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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
グレイ・ダージリン(76)
驚きの一報に叫んだ僕。
それをもたらしたサリーナは、息を整えると説明を続けた。
「ジュリヴァの港で逃亡したアヤスラニ帝国の皇太子達の身柄を拘束することに成功したのですが、残念ながらマリー様のお姿はなかったそうです。
皇太子達をアーベルト達が尋問したところ、アレマニア帝国皇子達の急襲を受けてマリー様を奪われてしまったとのこと」
「アーダム皇子……帰国していなかったのか」
「恐らくガリアの港で降りて再び舞い戻って来たのでしょう。機を伺って再びマリー様に接触しようとしていたと思われます」
ヨハンが推測を述べる。きっと遠からず当たっているだろう。
「マリー……」
誘拐犯がアヤスラニ帝国のオスマン皇太子から神聖アレマニア帝国のアーダム第一皇子に変わった。
状況は悪化している――僕はギリリ、と歯を食いしばる。
アーダム皇子がもし、無理やりマリーを……いや、今は彼女の命が無事でありさえすればいい。
そう思いなおすも、彼女がアーダム皇子に無体を強いられている想像が悶々ととめどなく沸き上がり、僕の内面は怒りと焦燥に荒れ狂っていた。
僕はファリエロを探した。
「ファリエロ、出航の準備は?」
「一隻は一刻もすれば可能だ。だがそれだと心もとないだろう?」
追跡や戦闘になる可能性を考えれば、最低でも二、三隻はあった方が良いという。
確かにそうだけれど、時間をこれ以上引き延ばすのは……
「……」
どうする? 一隻だけでも出航してしまうべきだろうか。
悩んでいると、グレイ様! と声を掛けられる。
振り向くと、そこには――
「ピエール、ガリア食堂の髭親父……」
ナヴィガポールの人々が集まってきていた。船乗りのマルコが鼻の下を人差し指で擦りながら「姫様の危機ってんで、皆にも声を掛けたんでさぁ!」と得意げにしている。
「聖女様の身に危険が迫っていると聞きました!」
「聖女様には大波からこの地を救って頂いた恩義があります! 私達も荷運びを手伝います!」
「俺は食料を商っております! ダージリン伯爵様、在庫全てお持ちください!」
皆、口々に協力を申し出てくれた。僕は思わず熱くなった目頭を押さえた。
「皆……ありがとう、恩に着る!」
「グレイ坊ちゃん、安心しろよ。俺もついてるから!」
リノが笑って僕の肩を叩いた。彼も一つの船の船長として同行してくれるという。
人々はファリエロの指示で荷運びを手伝い始めた。食料などの物資も数隻どころかナヴィガポールの帆船十数隻の物資を瞬く間に積み終わった。
いざ出航という時になったその時。
「おお、神よ! やっと追いつきました。猊下、私もお連れ下さい!」
馬が足りず置いてけぼりになっていたエヴァン修道士が僕達を追って船着き場に駆け付けて、ギリギリのところで船に乗り込んで来る。
梯子を外されたところで、ファリエロが号令をかけた。
「帆を上げろ、出航だ!」
***
出港してから早一日。
ナヴィガポールにあるほぼ全てのキーマン商会所属の帆船の一団――その先頭を切るファリエロの船の船首部に立ち、僕はじっと行く末を見つめていた。
大導師フゼイフェの言うことが真実なら、マリーは既に薬の影響から抜け出している筈。毛嫌いしていた神聖アレマニア帝国のアーダム皇子に連れ去られて、どんなに恐ろしい思いをしていることだろう。
僕は祈るような気持ちでマリーからの連絡を待ち続ける。
追跡する相手がアーダム皇子に変わったとはいえ、こちらがやることは変わらない。
アレマニアへ向かうならば目的地は東方小国群だろう。
ただ、陸路に切り替えてガリア王国を陸路で横断するか、それとも船で回り込むのか。
近いのは陸路。しかし僕はなんとなく後者なような気がしていた。
いずれにせよ、船をガリアに上陸させる前に、何としてでも追いつかなければ!
