者は当家の者が対応しているので、ずっとこの場所に居ても仕方ありません。一先ず落ち着ける場所に移動しましょう。手当てもせねばなりませんので、こちらへ」
サリーナが誘導し、自室へと向かった。噴水でハンカチを濡らして絞って応急処置として私の殴られた頬にあてがい、移動する途中別の使用人を呼び止めて、父への報告と扉の前の警護、手当て道具を要請する事も忘れない。グレイとギャヴィンは身支度もあるだろうからと別室で待つそうだ。
自室に着いた頃には私はすっかり泣き止んでいた。手当てを施されて身形を整えられ、水を飲む頃には多少落ち着きを取り戻していた。
彼らの待つ別室へ向かうと、グレイが気遣わし気な眼差しを向けて来た。ギャヴィンも同様だ。
「……落ち着いた?」
「ええ。グレイが来てくれて本当に良かったわ」
「マリーがパーティーに出ないって言ってたから、無聊を慰めに来たんだけどまさかあんな事になっていたなんて……」
彼は私が一人きりで部屋に籠っている私を想像したのかも知れない。きっと寂しくないかと心配して来てくれたのだろう。私は小さな声でありがとう、と言った。
「あの男は招待されて無い筈だけど、どうやってうちに潜り込んだのかしら……」
自問自答するように呟くと、ギャヴィンが「私も驚きましたよ」と言う。
「奥向きの場所でしたよね、あそこは。迷い込んでしまった私が言うのも何ですが、私は招待を受けておりましたから。怪しまれ無かったという事は、誰かが手引きでもしたのでしょうか?」
「畏れながら、当家の使用人でそのような事をする者などおりません!」
ギャヴィンの言葉は流石に聞き捨てならなかったのだろう。サリーナが眉を吊り上げて抗議する。ギャヴィンは気を悪くした様子も無く「これは失礼を」と素直に謝罪の言葉を述べた。
「ただ、手引きが可能なのはこの家の使用人とは限りません」
「招待客の誰かが連れて来た……?」
グレイが呟くと、ギャヴィンはええ、と頷いた。
「今日はパーティーが行われていますよね。招待客も大勢居る。その可能性の方が高いです。あの男が捕まればすぐに分かる事ですが」
メイソンは捕まった頃だろうか。それともまだ広大な敷地内で馬の脚共や警備達と壮大な鬼ごっこを繰り広げているのだろうか。どの道メイソンが捕まるのを待つしかない。
そんな事を考えていると、ふと今更な疑問が湧いた。
「ところで、ウエッジウッド様は何故グレイと一緒にいらっしゃいましたの?」
「ああ、パーティーには殿下の御供としてご招待に与ったのですが、姫のお姿が会場に無かったものですから。殿下の代わりにご機嫌伺いに参ったのですよ」
「ご機嫌伺い……独身で婚約者もおられない殿下がこのような一令嬢に過分なお心配りを下さるのは嬉しいのですが、私は何分婚約者のある身――口さがない者も多くおりましょう、臣下の婚約者に横恋慕した等と、殿下の醜聞になってしまう事を恐れるばかりですわ」
先日あれだけ言ったのに、殿下にはいまいち通じて無かったのだろうか。それともギャヴィンが報告してない?
ご機嫌伺いとか要らん事せんでいいのに。つーか、放っておいて欲しい。
そんな思いが表情に出ていたらしい。
「相変わらず手厳しいですね……」
肩を竦めてわざとらしく溜息を吐くギャヴィン。「正直に言えば、アルバート殿下は貴女を賢く奥ゆかしい女性だと好ましく思われています。殿下がその気になれば彼と婚約を破棄させて貴女を無理に召し出す事も出来るのに、お約束を律儀に守られ私を遣わせているのも、全て姫の不興を買わぬ為なのですが」
その言葉に私はぎょっとした。
「そんな話が出てますの!?」
「そんな!」
グレイも同時に同じ事を思ったようで、顔を青褪めさせて叫ぶ。ギャヴィンは「出てませんよ、まだ」と飄々としている。
「ただ、あまり邪険にされると出る可能性があるかと」
「何故、そこまで……」
本気で訳が分からない。殿下とお目通りした時に私に一目惚れした訳でもないだろうに。
何だか気味悪くなってきた。
呟いた私に、ギャヴィンが感情の読めない静かな眼差しをこちらに向ける。
「そこまでのものなのですよ、マリアージュ様の価値は」
「……そうでしょうね」
苦々しい表情のグレイ。ギャヴィンはふっと目で笑う。
「グレイ殿の方がよほど分かっていらっしゃる。ですので、ある程度は私を通じて交流を持たれた方が良いと思いますよ。そうすれば殿下も強硬手段は取られないでしょう」
