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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
グレイ・ダージリン(25)
支店に到着すると、入り口には『本日休業』の板。裏口に回ってノックすると、ジェロマンが目を擦りながら招き入れてくれた。
店内はまるで嵐の後を片付けた様相でがらんとしている。階段を上がって商談室で待って暫く。目の下にくまを作った支店長セヴランス、ヤン、シャルマンがやって来た。
「今日は休業せざるを得ないよね。うん、仕方ない」
幽鬼のような彼らに僕は休業の理由を嫌でも悟る。夜通し休みなしで働いたのなら無理もない。
セヴランスが持っていた帳面と紙片を僕に渡してきた。
「ご理解頂けたようで何よりです。こちらが昨日の売上げとなります。奥様の取り分はこちらですね」
「うん、ありがとう。わ、凄く売れたんだね!」
帳面の合計欄、そして紙片を見ると物凄い金額だった。何か月分かをたった一日で一気に売り抜けたんじゃないかな。
「聖女様の奇跡を経験した者達が殺到致しまして。お蔭様で店内もご覧になった通り、倉庫の中身もほとんどすっからかんになりましたよ。他の店に在庫商品を融通して頂いて尚これですからね。聖女様様でございます」
例の鈴や魔法の鏡の小物入れ等も予約待ちだという。聖女が祝福を与えるという触れ込みだから高い割に飛ぶように売れたとか。この街の細工師は暫く寝不足になるだろうとの事だった。
「うわあ……大変だったろう。昨日は悪かったね」
如何に客が殺到したか。それを想像して内心ぶるりと震える。申し訳なくて謝罪すると、セヴランスは苦笑いをして首を横に振った。
「いいえ、確かに大変でしたが商人として楽しく大商いをさせて頂きました。奥様にもお礼をお伝え下さい」
「そう言ってくれれば嬉しいよ」
労わりの言葉をかけようとした、その時。ご報告が、とヤンが口を開いた。
「商会の建物周辺に、アレマニア人と思しき男達がうろついていました。シャルマンが直接出向いて確認したところ、仕入れの行商人だと名乗ったそうです。僅かにアレマニア語の訛りがありましたので間違いないでしょう」
「そう言えばマリーが商人も一緒だと言っていたっけ……アーダム第一皇子に関係ある者達だろうね。王都から動けない皇子の代わりに探りに来たのかな」
そこへ、ジェロマンが近付いて来る。
――既に隠密騎士達に伝達は済ませております。
耳元で囁かれ、僕は頷いた。
妙な動きをしないよう見張っていてくれるのだろう。
「セヴランス、今は静観を。何かあればジェロマンを寄越して」
そう言って僕はカールに商会の従業員とその家族の安全を見張らせるように耳打ちをする。
アーダム皇子に随行してくる程の商人であれば、それなりの修羅場をくぐって来ているだろう。城は固められている。真っ先に狙うとすれば手の付けやすい所だ。
しかし警戒し過ぎても相手の油断を誘えない。ある程度の隙を見せてそこを叩かせる。隠密騎士達は状況を上手く利用してくれることだろう。
「……わかりました」
支店長セヴランスは不安そうにしつつも頷く。
僕はお茶で唇を潤すと、違う話題を切り出した。
「ところで話は変わるんだけど。この街に、アルビオン王国に関係のある商会ってあるかな」
「確か……ベリエ商会という庶民向けの小さな店が安価で丈夫なアルビオンの毛織物を扱っている、と耳にしております。店主がアルビオン人だとか。最近では、薄手で軽く上質な物も出て来始めたそうで」
あるのか。これは幸先が良い。
「へぇ……。ねえ、アルビオンの羊毛糸って安く取引出来そう?」
「それは可能でしょうが……どうなさるおつもりですか?」
訝し気に首を傾げる支店長に、僕はにっこりと微笑んだ。
「勿論、商売だよ。生の羊毛糸を安く大量に輸入して染め上げ、最新の機織り機で美しく織り上げて売るつもり。是非とも大商いにしたいね」
買収はあくまでも足掛かりに過ぎない。僕にはもっと大きな狙いがある。
「もしかして、将来的には買収つもりですかー?」
「そうだよ、カール。キーマン商会に依存させて買い取りたいと思ってる。キーマン商会の名を出さず、その商会の看板でアルビオンに店舗を構えて商売する為にね。いきなり買収したいと持ち掛けても断られるだろうし」
「うーん、情報を得る為だったら買収までしなくても良いんじゃないですかねー?」