背後に近づく気配にちらりとちらりと振り返ると、ファリエロだった。
「これほどの数の船を動かすのは滅多にないから血が騒ぐな」
「僕達は戦争に行くも同然だよ。アーダム皇子の性格上、戦闘は避けられないだろうから」
マリーからの連絡さえあればアーダム皇子達の乗る船は把握できる。
そうすれば逃げられないように囲い込みつつ、攻撃を仕掛けることが出来るだろう。暗闇の中での襲撃が望ましい。
ガリアのシルヴィオ第一王子殿下に協力を頼み、必ずマリーをこの手に取り戻す。
ファリエロが去っていった後しばらく。
何となく誰かの視線を感じた瞬間だった。
『グレイ、グレイ!』
脳裏に響く、愛しい彼女の声。
「っ、マリー!? 今何処にいるんだ!」
希望と不安がぐちゃぐちゃになって思わず叫ぶ。『ここよ!』との声と共に、頭の中にぶわりと地図が描かれた。僕達の位置とマリーの乗せられている船の位置も分かる。
――良かった、そう遠く離れてはいない。
『マリーは無事?』
祈るような気持ちで問いかける。マリーからの無事でいるとの返答に、僕はひとまず安堵した。
『実は、私、薬の影響から抜け出して目覚めたのは今日なの。
それで透視能力と精神感応能力を駆使して色々現状を探っていたのよ』
マリーによると、領地ではサイモン様が領主代理として厳戒態勢をしいて下さっているらしい。そして捕まったオスマン皇太子達は領都の城の牢に入れられているそうだ。
「起きてアーダム皇子に会って、アヤスラニ帝国の麻痺香の事を知らされたわ。それと、驚いたことにフレールとも会ったの」
逆恨みされて、呪われかけたわ。彼女は私を逆恨みして、私を攫う協力をすることと引き換えにアレマニア帝国での爵位と好みの夫を斡旋してもらう取引をしたみたいね。トラス王国を裏切ることもなんとも思ってないようだったわ。
『今のところ、私の貞操は無事だけれど……アーダム皇子は聖地に寄って私を自分のものにすると言ったの!』
まさか、フレールがアーダム皇子に協力するなんて。
僕はフレールの所在について調べもせず放置したことを後悔した。
『分かった、急がなきゃいけないね』
チッ……あのクソ女、兄さんの時と言い、本当にどこまでも余計なことを。
カーフィには気の毒だけど、僕はあの女がどうなろうと一切助けないことを決めた。人攫いの片棒を担ぐ犯罪者に容赦は要らないだろう。それにあの女はもう二度と伯爵夫人に返り咲くことは許されない。
『グレイは最初からコスタポリに行こうとしていたのね』
話題を変えるようにマリーが切り出す。どうやら僕の推測は当たっていたようだ。
その後のやり取りで、マリーが聖女の能力でシルヴィオ殿下に協力を頼むことが決まった。
ついでにこれまで碌に眠らず、精神状態が酷いことになっていたヨハン達を宥めて貰う。
そのお陰で、万全の状況で動けるように! と彼らは自発的に休息してくれたので本当に良かったと思う。
血に飢えた狂犬がうろうろされているような心地がして、皆びくびくとして落ち着かなかったからだ。
船尾にある船長室へ向かい、マリーの乗せられている船の特徴をファリエロに告げる。位置関係を地図で示すと、ファリエロはニヤリと笑った。
「その特徴なら、恐らく顔見知りのダニオの船だろう。奴の船足は俺達より遥かに遅い。この距離ならば数日もせず追いつくだろう」
「それを聞いて安心したよ」
そんな会話を交わしていると、丁度侍女ナーテが食事を運んできてくれた。
これを食べて僕も一眠りするとしよう。
再度マリーからの連絡があったのは、それから一日半ほど経過した頃。
その内容のあまりの予想外さに、
「ふ、船から落ちただってえええ――!?」
度肝を抜かれた僕は、再び盛大に叫ぶこととなった。