ウインクが飛んできた。思わずそれを避けるように上体を動かす。自然、眉間に皺が寄った。殿下よりもこいつの方が厄介だと本能が告げている。内心警戒心MAXである。
「殿下に入知恵しているのは貴方ですわよね……何を考えておりますの?」
私が切り込むと、ギャヴィンは悪戯がバレた子供のような表情になった。
「おや、バレましたか。さっき申し上げた以上の事は何も考えていませんよ。貴女には嫌われていますが、私個人の気持ちは是非とも友人ぐらいにはなりたいと思っています。何より貴女は見ていて面白いですからね、色々と。そうそう、先日お会いした時も貴女が曲者だと叫んだ後――」
「おっ、お友達ぐらいならなってやっても良いですわ!」
焦った私は間髪入れずに大声を上げた。グレイが怪訝な顔をする。折角最高機密の事を誤魔化せると思ったのに、ほじくり返されては堪らない。ギャヴィンは呆気にとられた後、何かに気付いたようにニーッと嫌な笑みを浮かべた。
「じゃあ決まりですね。私の事はギャヴィンとお呼びください。マリー様とお呼びしても?」
私は唇を噛んで頷いた。結果としてこっちが「ギャヴィン」と言わされたのだ。悔しいぃ……グレイさえ此処に居なければ色々やり返しようがあったのに。
しかしである。本性を出すのが難しくなるのはきっと相手も同じだろう。
「……条件がありますわ。ギャヴィン様にはグレイが傍に居る時にしかお会いしません」
絶対にだ。グレイにも「それでいいですわね」と同意を得る。グレイとしてもギャヴィンを警戒しているのですぐに頷いてくれた。
「構いませんよ。お互い醜聞は避けたいものですしね」
私の出した条件にあっさりと了承するギャヴィン。「では用は終わった事ですし、会場へ戻ります」と部屋を出て行った。
な、何とかしなきゃ。いや、もう手遅れ……?
私の頭の中は次から次へとやってきた一連の出来事にいっぱいいっぱいだった。
周囲に気を配れる程安心してくると、殺されかけたという恐怖が耐えていた分一気に押し寄せて来て――視界が潤む。
「グレイ、私…私……!」
「ッ――マリー、大丈夫!? 怪我はない? って、頬が赤くなってるじゃないか、殴られたの!?」
グレイは焦ったように駆け寄ってきて抱きしめてくれた。涙が溢れてくる。私は嗚咽を漏らしながら頷いた。
「何て事だ、女性の顔を殴るとは……」
ギャヴィンの険しい声。サリーナが「先日、フレール・リプトン様が当家にいらっしゃいました。その時、フレール様も暴力を受けていると仰っていましたので、女性を殴る事に既に抵抗はないのでしょう」と私に代わって説明をしているのが聞こえる。
「酷い事をされかけた上に刃物を持ってたから怖かったよね。命が無事で本当に良かった……」
言いながら、グレイはぎゅっと包みこんでくれた。あやすように背中を撫でたりポンポンしたりしてくれる。一層涙が止まらなくなった私はグレイにぎゅっとしがみ付いた。
「曲者は当家の者が対応しているので、ずっとこの場所に居ても仕方ありません。一先ず落ち着ける場所に移動しましょう。手当てもせねばなりませんので、こちらへ」
サリーナが誘導し、自室へと向かった。噴水でハンカチを濡らして絞って応急処置として私の殴られた頬にあてがい、移動する途中別の使用人を呼び止めて、父への報告と扉の前の警護、手当て道具を要請する事も忘れない。グレイとギャヴィンは身支度もあるだろうからと別室で待つそうだ。
自室に着いた頃には私はすっかり泣き止んでいた。手当てを施されて身形を整えられ、水を飲む頃には多少落ち着きを取り戻していた。
彼らの待つ別室へ向かうと、グレイが気遣わし気な眼差しを向けて来た。ギャヴィンも同様だ。
「……落ち着いた?」
「ええ。グレイが来てくれて本当に良かったわ」
「マリーがパーティーに出ないって言ってたから、無聊を慰めに来たんだけどまさかあんな事になっていたなんて……」
彼は私が一人きりで部屋に籠っている私を想像したのかも知れない。きっと寂しくないかと心配して来てくれたのだろう。私は小さな声でありがとう、と言った。
「あの男は招待されて無い筈だけど、どうやってうちに潜り込んだのかしら……」
自問自答するように呟くと、ギャヴィンが「私も驚きましたよ」と言う。
「奥向きの場所でしたよね、あそこは。迷い込んでしまった私が言うのも何ですが、私は招待を受けておりましたから。怪しまれ無かったという事は、誰かが手引きでもしたのでしょうか?」
「畏れながら、当家の使用人でそのような事をする者などおりません!」