「……情報を得るだけ、ならね」
そう。ただ情報を買うよりも、いっそ取り込んでしまった方がアルビオン国内に拠点を作れるし人も送り込める。
教会の派閥とは関係ない、商売での事だからアルビオン側にも警戒されにくいだろう。
そう言うと、シャルマンが前へ進み出た。
「断られるかどうかは分かりませんよ、それとなく探りを入れてみましょうか」
「回りくどい事をせずとも買収できるならそれで。頼めるかい?」
「買収にあたり、こちらの提示出来る条件を教えて下さい。こういう事は得意ですからお任せを」
「宜しく頼むよ。ただ、昨日は大変だったんだし。ゆっくり休んでからで構わない。その後で話そう」
分かりました、そうさせて頂きますとシャルマン。
話は終わった。ヤンとシャルマンを連れてそろそろお暇しようと部屋を出て階段を降りた時。
「お待ちください、先程取引先の木工職人がこのようなものを作って売りたいと許可を求めて参りました。何でも創作意欲を刺激されたと徹夜で作り上げたそうで」
副支店長に呼び止められた。示した先を見ると、そこにあったのは子供が乗る天馬仕様の木馬。
ご丁寧に、ヨハンとシュテファンが担いでいるアレの目付きまできっちり再現されている。
「翼は取り外し可能で玩具の盾に。木剣も付いておりまして、聖騎士様ごっこも出来るとか。女の子も男の子も一緒に遊べる仕様、との事でした」
副支店長が実際に取り外したりして見せている。カールは肩を震わせていた。
ああ、うん……これ。
嫌でも理解してしまう。木工職人は間違いなく隠密騎士の里の出だ。
でなければ翼の事も知る筈がない。
「……売れそうなら好きにすると良いよ。勿論売上げの一割はマリーにね」
僕は若干投げやりに言って支店を後にした。
***
城へ戻ると、食事のカートを引いたサリーナに出くわした。こちらを見るなり彼女はやや咎めるような視線を寄越す。
「お帰りなさいまし、グレイ様。あの、程々にして頂きませんと……マリー様は腰を痛めて動けないとまだベッドの上にいらっしゃいますよ?」
「申し訳ありませんでした!」
若干説教され、僕は素直に謝った。
「マリーはもう起きてるかな?」
「ええ、先程。これから食事をお運びするところです」
「あ、じゃあ僕が持って行きましょう。謝らなきゃいけないし」
「かしこまりました。では私はお連れの方々をご案内致しましょう」
サリーナ達と別れた僕はカートを引きながら寝室へと向かう。
扉をノックをして入ると、ベッドに半身を起こしていたマリーが開口一番、
「夕べはよくもやってくれたわね」
剥れた顔でじろりと睨みつけてきた。その迫力に僕は怯む。今朝カールに揶揄われた事も手伝って、思わず目を逸らした。
お、怒ってる……。
何か言わないと。精一杯の言葉を絞り出して謝るも、「けだもの」と罵られ。
紳士を自認していた僕は精神的にショックを受けた。返す言葉もない。
マリーはそんな僕の様子を暫く見て溜息を吐いた後、お昼を食べさせてくれたら許してあげるという。
やっぱりマリーは優しい。そんな事で許して貰えるならお安いご用だ。
パンを咀嚼して飲み込んだ後、マリーはところで、と切り出した。
「キーマン商会に行っていたんですって? 昨日の売り上げはどうだったの?」
「ああ、その事なんだけどね――」
僕が報告をすると、予想以上だったらしく「そんなに!?」と目を見開いて驚いている。彼女の取り分を記した紙片を渡すと、すっかりご機嫌を取り戻したようだ。良かった。
内心安堵しながら、大陸銀の事を伝えておくだけ伝えておこうと話す。
賢者の儀式が終わるまでに考えておいて、と言うとマリーは分かったわと頷いた。僕の考えを訊かれるまま話すと、マリーもそれに同意する。銀に代わる何か高く売れるものを考えてみると言った。
「宜しくね。それにしても、意外だなぁ」
「何が?」
「いや、キャンディ伯爵家が脅かされるというのにマリーは落ち着いているからさ。てっきり慌てふためくと思ってた」
そう言うと、マリーは肩を竦めた。
「あら、夕べ私が狂ったように喜んで燥いでいたでしょ。その理由は何だと思ってるの?」
「ああ、それを訊こうと思ってたんだ。どうして?」
そう言えば話は今日すればいいと思って訊いてなかった。僕の問いかけに、マリーは妖精のように悪戯っぽく笑って人差し指を唇に当てる。
「ふふーん。実はね……聞いて驚け、前世の知識を透視能力で自由自在に得る事が出来ると分かったからよ!」
「えっ」
何だって!?
