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第二章 ちょっと怖いけどがんばってみる!
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「あ、私も着替えなきゃ!」
あわてて教室に入ろうとすると、もう男子が着替え始めていた。男子は教室で、女子は更衣室で着替えるんだけど、すでに教室に残っている女子はいなかった。
「なんだよ、美優さん。のぞきか?」
「ち、違うわよ!」
「美優さん、やらしー。見せてやろうか? 俺のピカチュウパンツ」
口々に男子がからかってくる。
ひーん、莉子ちゃんも萌ちゃんも、先に行っちゃったんだ。私の運動着袋、持って行ってくれたかなあ。確かめたいけれど、もう一度教室の中をのぞくのは嫌だし……
「ほら」
すると、入口で固まっていた私に、颯太がぽんと私の運動着の袋を渡してくれる。やっぱり、まだロッカーの中に入ってたんだ。
「あ、ありがと」
「さっさと行けよ。それとも、一緒に着替えるか?」
「な、何言ってんのよ。そんなことしないわよ!」
私は、運動着袋を抱えると、一目散に廊下を駆け出した。
☆
「あ、美優ちゃん、ごめんね。先にきちゃって」
更衣室で着替えてから校庭に出ると、集合場所にはもう着替えた萌ちゃんがいた。
「ううん、私も遅くなっちゃったから」
「待ってようかと思ったんだけど、莉子ちゃんが先に行くってきかなかったの」
ああうん、わかる。だって、男子が着替え始めたら教室にいるのって、ちょっと気まずいもん。
「しょうがないよ。私だって同じように思うもん。でも、颯太が運動着袋とってくれたから、中には入らずにすんだんだ」
「そうなんだ。優しいよね。颯太君」
「そんなことない! もとと言えば颯太があんなとこで話しかけてくるから時間くっちゃったんだし」
「颯太君が? 何だって?」
「さっき、図書室で泣いてたの、見られちゃったみたいで、けが痛いのかって聞かれた」
萌ちゃんは、ほにゃりと笑った。
「昨日のけが、気にしてたんだ」
「けがしたのは、颯太のせいじゃないのにね」
「そうねえ」
萌ちゃんは、ただ笑っているだけだ。しばらくすると校舎から男子も出てきて、先生の笛の音が響く。
来月マラソン大会があるから、最近の体育はもっぱら持久走ばかりだ。
「私、持久走って苦手だなあ」
げんなりとして言ったら、萌ちゃんがまた笑った。
「たいしたことないわよ。足を、右、左、右、左って出していくとね、気がついたらいつの間にか終わっているのよ」
にこにこと笑って言う萌ちゃんは、ある意味すごい。
「美優! 遅いよ!」
準備運動の終わった莉子ちゃんは、走る気まんまんだ。
「今日は学校のマラソンコースを五周だって」
「ええー……」
「マラソン大会の時は、もっと走るんだよ。今からそんなことでどうするの」
スタートの笛と共に、莉子ちゃんは張り切って飛び出した。
あわてて教室に入ろうとすると、もう男子が着替え始めていた。男子は教室で、女子は更衣室で着替えるんだけど、すでに教室に残っている女子はいなかった。
「なんだよ、美優さん。のぞきか?」
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「美優さん、やらしー。見せてやろうか? 俺のピカチュウパンツ」
口々に男子がからかってくる。
ひーん、莉子ちゃんも萌ちゃんも、先に行っちゃったんだ。私の運動着袋、持って行ってくれたかなあ。確かめたいけれど、もう一度教室の中をのぞくのは嫌だし……
「ほら」
すると、入口で固まっていた私に、颯太がぽんと私の運動着の袋を渡してくれる。やっぱり、まだロッカーの中に入ってたんだ。
「あ、ありがと」
「さっさと行けよ。それとも、一緒に着替えるか?」
「な、何言ってんのよ。そんなことしないわよ!」
私は、運動着袋を抱えると、一目散に廊下を駆け出した。
☆
「あ、美優ちゃん、ごめんね。先にきちゃって」
更衣室で着替えてから校庭に出ると、集合場所にはもう着替えた萌ちゃんがいた。
「ううん、私も遅くなっちゃったから」
「待ってようかと思ったんだけど、莉子ちゃんが先に行くってきかなかったの」
ああうん、わかる。だって、男子が着替え始めたら教室にいるのって、ちょっと気まずいもん。
「しょうがないよ。私だって同じように思うもん。でも、颯太が運動着袋とってくれたから、中には入らずにすんだんだ」
「そうなんだ。優しいよね。颯太君」
「そんなことない! もとと言えば颯太があんなとこで話しかけてくるから時間くっちゃったんだし」
「颯太君が? 何だって?」
「さっき、図書室で泣いてたの、見られちゃったみたいで、けが痛いのかって聞かれた」
萌ちゃんは、ほにゃりと笑った。
「昨日のけが、気にしてたんだ」
「けがしたのは、颯太のせいじゃないのにね」
「そうねえ」
萌ちゃんは、ただ笑っているだけだ。しばらくすると校舎から男子も出てきて、先生の笛の音が響く。
来月マラソン大会があるから、最近の体育はもっぱら持久走ばかりだ。
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「たいしたことないわよ。足を、右、左、右、左って出していくとね、気がついたらいつの間にか終わっているのよ」
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「美優! 遅いよ!」
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「今日は学校のマラソンコースを五周だって」
「ええー……」
「マラソン大会の時は、もっと走るんだよ。今からそんなことでどうするの」
スタートの笛と共に、莉子ちゃんは張り切って飛び出した。
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