ギャヴィンの言葉は流石に聞き捨てならなかったのだろう。サリーナが眉を吊り上げて抗議する。ギャヴィンは気を悪くした様子も無く「これは失礼を」と素直に謝罪の言葉を述べた。
「ただ、手引きが可能なのはこの家の使用人とは限りません」
「招待客の誰かが連れて来た……?」
グレイが呟くと、ギャヴィンはええ、と頷いた。
「今日はパーティーが行われていますよね。招待客も大勢居る。その可能性の方が高いです。あの男が捕まればすぐに分かる事ですが」
メイソンは捕まった頃だろうか。それともまだ広大な敷地内で馬の脚共や警備達と壮大な鬼ごっこを繰り広げているのだろうか。どの道メイソンが捕まるのを待つしかない。
そんな事を考えていると、ふと今更な疑問が湧いた。
「ところで、ウエッジウッド様は何故グレイと一緒にいらっしゃいましたの?」
「ああ、パーティーには殿下の御供としてご招待に与ったのですが、姫のお姿が会場に無かったものですから。殿下の代わりにご機嫌伺いに参ったのですよ」
「ご機嫌伺い……独身で婚約者もおられない殿下がこのような一令嬢に過分なお心配りを下さるのは嬉しいのですが、私は何分婚約者のある身――口さがない者も多くおりましょう、臣下の婚約者に横恋慕した等と、殿下の醜聞になってしまう事を恐れるばかりですわ」
先日あれだけ言ったのに、殿下にはいまいち通じて無かったのだろうか。それともギャヴィンが報告してない?
ご機嫌伺いとか要らん事せんでいいのに。つーか、放っておいて欲しい。
そんな思いが表情に出ていたらしい。
「相変わらず手厳しいですね……」
肩を竦めてわざとらしく溜息を吐くギャヴィン。「正直に言えば、アルバート殿下は貴女を賢く奥ゆかしい女性だと好ましく思われています。殿下がその気になれば彼と婚約を破棄させて貴女を無理に召し出す事も出来るのに、お約束を律儀に守られ私を遣わせているのも、全て姫の不興を買わぬ為なのですが」
その言葉に私はぎょっとした。
「そんな話が出てますの!?」
「そんな!」
グレイも同時に同じ事を思ったようで、顔を青褪めさせて叫ぶ。ギャヴィンは「出てませんよ、まだ」と飄々としている。
「ただ、あまり邪険にされると出る可能性があるかと」
「何故、そこまで……」
本気で訳が分からない。殿下とお目通りした時に私に一目惚れした訳でもないだろうに。
何だか気味悪くなってきた。
呟いた私に、ギャヴィンが感情の読めない静かな眼差しをこちらに向ける。
「そこまでのものなのですよ、マリアージュ様の価値は」
「……そうでしょうね」
苦々しい表情のグレイ。ギャヴィンはふっと目で笑う。
「グレイ殿の方がよほど分かっていらっしゃる。ですので、ある程度は私を通じて交流を持たれた方が良いと思いますよ。そうすれば殿下も強硬手段は取られないでしょう」
ウインクが飛んできた。思わずそれを避けるように上体を動かす。自然、眉間に皺が寄った。殿下よりもこいつの方が厄介だと本能が告げている。内心警戒心MAXである。
「殿下に入知恵しているのは貴方ですわよね……何を考えておりますの?」
私が切り込むと、ギャヴィンは悪戯がバレた子供のような表情になった。
「おや、バレましたか。さっき申し上げた以上の事は何も考えていませんよ。貴女には嫌われていますが、私個人の気持ちは是非とも友人ぐらいにはなりたいと思っています。何より貴女は見ていて面白いですからね、色々と。そうそう、先日お会いした時も貴女が曲者だと叫んだ後――」
「おっ、お友達ぐらいならなってやっても良いですわ!」
焦った私は間髪入れずに大声を上げた。グレイが怪訝な顔をする。折角最高機密の事を誤魔化せると思ったのに、ほじくり返されては堪らない。ギャヴィンは呆気にとられた後、何かに気付いたようにニーッと嫌な笑みを浮かべた。
「じゃあ決まりですね。私の事はギャヴィンとお呼びください。マリー様とお呼びしても?」
私は唇を噛んで頷いた。結果としてこっちが「ギャヴィン」と言わされたのだ。悔しいぃ……グレイさえ此処に居なければ色々やり返しようがあったのに。
しかしである。本性を出すのが難しくなるのはきっと相手も同じだろう。
「……条件がありますわ。ギャヴィン様にはグレイが傍に居る時にしかお会いしません」
絶対にだ。グレイにも「それでいいですわね」と同意を得る。グレイとしてもギャヴィンを警戒しているのですぐに頷いてくれた。
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