店内はまるで嵐の後を片付けた様相でがらんとしている。階段を上がって商談室で待って暫く。目の下にくまを作った支店長セヴランス、ヤン、シャルマンがやって来た。
「今日は休業せざるを得ないよね。うん、仕方ない」
幽鬼のような彼らに僕は休業の理由を嫌でも悟る。夜通し休みなしで働いたのなら無理もない。
セヴランスが持っていた帳面と紙片を僕に渡してきた。
「ご理解頂けたようで何よりです。こちらが昨日の売上げとなります。奥様の取り分はこちらですね」
「うん、ありがとう。わ、凄く売れたんだね!」
帳面の合計欄、そして紙片を見ると物凄い金額だった。何か月分かをたった一日で一気に売り抜けたんじゃないかな。
「聖女様の奇跡を経験した者達が殺到致しまして。お蔭様で店内もご覧になった通り、倉庫の中身もほとんどすっからかんになりましたよ。他の店に在庫商品を融通して頂いて尚これですからね。聖女様様でございます」
例の鈴や魔法の鏡の小物入れ等も予約待ちだという。聖女が祝福を与えるという触れ込みだから高い割に飛ぶように売れたとか。この街の細工師は暫く寝不足になるだろうとの事だった。
「うわあ……大変だったろう。昨日は悪かったね」
如何に客が殺到したか。それを想像して内心ぶるりと震える。申し訳なくて謝罪すると、セヴランスは苦笑いをして首を横に振った。
「いいえ、確かに大変でしたが商人として楽しく大商いをさせて頂きました。奥様にもお礼をお伝え下さい」
「そう言ってくれれば嬉しいよ」
労わりの言葉をかけようとした、その時。ご報告が、とヤンが口を開いた。
「商会の建物周辺に、アレマニア人と思しき男達がうろついていました。シャルマンが直接出向いて確認したところ、仕入れの行商人だと名乗ったそうです。僅かにアレマニア語の訛りがありましたので間違いないでしょう」
「そう言えばマリーが商人も一緒だと言っていたっけ……アーダム第一皇子に関係ある者達だろうね。王都から動けない皇子の代わりに探りに来たのかな」
そこへ、ジェロマンが近付いて来る。
――既に隠密騎士達に伝達は済ませております。
耳元で囁かれ、僕は頷いた。
妙な動きをしないよう見張っていてくれるのだろう。
「セヴランス、今は静観を。何かあればジェロマンを寄越して」
そう言って僕はカールに商会の従業員とその家族の安全を見張らせるように耳打ちをする。
アーダム皇子に随行してくる程の商人であれば、それなりの修羅場をくぐって来ているだろう。城は固められている。真っ先に狙うとすれば手の付けやすい所だ。
しかし警戒し過ぎても相手の油断を誘えない。ある程度の隙を見せてそこを叩かせる。隠密騎士達は状況を上手く利用してくれることだろう。
「……わかりました」
支店長セヴランスは不安そうにしつつも頷く。
僕はお茶で唇を潤すと、違う話題を切り出した。
「ところで話は変わるんだけど。この街に、アルビオン王国に関係のある商会ってあるかな」
「確か……ベリエ商会という庶民向けの小さな店が安価で丈夫なアルビオンの毛織物を扱っている、と耳にしております。店主がアルビオン人だとか。最近では、薄手で軽く上質な物も出て来始めたそうで」
あるのか。これは幸先が良い。
「へぇ……。ねえ、アルビオンの羊毛糸って安く取引出来そう?」
「それは可能でしょうが……どうなさるおつもりですか?」
訝し気に首を傾げる支店長に、僕はにっこりと微笑んだ。
「勿論、商売だよ。生の羊毛糸を安く大量に輸入して染め上げ、最新の機織り機で美しく織り上げて売るつもり。是非とも大商いにしたいね」
買収はあくまでも足掛かりに過ぎない。僕にはもっと大きな狙いがある。
「もしかして、将来的には買収つもりですかー?」
「そうだよ、カール。キーマン商会に依存させて買い取りたいと思ってる。キーマン商会の名を出さず、その商会の看板でアルビオンに店舗を構えて商売する為にね。いきなり買収したいと持ち掛けても断られるだろうし」
「うーん、情報を得る為だったら買収までしなくても良いんじゃないですかねー?」
「……情報を得るだけ、ならね」
そう。ただ情報を買うよりも、いっそ取り込んでしまった方がアルビオン国内に拠点を作れるし人も送り込める。
教会の派閥とは関係ない、商売での事だからアルビオン側にも警戒されにくいだろう。