それをもたらしたサリーナは、息を整えると説明を続けた。
「ジュリヴァの港で逃亡したアヤスラニ帝国の皇太子達の身柄を拘束することに成功したのですが、残念ながらマリー様のお姿はなかったそうです。
皇太子達をアーベルト達が尋問したところ、アレマニア帝国皇子達の急襲を受けてマリー様を奪われてしまったとのこと」
「アーダム皇子……帰国していなかったのか」
「恐らくガリアの港で降りて再び舞い戻って来たのでしょう。機を伺って再びマリー様に接触しようとしていたと思われます」
ヨハンが推測を述べる。きっと遠からず当たっているだろう。
「マリー……」
誘拐犯がアヤスラニ帝国のオスマン皇太子から神聖アレマニア帝国のアーダム第一皇子に変わった。
状況は悪化している――僕はギリリ、と歯を食いしばる。
アーダム皇子がもし、無理やりマリーを……いや、今は彼女の命が無事でありさえすればいい。
そう思いなおすも、彼女がアーダム皇子に無体を強いられている想像が悶々ととめどなく沸き上がり、僕の内面は怒りと焦燥に荒れ狂っていた。
僕はファリエロを探した。
「ファリエロ、出航の準備は?」
「一隻は一刻もすれば可能だ。だがそれだと心もとないだろう?」
追跡や戦闘になる可能性を考えれば、最低でも二、三隻はあった方が良いという。
確かにそうだけれど、時間をこれ以上引き延ばすのは……
「……」
どうする? 一隻だけでも出航してしまうべきだろうか。
悩んでいると、グレイ様! と声を掛けられる。
振り向くと、そこには――
「ピエール、ガリア食堂の髭親父……」
ナヴィガポールの人々が集まってきていた。船乗りのマルコが鼻の下を人差し指で擦りながら「姫様の危機ってんで、皆にも声を掛けたんでさぁ!」と得意げにしている。
「聖女様の身に危険が迫っていると聞きました!」
「聖女様には大波からこの地を救って頂いた恩義があります! 私達も荷運びを手伝います!」
「俺は食料を商っております! ダージリン伯爵様、在庫全てお持ちください!」
皆、口々に協力を申し出てくれた。僕は思わず熱くなった目頭を押さえた。
「皆……ありがとう、恩に着る!」
「グレイ坊ちゃん、安心しろよ。俺もついてるから!」
リノが笑って僕の肩を叩いた。彼も一つの船の船長として同行してくれるという。
人々はファリエロの指示で荷運びを手伝い始めた。食料などの物資も数隻どころかナヴィガポールの帆船十数隻の物資を瞬く間に積み終わった。
いざ出航という時になったその時。
「おお、神よ! やっと追いつきました。猊下、私もお連れ下さい!」
馬が足りず置いてけぼりになっていたエヴァン修道士が僕達を追って船着き場に駆け付けて、ギリギリのところで船に乗り込んで来る。
梯子を外されたところで、ファリエロが号令をかけた。
「帆を上げろ、出航だ!」
***
出港してから早一日。
ナヴィガポールにあるほぼ全てのキーマン商会所属の帆船の一団――その先頭を切るファリエロの船の船首部に立ち、僕はじっと行く末を見つめていた。
大導師フゼイフェの言うことが真実なら、マリーは既に薬の影響から抜け出している筈。毛嫌いしていた神聖アレマニア帝国のアーダム皇子に連れ去られて、どんなに恐ろしい思いをしていることだろう。
僕は祈るような気持ちでマリーからの連絡を待ち続ける。
追跡する相手がアーダム皇子に変わったとはいえ、こちらがやることは変わらない。
アレマニアへ向かうならば目的地は東方小国群だろう。
ただ、陸路に切り替えてガリア王国を陸路で横断するか、それとも船で回り込むのか。
近いのは陸路。しかし僕はなんとなく後者なような気がしていた。
いずれにせよ、船をガリアに上陸させる前に、何としてでも追いつかなければ!