そう言うと、シャルマンが前へ進み出た。
「断られるかどうかは分かりませんよ、それとなく探りを入れてみましょうか」
「回りくどい事をせずとも買収できるならそれで。頼めるかい?」
「買収にあたり、こちらの提示出来る条件を教えて下さい。こういう事は得意ですからお任せを」
「宜しく頼むよ。ただ、昨日は大変だったんだし。ゆっくり休んでからで構わない。その後で話そう」
分かりました、そうさせて頂きますとシャルマン。
話は終わった。ヤンとシャルマンを連れてそろそろお暇しようと部屋を出て階段を降りた時。
「お待ちください、先程取引先の木工職人がこのようなものを作って売りたいと許可を求めて参りました。何でも創作意欲を刺激されたと徹夜で作り上げたそうで」
副支店長に呼び止められた。示した先を見ると、そこにあったのは子供が乗る天馬仕様の木馬。
ご丁寧に、ヨハンとシュテファンが担いでいるアレの目付きまできっちり再現されている。
「翼は取り外し可能で玩具の盾に。木剣も付いておりまして、聖騎士様ごっこも出来るとか。女の子も男の子も一緒に遊べる仕様、との事でした」
副支店長が実際に取り外したりして見せている。カールは肩を震わせていた。
ああ、うん……これ。
嫌でも理解してしまう。木工職人は間違いなく隠密騎士の里の出だ。
でなければ翼の事も知る筈がない。
「……売れそうなら好きにすると良いよ。勿論売上げの一割はマリーにね」
僕は若干投げやりに言って支店を後にした。
***
城へ戻ると、食事のカートを引いたサリーナに出くわした。こちらを見るなり彼女はやや咎めるような視線を寄越す。
「お帰りなさいまし、グレイ様。あの、程々にして頂きませんと……マリー様は腰を痛めて動けないとまだベッドの上にいらっしゃいますよ?」
「申し訳ありませんでした!」
若干説教され、僕は素直に謝った。
「マリーはもう起きてるかな?」
「ええ、先程。これから食事をお運びするところです」
「あ、じゃあ僕が持って行きましょう。謝らなきゃいけないし」
「かしこまりました。では私はお連れの方々をご案内致しましょう」
サリーナ達と別れた僕はカートを引きながら寝室へと向かう。
扉をノックをして入ると、ベッドに半身を起こしていたマリーが開口一番、
「夕べはよくもやってくれたわね」
剥れた顔でじろりと睨みつけてきた。その迫力に僕は怯む。今朝カールに揶揄われた事も手伝って、思わず目を逸らした。
お、怒ってる……。
何か言わないと。精一杯の言葉を絞り出して謝るも、「けだもの」と罵られ。
紳士を自認していた僕は精神的にショックを受けた。返す言葉もない。
マリーはそんな僕の様子を暫く見て溜息を吐いた後、お昼を食べさせてくれたら許してあげるという。
やっぱりマリーは優しい。そんな事で許して貰えるならお安いご用だ。
パンを咀嚼して飲み込んだ後、マリーはところで、と切り出した。
「キーマン商会に行っていたんですって? 昨日の売り上げはどうだったの?」
「ああ、その事なんだけどね――」
僕が報告をすると、予想以上だったらしく「そんなに!?」と目を見開いて驚いている。彼女の取り分を記した紙片を渡すと、すっかりご機嫌を取り戻したようだ。良かった。
内心安堵しながら、大陸銀の事を伝えておくだけ伝えておこうと話す。
賢者の儀式が終わるまでに考えておいて、と言うとマリーは分かったわと頷いた。僕の考えを訊かれるまま話すと、マリーもそれに同意する。銀に代わる何か高く売れるものを考えてみると言った。
「宜しくね。それにしても、意外だなぁ」
「何が?」
「いや、キャンディ伯爵家が脅かされるというのにマリーは落ち着いているからさ。てっきり慌てふためくと思ってた」
そう言うと、マリーは肩を竦めた。
「あら、夕べ私が狂ったように喜んで燥いでいたでしょ。その理由は何だと思ってるの?」
「ああ、それを訊こうと思ってたんだ。どうして?」
そう言えば話は今日すればいいと思って訊いてなかった。僕の問いかけに、マリーは妖精のように悪戯っぽく笑って人差し指を唇に当てる。
「ふふーん。実はね……聞いて驚け、前世の知識を透視能力で自由自在に得る事が出来ると分かったからよ!」
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