背後に近づく気配にちらりとちらりと振り返ると、ファリエロだった。
「これほどの数の船を動かすのは滅多にないから血が騒ぐな」
「僕達は戦争に行くも同然だよ。アーダム皇子の性格上、戦闘は避けられないだろうから」
マリーからの連絡さえあればアーダム皇子達の乗る船は把握できる。
そうすれば逃げられないように囲い込みつつ、攻撃を仕掛けることが出来るだろう。暗闇の中での襲撃が望ましい。
ガリアのシルヴィオ第一王子殿下に協力を頼み、必ずマリーをこの手に取り戻す。
ファリエロが去っていった後しばらく。
何となく誰かの視線を感じた瞬間だった。
『グレイ、グレイ!』
脳裏に響く、愛しい彼女の声。
「っ、マリー!? 今何処にいるんだ!」
希望と不安がぐちゃぐちゃになって思わず叫ぶ。『ここよ!』との声と共に、頭の中にぶわりと地図が描かれた。僕達の位置とマリーの乗せられている船の位置も分かる。
――良かった、そう遠く離れてはいない。
『マリーは無事?』
祈るような気持ちで問いかける。マリーからの無事でいるとの返答に、僕はひとまず安堵した。
『実は、私、薬の影響から抜け出して目覚めたのは今日なの。
それで透視能力と精神感応能力を駆使して色々現状を探っていたのよ』
マリーによると、領地ではサイモン様が領主代理として厳戒態勢をしいて下さっているらしい。そして捕まったオスマン皇太子達は領都の城の牢に入れられているそうだ。
「起きてアーダム皇子に会って、アヤスラニ帝国の麻痺香の事を知らされたわ。それと、驚いたことにフレールとも会ったの」
逆恨みされて、呪われかけたわ。彼女は私を逆恨みして、私を攫う協力をすることと引き換えにアレマニア帝国での爵位と好みの夫を斡旋してもらう取引をしたみたいね。トラス王国を裏切ることもなんとも思ってないようだったわ。
『今のところ、私の貞操は無事だけれど……アーダム皇子は聖地に寄って私を自分のものにすると言ったの!』
まさか、フレールがアーダム皇子に協力するなんて。
僕はフレールの所在について調べもせず放置したことを後悔した。
『分かった、急がなきゃいけないね』
チッ……あのクソ女、兄さんの時と言い、本当にどこまでも余計なことを。
カーフィには気の毒だけど、僕はあの女がどうなろうと一切助けないことを決めた。人攫いの片棒を担ぐ犯罪者に容赦は要らないだろう。それにあの女はもう二度と伯爵夫人に返り咲くことは許されない。
『グレイは最初からコスタポリに行こうとしていたのね』
話題を変えるようにマリーが切り出す。どうやら僕の推測は当たっていたようだ。
その後のやり取りで、マリーが聖女の能力でシルヴィオ殿下に協力を頼むことが決まった。
ついでにこれまで碌に眠らず、精神状態が酷いことになっていたヨハン達を宥めて貰う。
そのお陰で、万全の状況で動けるように! と彼らは自発的に休息してくれたので本当に良かったと思う。
血に飢えた狂犬がうろうろされているような心地がして、皆びくびくとして落ち着かなかったからだ。
船尾にある船長室へ向かい、マリーの乗せられている船の特徴をファリエロに告げる。位置関係を地図で示すと、ファリエロはニヤリと笑った。
「その特徴なら、恐らく顔見知りのダニオの船だろう。奴の船足は俺達より遥かに遅い。この距離ならば数日もせず追いつくだろう」
「それを聞いて安心したよ」
そんな会話を交わしていると、丁度侍女ナーテが食事を運んできてくれた。
これを食べて僕も一眠りするとしよう。
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